イベントレポート

Acer、スライドキーボードで冷却強化する変型式ゲーミングノート「Predator Helios 700」

AcerのハイエンドゲーミングPC「Predator Helios 700」

 Acerは、COMPUTEX TAIPEI 2019開催に先がける4月11日(現地時間)に、米国ニューヨークで発表会を開催し、最新PCを多数発表した。そしてCOMPUTEX TAIPEI 2019開催に合わせてプライベートブースを用意し、ニューヨークで発表した最新PCを展示した。

 本稿ではそのなかから、これまでにないギミックを備えるハイエンドゲーミングPC「Predator Helios 700」を紹介する。

 Predator Helios 700は、AcerのゲーミングPCブランド「Predator」シリーズのノートPCとしてハイエンドに位置付けられる製品だ。CPUにCore i9-9980HK、メモリは最大64GB、ディスクリートGPUをGeForce RTX 2080を採用しており、ハイエンドモデルらしい非常に優れたスペックを実現している。

 ただ、Predator Helios 700には、このスペック以上に特徴的な部分がある。それがキーボードだ。

 Predator Helios 700のキーボードは「HyperDrift Keyboard」と呼ばれている。一見するとフルカラーPer-Keyイルミネーションを備える、ゲーミングノートPCとして標準的なキーボードのように感じる。もちろんこのままでも問題なく利用できるが、手前のパームレストやタッチパッドの部分を含め、キーボード面全体を手前にスライドして引き出せるするという、これまでにないギミックを備えている。実際にパームレスト付近に手を添えて手前に引くと、キーボード面全体が簡単に手前に引き出せる。

独自ギミックを備える「HyperDrift Keyboard」。この状態ではPer-Keyイルミネーションを備える、ゲーミングノートPC標準的なキーボードのように見える
HyperDrift Keyboardは、キーボード面全体が手前に引き出せるという、これまでにない仕様を実現

 なぜキーボードを手前にスライドするギミックを取り入れのたかというと、内蔵クーラーの冷却性を高めるためだ。キーボードをスライドすると奥に空冷ファンの吸気口が現われ、キーボード収納時よりも吸気性能が向上し、CPUやdGPUをより効率よく冷却できるという。これによって、CPUやdGPUの性能を最大限に引き出し、ゲームを快適にプレイできるとしている。

 これまで、キーボード手前のパームレストをなくしてキーボードを手前に配置して奥にファンの吸気口を用意したり、本体後部に大きな出っ張りを確保して冷却性能を高める製品はあったが、このHyperDrift Keyboardのギミックは、逆転の発想でスマートに冷却性能を高めることに成功しているように感じる。

HyperDrift Keyboardを収納した状態
キーボードを手前に引き出すと、奥に空冷ファンの吸気口が現われ、キーボード収納時よりも効率良く外気を取り込んで冷却が可能となる

 ちなみに、キーボードを手前に引き出すとパームレスト部が宙に浮くかたちとなるが、HyperDrift Keyboardではパームレストとキーボードとの境目にヒンジが用意され、目一杯キーボードを手前に引き出すとパームレストがヒンジ部で折れ、手前が床に接するかたちになる。パームレスト全体が斜めに固定されることになり、ぐらつくことなく利用可能となる。また、キーボードの“WASD”キーには「MagForce Key」というリニアスイッチキーを採用することで、操作性を高めているという。

HyperDrift Keyboardを手前に引き出した状態。パームレスト部が折れて斜めに固定され、手首にもやさしい

 ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)表示対応の17型IPS液晶で、リフレッシュレート最大144Hz、応答速度3ms、NVIDIAの映像同期技術G-SYNCにも対応。ネットワーク機能は、2.5G LANのKiller E3000とIEEE 802.11ac準拠無線LANのKiller Wireless-AC 1550iを搭載しており、CPUやディスクリートGPU以外の仕様もかなり充実している。

ディスプレイは17型フルHD IPS液晶で、リフレッシュレート最大144Hz、応答速度3ms、NVIDIA G-SYNCに対応

 キーボードのギミックはかなり奇抜ではあるが、その中身は非常に本格的なゲーミングノートPCと言える。

天板
左側面
背面
右側面
底面