イベントレポート
フルHD液晶2枚分。32:9の49型ウルトラワイド液晶一体型PCをColorfulが展示
2018年6月7日 00:00
中国Colorfulは、COMPUTEX TAIPEI 2018に出展し、同社が展開しているビデオカード、SSD、そして一体型PCといった製品を展示した。
同社のビデオカードとSSDは、日本国内ではリンクスインターナショナルが取り扱っており、とくにSSDが非常に安価であることから、自作PCユーザーのあいだでは一定の認知度を得ている。もちろんブースではそういった製品も展示しているが、なかでも興味深かったのは、同社が中国市場向けに展開している一体型PCだ。
フルHD液晶2枚分の解像度を1枚にした一体型PC
今回の展示の目玉の1つが、「S49」という型番の一体型PC。最大の特徴は、3,840×1,080ドットという32:9のウルトラワイド49型液晶を搭載している点。これはフルHD液晶2枚分の解像度と横幅に相当するサイズとなる。
また、GPUにはGeForce GTX 1060を搭載し、液晶のリフレッシュレートも144Hzとなっており、3Dゲームのプレイも視野に入れているモデルとなる。
説明員によれば、「フルHD液晶3枚を置くスペースはないけど、2枚なら置けるユーザーは多くいる。しかし2枚だと中央がベゼルで分断されてしまい、多くのゲームプレイに支障が出る。そこで2枚分のサイズと解像度を1枚のパネルに納めたことでその問題を解決したモデル」だという。言われてみれば、筆者自宅の環境もそうだ。
このほか、CPUにはCore i7-7700、メモリは16GB、ストレージは256GBのM.2 SSD、OSにはWindows 10を搭載。ちなみにスペック表記上では1,800Rの曲面となっているが、実際に展示している製品では大きな湾曲が認められなかった。
インターフェイスはUSB 3.0×4、USB 2.0×2、HDMI出力、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11n対応無線LAN、音声入出力などを備える。
GeForce GTX 1080搭載のハイスペックゲーミング一体型
「G34」はスタイリッシュな一体型ゲーミングPCだ。こちらの液晶は解像度が3,440×1,440ドットの34型湾曲となっている。最大の特徴は、GPUにGeForce GTX 1080を搭載し、液晶のリフレッシュレートが144Hzとなっている点。S49以上の3D性能を実現したモデルとなる。
そのほか、CPUにはCore i7-7700、メモリは8GB、ストレージは1TBのM.2 SSD、OSはWindows 10を搭載。インターフェイスはUSB 3.0×4、HDMI出力、Gigabit Ethernet、音声入出力など。
スタンダードなS500
S500は外付けGPUを備えていないが、1,920×1,080ドット表示対応23.8型湾曲液晶を一体としたモデル。
おもな仕様は、CPUにCore i5-7500、メモリ4GB、120GB mSATA SSD、OSにWindows 10を搭載。インターフェイスはUSB 3.0×4、USB 2.0、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、音声入出力などを備える。
そのほか
日本向けには投入されていないが、2018年の主力となるCoffee Lake対応のLGA1151マザーボード「iGame Z370 Vulcan X」の展示もあった。PWM電源は8+6といまどきにしては多フェーズが特徴で、タンタル固体コンデンサにより信頼性を高めている。
もう1つ同社が力を入れているのが、数量限定で製造しているフラグシップビデオカード「九段」シリーズ。2017年の九段シリーズは、GeForce GTX 1080 Tiを採用した「iGame GTX1080Ti Kudan」であり、製造予定数は50基のみであった。日本にも入荷/販売した実績があり、価格は158,890円であった。
九段シリーズはその年のフラグシップとして限定製造される。Colorfulが入手したGPUのなかでもっともオーバークロック耐性の高いものを選別し、コスト度外視の部品を搭載。専用の基板設計、水冷+空冷のダブル冷却を採用し、さらに専用の革製ケースに収納されるなど、性能のみならず、コレクション価値が非常に高いものとなっている。
先述のとおり販売価格は約16万円だが、製造原価は16万円を超えるとしており、Colorfulにとって利益を生むためのものではなく、むしろブランド広告的な位置づけな意味合いが強い。