イベントレポート
Dell、AMD GPU内蔵Coreプロセッサ+Adobe RGB 100% 4K液晶搭載ノート「XPS 15 2-in-1」
~ワコムAES 2.0対応で傾き/4,096段階筆圧検知のアクティブペン対応
2018年1月10日 03:00
Dellは、CES初日の1月9日(現地時間)に記者会見を開催し、「XPS 15 2-in-1」を発表した。
同社が販売している15.6型狭額縁ディスプレイを採用したクラムシェル型PCとなる「XPS 15」の2in1モデル。360度回転ヒンジを利用することで、クラムシェル、タブレット、テントモードなどに形を変えて利用することが可能になっている。
ディスプレイは4K(3,840×2,160ドット)ないしは、フルHD(1,920×1,080ドット)が選択可能で、いずれもタッチおよびデジタイザペン(4,096階調筆圧検知/傾き検知)に対応。4KのモデルはAdobe RGBを100%カバーする広色域になっている。
XPS 15 2-in-1は、CES開催前々日に発表されたばかりのKaby Lake-G(KBL-G)こと「8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics」をCPU/GPUとして採用しており、クアッドコアのCPUに加えて、AMDのRadeon Vega M Graphicsという単体GPU(dGPU)によって高い性能を実現するのが特徴。
3DゲームやAdobeのクリエイターツールなどを軽々実行
XPS 15 2-in-1の最大の特徴は、Intelが1月7日(現地時間)に発表した開発コードネームKBL-Gこと「8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics」を搭載している点に尽きる。
KBL-Gは、1つのCPUパッケージ上に、Kaby LakeのクアッドコアのHシリーズ・プロセッサと、AMDのVegaアーキテクチャのカスタムGPUを統合して提供されているCPU/GPUとなる(KBL-Gの詳細は別記事を参照)。
CPUはCore i7-8705GないしはCore i5-8305Gとなる。前者は4コア/8スレッド、後者は4コア/4スレッド。GPUは、CPUに内蔵されているIntel HD Graphics 630と、CPUパッケージ上に4GBのHBM2と実装されているAMD Radeon RX Vega M GL Graphicsの両方が利用可能で、パッケージ全体のTDPが65W。Radeon RX Vega Mを利用すれば、Adobe Creative Cloudなどのクリエイティブアプリや3Dゲームなどを高い性能で実行可能だ。
熱設計には新しい「XPS 13GORE Thermal Insulation」が利用されており、パッケージ全体で65WのTDPとなるCPUを搭載しているのに、9~16mmという薄さを実現している。重量は1.96kg~となっている。
XPS 15 2-in-1 | |
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CPU | 第8世代Core i7-8705G/Core i5-8305G |
GPU | Intel HD Graphics 630/AMD Radeon RX Vega M GL graphics |
メモリ | 8GB~16GB(LPDDR3-1866) |
ストレージ | 1TB/512GB/256GB SSD(PCIe) 128GB(SATA) |
ディスプレイ | 15.6型4K(タッチ、Adobe RGB100%)/15.6型フルHD(タッチ、sRGB100%)/AES2.0対応 |
カメラ | 720p/IR(Windows Hello対応) |
端子 | USB Type-C(USB 3.0)×2(DP/給電対応)、Thunderbolot 3×2(DP/給電/PD対応)、カードリーダ、microSD、音声入出力 |
無線 | IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1 |
指紋認証 | オプション |
サイズ | 354×235×9~16mm |
重量 | 1.96kg~ |
ACアダプタ出力 | 130W |
バッテリ | 75Wh(固定式) |
OS | Windows 10 Home/Windows 10 Pro |
メモリは8/16GBで、いずれもオンボード搭載で、購入後に増設などはできない。ストレージは1TB、512GB、256GBのPCI Express SSDないしは128GBのSATA SSDとなる。
無線はIEEE 802.11acのWi-FiとBluetooth 4.1で、ワイヤレスWANには対応していない。ポート類はThunderbolt 3/USB PD/給電に対応したUSB Type-Cポートが2つ、DisplayPort Alt Modeと給電に対応したUSB Type-Cポートが2つという構成になっており、HDMIやUSB Standard-Aは用意されていない。そのほかにあるのは、オーディオ端子やmicroSDカードスロットのみだ。
4K UHD/FHDのタッチパネルを搭載。AES2.0に対応したワコムアクティブペンはオプション
ディスプレイは15.6型の4K UHD(3,840×2,160ドット)ないしはフルHD(1,920×1,080ドット)のパネルが選択でき、XPSシリーズの特徴であるInfinityEdge(狭額縁)のパネルになっている。いずれも360度回転型ヒンジを採用しており、クラムシェルモード、テントモード、ビューモード、タブレットモードに簡単に変形させて利用することができる。
4K UHDのパネルはAdobe RGB 100%の広色域に対応しており(フルHDはsRGB100%)、輝度は400cd/平方m、最大178度の広視野角を実現している。
いずれもタッチに対応しているほか、オプション(米国での価格は99.99ドル)で提供されるDell Premium Active Penは、AES方式の最新版である傾き検知に対応したAES 2.0に対応。また、4,096段階の筆圧検知にも対応している。なお、Dell Premium Active Penを従来のAESに対応した本体に利用することも可能だが、その場合は傾き検知は利用できない。
バッテリは75Wh搭載されており、モデルによるが最大15時間の駆動が可能だ。バンドルされているUSB Type-Cのアダプタは130W出力となっている。ACアダプタの表示を確認したところ、20V×5A~6.5Aとなっており、6.5Aの出力の場合には130Wの出力ができることがわかる。
ただし、USB PDの規格では100W(20V×5A)が最大になっているので、この6.5Aという出力はACアダプタと本体が特別なやりとりを行ない、USB PDの規格を外れたレンジで動作していると考えられる。そのため、おそらくXPS 15 2-in-1以外に挿した場合には、100Wでしか動かないと思われ、一般的なUSB Type-CのUSB PDアダプタを本体に挿しても、100Wでしか充電できないだろう。したがって、本製品に最大の負荷をかけて動作させたり、急速充電したい場合には付属のACアダプタで使うほうがいいだろう。
Dellによれば、XPS 15 2-in-1は米国では4月からdell.comで1,299.99ドル~で提供される予定で、日本市場での発売や価格などは現時点では未定ということだ。