イベントレポート
XYZprinting、クラウドベースの印刷機能に対応する3Dプリンタ
~3Dスキャナ内蔵の次世代モデルも
(2014/6/6 07:59)
- 会期:6月3日~7日(現地時間)
- 会場:Taipei World Trade Center Hall 1,3, NANGANG Exhibition Hall
- Taipei International Convention Center
台湾のKinpo Electronicsは、XYZprintingブランドの3Dプリンタ「da Vinci」シリーズの新モデル2機種を発表し、COMPUTEX会場で展示を行なった。
発表されたのは、「da Vinci 2.0 Duo」と「da Vince 2.1 Duo Plus」の2機種。日本でも発売されている「da Vinci 1.0」の上位モデルに位置付けられる製品だ。
双方ともプリントヘッドを2個備え、2色印刷を可能としている。背面に2色のフィラメントをセットすることで、2色を同時に使った印刷が行なえる。また、対応するフィラメントとして、従来モデル同様に12色ラインナップされているABS樹脂フィラメントに加え、PLA樹脂フィラメントにも新たに対応。ABS樹脂とPLA樹脂双方に対応したことで、印刷したい造形物に応じてフィラメントを使い分け、より高精度な印刷が可能になる。ただし、造形サイズが150×200×200mm(幅×奥行き×高さ)と、従来モデルに比べて幅が50mm小さくなっている。これは、プリントヘッドを2個搭載したためとのことだ。
da Vinci 2.1 Duo Plusは本体正面に5型のタッチパネル液晶を備えるとともに、USBメモリやネットワーク経由でデータを転送し印刷可能となっている。タッチパネル液晶を利用した操作も行なえるため、例えば印刷データを保存したUSBメモリを装着したり、クラウドスペースに印刷データを転送すれば、PCを接続することなく本体の画面を操作するだけで印刷が行なえる。
また、Androidスマートフォンやタブレット、iPhone、iPad向けの専用アプリも用意され、スマートフォンやタブレットを利用したリモート操作も可能になるという。実際にスマートフォンやタブレットを利用したリモート操作のデモは行なわれなかったが、このアプリによりさらに利便性を高められるとのこと。なお、da Vinci 2.0 Duoは、クラウドプリンティングなどには対応せず、従来モデル同様PCを接続して操作を行なうことになる。また、本体の画面も従来モデルと同じ小さな液晶表示で、タッチ操作も非対応。なお、双方とも日本語表示には対応する(da Vinci 2.0 Duoはカタカナのみ)。
本体サイズは従来モデルとほぼ同じ。発売時期は現時点では未定だが、日本でも年内に発売を予定しているという。価格は未定で、従来モデルよりは高くなるようだが、トップクラスのコストパフォーマンスは間違いなく維持されるという。なお、従来モデルのda Vinch 1.0も併売されるとのことだ。
ところで、XYZprintingブースでは、次世代製品の展示も行なわれていた。こちらは、内部に3Dスキャナ機能を内蔵しており、スキャンからプリントまでを1台でこなせる点が最大の特徴。スキャン用のセンサは2台搭載しているが、水平に並べて設置するのではなく、上方と下方に設置し斜めにスキャンする点が他の製品とは異なるとのこと。これにより、より高精度なスキャンを可能にしているという。
なお、日本では未発表の製品ということで型番などは教えてもらえず、詳細な撮影も許されなかったが、ポップには「da Vinci 2.1 AiO」と書かれていた。正面には5型のタッチパネル液晶が搭載されていることなどから、da Vinci 2.1 Duo Plusをベースに3Dスキャナ機能を追加したものと思われる。発売時期や価格は未定とのことだ。