【MWC 2011レポート】【Microsoft基調講演編】
Windows Phone 7の機能拡張をデモ
~Nokiaとの強固なパートナーシップをアピール

Microsoft社長兼CEO スティーブ・バルマー氏

会期:2月14日~17日
会場:Fira de Barcelona(バルセロナ国際展示場)



 Microsoftは昨年(2010年)、最新版のスマートフォン向けOS「Windows Phone 7」を米国市場を中心に投入した。今回のMWC 2011の基調講演では、社長兼CEOのスティーブ・バルマー氏が登場し、Windows Phone 7のアップデート計画について明らかにした。

 バルマー氏によれば、今年(2011年)3月に性能や機能向上を含んだ最初のアップデートを投入。また今年後半には、ホーム画面からTwitterへのアクセスが可能になる機能、クラウドに置かれているOffice文章などへアクセスできる機能、GPUのハードウェアアクセラレーションを利用したモバイル版のInternet Explorer 9(以下モバイルIE9)、サードパーティアプリケーションのマルチタスク対応などの機能拡張が予定されているという。

 さらに、Xbox LIVEを通じてXbox 360と連携してゲームを楽しめるデモを公開したほか、先週米国で発表されたNokiaとの連携について触れ、Nokia社長兼CEOのステファン・エロップ氏を壇上に招待して、両社の強固なパートナーシップをアピールした。

●成功を収めたWindows Phone 7、さらなる進化をするために拡張を続けていく
MicrosoftとNokiaのパートナーシップは先週発表されている

 バルマー氏は、昨年のMWCにおいてWindows Phone 7の発表を行なったことについて触れ「1年が経過した今、多くのメーカーから搭載された製品が出荷され、大きな進展があったことに満足している」とアピールした。

 さらに「先日、Nokiaと新しいパートナーシップに関する発表を行なうことができた。これからもさらにそうした動きを加速するために、Windows Phone 7の拡張を続けていきたい」と述べ、Windows Phone 7の拡張計画に関しての説明を行なった。

 バルマー氏が具体的にWindows Phone 7の拡張機能として説明したのは次の5つ。

(1)コピー&ペーストを含むWindows Phone 7の最初のアップデート
(2)Internet Explorer 9
(3)Office文章のクラウド(SkyDrive)化への対応
(4)Twitterのホーム画面への統合
(5)より進化したマルチタスク対応

 バルマー氏によれば、(1)については3月に、(2)~(4)に関しては今年後半のどこかのタイミングでそれぞれリリースされる予定であるという。


2011年後半に、マルチタスクの機能が拡張されるPC向けと同じエンジンを利用するモバイルIE9が投入される
SkyDriveへの接続性が大きく改善されるTwitterの機能が標準UIに統合される

●モバイルIE9はGPUを利用
Microsoft副社長 ジョー・ベルフィオーレ氏

 Officeドキュメントのクラウド化への対応機能拡張では、Windows Phone 7のホーム画面からOfficeで作成されたドキュメントを、MicrosoftのクラウドサービスであるSkyDriveにアップロードできる様子などがデモ。

 マルチタスク動作のデモでは、サードパーティー製のアプリケーションがインストールされバックグランドでも動作している様子が公開された。デモを担当したMicrosoft副社長 ジョー・ベルフィオーレ氏は「これまではプリインストールのアプリケーションだけがバックグランドで動作し、サードパーティー製のアプリケーションはマルチタスク動作しなかった。しかし、今年後半に行なわれるアップデートによりそれらもマルチタスクで動作するようになる」と解説。ゲームをやっている最中に、ほかのアプリケーションを起動して移動しても、戻るボタンを押すだけで、すぐにゲームを再開できる様子などが披露された。


【動画】ゲームから他のアプリケーションに移動しても、すぐにゲームに戻ることができる

 一方Windows Phone 7用のモバイルIE9は、PC用のそれと同じエンジンが利用されていて、HTML5やGPUのハードウェアアクセラレーションの機能などが有効になっている。これにより、Webアプリケーションなどの描画が圧倒的に高速化されるという。

 ここで、実際にPC向けのIE9でもおなじみの、水槽内に魚を多数描画させるデモの比較が行なわれた。iPhone 4に搭載されているSafariと、モバイルIE9で同じ描画をさせて、ハードウェアが利用できるモバイルIE9が圧倒的に高速に描画できる様子などがライブで公開された。

上がiPhoneで、下がWindows Phone 7搭載スマートフォン。下のWindows Phone 7搭載スマートフォンが圧倒的に高速に描画されていることがわかる

 このほか、Xbox 360のKinectを利用した3Dゲームと、Windows Phone 7スマートフォンが、Xbox LIVEを通して通信して、協調してゲームを行なえるビデオを公開した。ビデオでは、Kinectを利用してXbox 360のゲームをプレイしているユーザーに、Windows Phone 7を手にしたユーザーが乱入する形で、ゲームを協調してプレイする様子が紹介され、スマートフォンの新しい使い方として楽しそうな機能だった。

【動画】Kinectを利用しているプレイヤーに、Windows Phone 7搭載スマートフォンを持ったユーザーが、スマートフォンをコントローラにして参戦
標準のUIからSkyDriveへとアクセスする機能などが追加されているInternet Explorer 9がWindows Phone 7へ対応する
iPhone 4のSafariとの比較デモ。左側のInternet Explorer 9はスムーズに動いていたXbox 360に、Xbox LIVE経由で接続して、Windows Phone 7の電話機をコントローラのように使うことができるようになる

●Nokiaとの強力なパートナーシップをアピール

 最後にバルマー氏は、Windows Phone 7のOEMメーカーについて触れ、「我々はSamsung、LG、HTC、Dellなどのパートナーシップをすでに獲得している。今後もこうしたOEMメーカーやキャリアなどと協力して、Windows Phoneの世界を広げていきたい」と述べた。

 その上で、さらに新たなOEMメーカーとして、Nokiaと戦略的な提携を決定したことについて触れた。「Nokiaが我々のエコシステムに参加したことでエコシステム全体がメリットを得られる。なぜならばWindows Phone 7の出荷ボリュームが増えることになるからだ」と述べ、2012年に予定されているNokiaのWindows Phone 7搭載スマートフォンの投入に大いに期待していると語った。

 続いて、Nokiaの社長兼CEOであるステファン・エロップ氏を壇上に呼んだ。エロップ氏は「Windows Phone 7は米国で非常によいスタートを切った。両社の提携は、コンシューマにとってもメリットになると思う」と述べ、両社の提携がユーザーに新しい選択肢を与えることになると強調した。

 最後にバルマー氏は「今後も各OEMメーカーから搭載製品が続々リリースされる予定だ。かつ、それは非常に速い速度で成し遂げられることになるだろう」と述べ、詰めかけた聴衆にWindows Phone 7のエコシステムに参加して欲しいと呼びかけて、講演のまとめとした。

Nokia社長兼CEO ステファン・エロップ氏Nokiaとの提携のスライドは多数用意されており、その意味を盛んに協調していたのが印象的だった

(2011年 2月 16日)

[Reported by 笠原 一輝]