イベントレポート

Samsung、量子ドットの34型ゲーミングモニター「Odyssey OLED G8」発表。最新の55型モニターやスマホも展示

Samsungが展示した55型湾曲モニターのOdyssey Ark。縦置き(左側)の実物を見るとかなり曲がっていることが分かる。右の横置きでも没入感が高い

 Samsung Electronics(以下Samsung)は、9月2日~9月6日にドイツ共和国ベルリン市にあるベルリン・メッセで開催されているIFA 2022に出展。

 1月のCESで開発意向表明が行なわれた55型湾曲モニターの「Odyssey Ark」も8月に正式に発表されたことを受けて、ブースに展示。さらにOdysseyシリーズの第2弾製品として湾曲率1800Rの34型QHD(3,440×1,440ドット、アスペクト比21:9)のゲーミングモニター「Odyssey OLED G8」が発表され、こちらも展示された。

 また、同社が8月に発表したGalaxy Z Flip4やGalaxy Z Fold4など最新のスマホ、PCI Express 4.0 SSD(990 PRO)などが展示された。

55型Odyssey Arkや、34型のOdyssey OLED G8が展示される

 Samsungは1月のCESにおいて、55型湾曲ゲーミングモニターのOdyssey Arkの開発意向表明を行なった。1000Rという比較的湾曲率の高い55型のOdyssey Arkは横でも縦でも利用できることもあり、ゲーマーに高い没入感を与えることができると注目を集めた。

 そのOdyssey Arkは8月に実際の製品として発表されており、今回のIFAではその実機が展示され、実際に試せるようになっていた。

Odyssey Ark
Odyssey OLED G8

 また、Samsungは今回のIFAでOdysseyシリーズの最新製品としてOdyssey OLED G8を発表・展示した。今後Samsungは湾曲ゲーミングモニターのブランドをOdysseyで統一していくようだ。

 Odyssey OLED G8は最薄部で3.9mmという薄型の34型ディスプレイで、量子ドット技術を利用している。1800Rと上位モデルになる55型のOdyssey Ark(1000R)に比較するとやや控えめな湾曲率だが、それでも実物を見るとそれなりに曲がっているように見える。

 解像度はQHD(3,440×1,440ドット)で、0.1msの応答速度と175Hzのリフレッシュレートをサポートする(HDMI 2.1のVRRとAMDのFreeSync Premiumに対応)。色域はDCI-P3 99.3%で、DisplayHDR 400のHDRに対応する。映像端子はMicro HDMI 2.1、Mini DisplayPort 1.4、USB Type-Cが用意されている。

Odyssey OLED G8の背面、背面のカラーは変更可能

 ユニークな機能としてはSamsung Gaming Hubに対応していることが挙げられる。Samsung Gaming Hubは、1月のCESで発表された機能で、NVIDIAのGeForce NOWやGoogle Stadiaなどのクラウドゲーミングをディスプレイだけで利用することができる。ただし現時点では日本は対象市場ではない(ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、スペイン、米国、イギリス向けのみが対応)。

 Samsungによれば、グローバルには第4四半期(10月~12月期)に出荷予定。地域によってスケジュールは異なると説明されている。

折り曲げGalaxyや新SSDとなる990 PROなども

Galaxy Z Fold4

 Samsungは、8月の半ばの自社イベントで、折りたたみ型のスマホ2機種(Galaxy Z Flip4、Galaxy Z Fold4)の発表を終えているため、ブースではスマートホーム関連の展示などが中心になっていた(最近のSamsungは2月のMWC前、9月のIFA前に自社イベントで新製品を発表するサイクルで新製品の発表を行なっている)。

 ただ、すでに発表されたGalaxy Z Flip4、Galaxy Z Fold4は会場に展示されており、実際に来場者が手に取って触ることができた。いずれの機種もこうした折り曲げ型、2画面型のスマートフォンとして高い評価を得ている製品の最新版ということで、ディスプレイの折り曲げ具合もスムーズだったのが印象的だった。

Galaxy Z Fold4
Galaxy Z Flip4

 8月25日に発表したばかりの、新しいクライアントPC向けSSDとなる「990 PRO」の展示も行なわれていた。990 PROは980 PROの後継で、PCI Express 4.0に対応したM.2 2280フォームファクタのSSD。従来製品に比べてランダム性能が55%向上したことが特徴となっている。10月からの発売が計画されており、4TBは2023年に投入される計画だ。

990 PRO

 今回のIFAではその990 PROのヒートシンクあり版とヒートシンクなし版の両方が展示された。ヒートシンクが用意されていないマザーボードでは前者を、独自のヒートシンクが用意されているマザーボードやノートPCなどでは後者を選択することになる。

ヒートシンクあり
ヒートシンクなし

 Samsungでは近年Windows PCとの連携を、Microsoftと共同で訴求していることもあり、ブースではそうしたアピールもされていた。