イベントレポート

AMDの新CPU+GPUは、Intel+NVIDIAよりなにが69%速くなるのか?

 AMDは、COMPUTEX TAPIEI 2019に合わせて「Ryzen 3000」シリーズおよび「Radeon RX 5000」シリーズについての情報を開示した。AMDのLisa Su CEOによる基調講演では、PCI Express Gen 4対応のRyzen 3800XとRadeon RX 5700の組み合わせが、同Gen 3ベースのCore i9-9900K+GeForce RTX 2080 Tiより69%高性能という数値が示されたが、これについてもう少し詳しい情報が聞けた。

 今回デモされたのは、近くUL Benchmarksが公開予定の「3DMark PCI Express Feature Test」での3D性能だ。このテストでは、PCI Expressの実効バンド幅とともに、3Dレンダリング性能が計測される。

基調講演での3DMark PCI Express Feature Testのデモ

 実効バンド幅については、Gen 3では、12.9GB/sとなるのが、Gen 4で21.8GB/sとなる。Gen 4はGen 3の2倍のバンド幅があるので、この69%の上昇は妥当な数値だろう。

 それに基づき、フレームレートも同じく13.6fpsから23fpsへと69%向上しているが、これには若干の注意が必要となる。というのも、このFeature Testで実施しているのは、頂点アニメーションにかなり特化したレンダリングだからだ。頂点アニメーションは、顔の表情筋の変化などに使われるものだが、PCI Express経由での膨大なデータ転送をともなうことから、これだけの差が開く結果となっている。

 もちろん、3Dレンダリング/アニメーションでは頂点アニメーション以外の処理も多く発生する。つまり、AMDの新製品の組み合わせは、3DMarkのOverallスコアも競合比1.7倍になるわけではないと思われる。

 とはいえ、AMDの新製品がGen 4対応したことで、これまでのボトルネックが解消されるのも事実であり、頂点アニメーション以外でも、競合製品に対して優位性を示す局面は少なくないだろう。