イベントレポート

Intel、東京オリンピックでNTTドコモと5G協業

2020年東京オリンピックでIntelとNTTドコモが協業

 米Intelは、2月26日~3月1日(現地時間)の4日間に渡りスペイン王国カタロニア州バルセロナ市で開催されるMobile World Congress 2018に先だって同市内で記者会見を開催。2020年に東京で行われる東京オリンピックにおいて、NTTドコモと協業して東京オリンピックに5Gの技術を提供していくことを明らかにした。

 NTTドコモは2020年の東京オリンピックでナショナル・スポンサーになることが決定しており、Intelとともに5Gの各種のソリューションを提供していく、

平昌オリンピックでの検証を東京オリンピックにつなげていく

 Intel基調講演で挨拶に立った同社上席副社長兼CSO(最高戦略責任者)アイチャ・エヴァンス氏は次のように述べた。

 「5Gがデモされた平昌オリンピックがまもなく終わろうとしているが、その翌日から5GがテーマのMWCがここバルセロナで始まろうとしている。Intelは従来のPC中心な会社からデータ中心の会社へと変革の時期を迎えている。AI、VR/AR、自動運転などのあらゆる産業で重要になるのはデータだ。

 それを転送するルートとして重要となるなのが5Gで、平昌オリンピックではKTと協業してさまざまなデモを行なった。今度はそれが2020年の東京オリンピックへと移り変わっていくことになる」。

Intel上席副社長兼CSO(最高戦略責任者)のアイチャ・エヴァンス氏
平昌オリンピックで行なわれたデモ
平昌オリンピックで行なわれたデモで使われたのと同じ機材
Intelが開発中のクライアントPC側のモデム開発ボード、すでにここまで小さくなっている

 Intelは2017年からオリンピックオフィシャルパートナーになっており、通信面などで国際オリンピック委員会と協業する立場にある。昨日まで韓国で行なわれていた平昌オリンピックでは、韓国通信キャリアのKT(Korea Telecom)と協業し、5Gを利用したストリーミング配信や360度VRなどを行なった。

 Korea Telecom上級副社長のDR.ジェオン氏によれば、KTはこの平昌オリンピック終了後、利用したインフラを活用して、2018年末から5Gの商用サービスを計画している。

Korea Telecom 上級副社長 DR.ジェオン氏
平昌で2018年末から行なわれる予定の5Gの商用サービス

2020年の東京オリンピックではNTTドコモと協業して5Gの商用サービスを提供

 次いで、NTTドコモ取締役常務執行役員兼CTOの中村寛氏が壇上に呼ばれ、Intelと協業して2020年に東京オリンピックで5Gのサービスを提供していくことを説明した。

 NTTドコモは、東京オリンピックでのナショナルスポンサーに決定しており、オフィシャルパートナーのIntelと協力して5Gのソリューションを東京オリンピックに提供していく。

 中村氏は「5Gを導入することで人々の生活が大きく変わることになるだけでなく、産業界も大きく変わり、産業革命が起きると考えられている。NTTドコモは5Gオープンパートナープログラムを推進しており、すでに600を超えるパートナーと5Gのエコシステムを作り上げていく計画だ」と述べた。

NTTドコモ取締役常務執行役員兼CTOの中村寛氏
中村氏のプレゼン

 NTTドコモは5G商用サービスを2020年に開始する予定で、東京オリンピックで展開する5Gソリューションはそうした商用サービスにもとづいたものになる。同社は2017年5月から5Gのトライアルを、パートナーと協力して行なっており、3GPPの5GNRの標準規格で規定されているNSA(Non StandAlone)、SA(StandAlone)の2つの方式のうち、NSAの技術アプローチから始めて行くことを明らかにした。

 イベント終了後、同時刻に平昌オリンピックの閉会式の様子が5Gを利用してライブ中継され、5Gを利用したドローンのデモなどがスクリーンに映された。

平昌オリンピック閉会式の一幕。Intelのドローンを利用したデモが平昌から生中継された