イベントレポート

Intel、第9世代Core vProとXeon Eの14SKUを発表

~次世代HEDT向け「Glacier Falls」のスニークプレビューも

Intel 第9世代Core vPro プロセッサーの製品ロゴ

 Intelは、COMPUTEX TAIPEI 2019の初日(5月28日現地時間)に行なわれた「COMPUTEX Industry Opening Keynote」にIntel 上席副社長 兼 クライアント・コンピューティング 事業本部長 グレゴリー・ブライアント氏が登壇し、同社の新製品や今後の開発方針などを説明した。

 このなかでIntelは「第9世代Core vPro プロセッサー」の14SKUおよび、「Xeon Eプロセッサー 2200」シリーズの14SKUを発表した。いずれも、開発コードネームCoffee Lake Refreshに基づくCPUとなる。

Coffee Lake Refreshベースの第9世代Core vProとXeon Eが発表

第9世代Core vPro プロセッサーのブロックダイアグラム

 Intelが発表した「第9世代Core vPro プロセッサー(以下第9世代Core vPro)」は、すでに投入済みのCoffee Lake RefreshベースのHシリーズ(ゲーミングノートPCやフルサイズノートPC向け)、Sシリーズ(デスクトップPC向け)のvPro版となる。CPUコアは最大で8コアで、SシリーズにはCPU倍率がアンロックされた“K SKU”もラインナップされている。

 Intelの企業向け管理機能となるvProは、システム管理者などがリモートでユーザーのPCを管理したりすることが可能になる機能。AMT(Active Management Technology)、ハードウェアシールド、ランタイムBIOS回復機能、Trusted Execution Technologyなどの各種のvProの機能に対応している。

 第9世代Core vProには以下のSKUが用意されており、チップセットとなるQ370と組み合わせて利用できる。

【表1】第9世代Core vPro プロセッサーのSKU
SKUコア/スレッドクロック周波数(ベース/最大)キャッシュTDPvPro
Sシリーズ
Core i9-99008C/16T3.1GHz/5GHz16MB95W
Core i9-9900T8C/16T2.1GHz/4.4GHz16MB65W
Core i9-9900K8C/16T3.6GHz/5GHz16MB35W
Core i7-9700K8C/8T3.6GHz/4.9GHz12MB95W
Core i7-97008C/8T3GHz.4.7GHz12MB65W
Core i7-9700T8C/8T2GHz/4.3GHz12MB35W
Core i5-9600K6C/6T3.7GHz/4.6GHz9MB95W
Core i5-96006C/6T3.1GHz/4.6GHz9MB65W
Core i5-95006C/6T3GHz/4.4GHz9MB65W
Core i5-9600T6C/6T2.3GHz/3.9GHz9MB35W
Core i5-9500T6C/6T2.2GHz/3.7GHz9MB35W
Hシリーズ
Core i9-9900H8C/16T2.3GHz/4.8GHz16MB45W
Core i7-9850H6C/12T2.6GHz/4.6GHz12MB45W
Core i5-9400H4C/8T2.5GHz/4.3GHz8MB45W
Xeon Eプロセッサー・2200シリーズのブロックダイアグラム

 Xeon Eプロセッサー 2200シリーズは、モバイルとワークステーション向けの製品となる。やはりCoffee Lake Refreshに基づいているが、DDR4-2666のECCメモリに対応しているなどの違いがあり、メモリは最大で128GBまで搭載す可能。また、vProにも対応しており、プロフェッショナルユーザー向けという位置づけの製品となる。SKU構成は以下のとおりだ。

【表2】Xeon EプロセッサーのSKU
SKUコア/スレッドクロック周波数(ベース/最大)ECCメモリ対応GPUPCIeキャッシュvProTDP
デスクトップワークステーション
Xeon E-2288G8C/16T3.7GHz/5GHzIntel UHD P630最大4016MB95W
Xeon E-2286G6C/12T4GHz/4.9GHzIntel UHD P630最大4012MB95W
Xeon E-2278G8C/16T3.4GHz/5GHzIntel UHD P630最大4016MB80W
Xeon E-2276G6C/12T3.8GHz/4.9GHzIntel UHD P630最大4012MB80W
Xeon E-2274G4C/8T4GHz/4.9GHzIntel UHD P630最大408MB83W
Xeon E-2246G6C/12T3.6GHz/4.8GHzIntel UHD P630最大4012MB80W
Xeon E-2244G4C/8T3.8GHz/4.8GHzIntel UHD P630最大408MB71W
Xeon E-22366C/12T3.4GHz/4.8GHz-最大4012MB80W
Xeon E-22344C/8T3.6GHz/4.8GHz-最大408MB71W
Xeon E-2226G6C/6T3.4GHz/4.7GHzIntel UHD P630最大4012MB80W
Xeon E-2224G4C/4T3.5GHz/4.7GHzIntel UHD P630最大408MB71W
Xeon E-22244C/4T3.4GHz/4.7GHz-最大408MB71W
モバイルワークステーション
Xeon E-2286M8C/16T2.4GHz/5GHzIntel UHD P630最大4016MB45W
Xeon E-2276M6C/12T2.8GHz/4.7GHzIntel UHD P630最大4012MB45W

Basin Fallsの後継となるGlacier Fallsのスニークプレビューを行なう

 また、ブライアント氏の講演では、Intelが「Glacier Falls(グラシアフォールズ)」として開発してきた、次世代のHEDT(High End DeskTop)向けの製品のスニークプレビューが行なわれた。

 Glacier Fallsは、サーバー向けにCascade Lake-APの開発コードネームで第2世代Xeonスケーラブル・プロセッサーとして投入されている製品の、HEDT向けとなるCascade Lake-Xをベースにした製品となる。CPUのコードネームがCascade Lake-Xで、プラットフォーム全体がGlacier Fallsとなる(Skylake-XとBasin Fallsと同じ関係だと思えば良い)。

 Glacier Fallsは、Cascade Lake-APと同じアーキテクチャのCascade Lake-Xに基づいており、14nmプロセスルールで製造される。周波数が従来のSkylake-Xなどに比べて向上しているほか、DL Boostに対応していることが大きな特徴になっている。