イベントレポート

「ROG Ally X」が手に取れるROGのブース

COMPUTEX会場のROGブース

 COMPUTEX TAIPEI 2024会場のROGブースでは、6月2日発表の「ROG Ally X」や6月3日発表の「ROG Zephyrus G16」などの新製品をはじめとしたさまざまな製品を展示した。

 それら新製品は関連記事で紹介済みのため、本稿ではROGブランドのポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」の実機を詳しく紹介するとともに、ブースで目に付いたその他の製品を紹介する。

ROG Ally X

 ROGブースで特に人気となっていたのが、ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」だ。

会場ベースでもROG Ally Xは特に人気が高く、多くの来場者が詰めかけていた

 従来モデルのROG Allyは、ワールドワイドで優れた人気を集め、日本でも想定以上の売れ行きになっているという。ただ、従来モデルはユーザーから、バッテリ駆動時間が短かったり、搭載メモリ容量がやや少ない、内蔵SSDがM.2 2230のため拡張性に劣る、といった点が指摘され、中には改造を施して大容量バッテリやM.2 2280 SSDを搭載する強者も現れた。Ally Xは、そういった指摘された点を改善/強化したモデルとなっている。

 詳細は関連記事を参照されたいが、強化点としては、内蔵バッテリ容量を従来の2倍の80Whに倍増、メモリを従来のLPDDR5 6,400MHzからLPDDR5X 7,500MHzに高速化するとともに容量も16GBから24GBへ増量。

 また内蔵SSDをM.2 2280に変更し容量も1TBに増量、USB 4ポートの追加、ジョイスティックの耐久性向上やボタン/ジョイスティック配置の改善、冷却システムの強化などとなっている。

 それでいてサイズは従来モデルとほぼ同じで、重量は70g増にとどまっている。搭載プロセッサやディスプレイは従来モデルと同じだが、かなり大きく強化されたと言っていい。

 実際のAlly Xは、本体色がブラックになったことで、より精悍でゲーミングPCらしい印象が強まっている。手にしても、特に重くなったという印象はなく、軽快な利用が可能だった。

ROG Ally X
本体色がブラックになったことで、精悍な印象。重量は従来から70g重くなったが、特に重量増を感じることはなかった

 また、ボタンやジョイスティックが、より自然に指が届く場所に配置されていることで、操作性も良好だ。じっくりゲームをプレイする時間はなかったが、短時間でも操作しやすいと感じた。

 Ally Xは、日本でも8月以降の発売を予定しているという。価格は未定ながら、従来モデルから少し高くなる程度にしたいという。また、従来モデルも引き続き併売になるとのことだ。

下部側面
左側面
上部側面
右側面
背面
USB 3.1 Typ-Cに加えてUSB4が1ポート追加され、拡張性や利便性が向上
電源ボタン、オーディオジャック、microSDカードスロットなどは従来同様
ジョイスティックの耐久性が従来モデルの200万サイクルから500万サイクルへと向上。また十字パッド「D-PAD」も入力しやすくなっている
ジョイスティックやボタンに指が自然に届くよう配置が変更された
実際に操作してみても、快適な操作が可能だった
内部冷却システムが強化され、冷却性能が向上
従来よりもエアフローが24%増え、表面温度は6℃低くなるという
出力140WのACアダプタ「ROG 140W USB-C GaN CHARGER」が付属する
接続ポートとしてUSB Type-C×4、USB×1を備える
140WのACアダプタとしては比較的小型で、電源プラグも折りたたみ式のため携帯性に優れる

ついに登場「ROG MJOLNIR 1200W」

マイティ・ソーの武器「ムジョルニア」そっくりの、ゲーミング向けポータブル電源「ROG MJOLNIR 1200W」

 4月に発表されて、これはネタじゃないのか? と話題になった、ゲーミング向けポータブル電源「ROG MJOLNIR」が会場ブースに展示された。

 フォルムは、先に発表されていた通り、北欧神話の神、トールが持つ鎚MJOLNIR、マーベルヒーローのマイティ・ソーの武器としてもおなじみの「ムジョルニア」にそっくりだ。

 もしかして、本当に取っ手を持って振り回せたりするのかと思ったのだが、取っ手を握ると簡単に取れてしまう。実はこの取っ手は懐中電灯となっていて、側面スイッチを入れると先端が明るく輝くようになっている。また、底面は本体側にマグネットで装着できるが、その本体側の装着部はQi2準拠の充電パッドが埋め込まれており、この懐中電灯を充電したり、Qi/Qi2対応スマホの充電が可能。

取っ手部分を持って振り回せるのかと思いきや……
取っ手は簡単に取れてしまう
この取っ手は充電式の懐中電灯となっており、緊急時などの明かりとして利用できる
取っ手部分は本体にマグネットで装着でき、その部分はQi2準拠の充電パッドとなっている
取っ手の懐中電灯やQi/Qi2対応スマホの充電が可能
正面には出力や利用時間を示すディスプレイ、USB電源ポート、AC電源ポートなどを備える

 正面には、最大100W出力と最大65W出力のUSB Type-C、最大18WのUSB Type-A×2と4ポートのUSB電源ポートを用意。また110~120V、トータル最大1,200WのAC電源も4ポート備えており、ROG Ally XのようなポータブルゲーミングPCやスマホの充電はもちろん、ゲーミングPCとディスプレイの駆動も余裕で可能だ。

 内蔵バッテリは容量768Whのリン酸リチウムイオンバッテリを採用しており、1,200Wのフル出力で30分間電力を供給できるという。ゲーミングPCを駆動する場合、GeForce RTX 4080搭載の700W程度のシステムなら60分利用できるとのこと。

 見た目から、かなりネタ感の強い製品に感じるかもしれないが、実際にはかなり実用性に優れる製品に仕上がっていると感じた。なお、日本での発売は未定だ。

USB Type-Cは2ポート用意され、一方は最大100W、もう一方は最大65Wの出力に対応。USB Type-Aは最大18Wの出力に対応
4ポートあるAC電源ポートは、110~120V、トータル1200Wの出力に対応