イベントレポート

Dell、AMD GPU内蔵Coreプロセッサ+Adobe RGB 100% 4K液晶搭載ノート「XPS 15 2-in-1」

~ワコムAES 2.0対応で傾き/4,096段階筆圧検知のアクティブペン対応

DellのXPS 15 2-in-1

 Dellは、CES初日の1月9日(現地時間)に記者会見を開催し、「XPS 15 2-in-1」を発表した。

 同社が販売している15.6型狭額縁ディスプレイを採用したクラムシェル型PCとなる「XPS 15」の2in1モデル。360度回転ヒンジを利用することで、クラムシェル、タブレット、テントモードなどに形を変えて利用することが可能になっている。

 ディスプレイは4K(3,840×2,160ドット)ないしは、フルHD(1,920×1,080ドット)が選択可能で、いずれもタッチおよびデジタイザペン(4,096階調筆圧検知/傾き検知)に対応。4KのモデルはAdobe RGBを100%カバーする広色域になっている。

 XPS 15 2-in-1は、CES開催前々日に発表されたばかりのKaby Lake-G(KBL-G)こと「8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics」をCPU/GPUとして採用しており、クアッドコアのCPUに加えて、AMDのRadeon Vega M Graphicsという単体GPU(dGPU)によって高い性能を実現するのが特徴。

3DゲームやAdobeのクリエイターツールなどを軽々実行

 XPS 15 2-in-1の最大の特徴は、Intelが1月7日(現地時間)に発表した開発コードネームKBL-Gこと「8th Gen Core Processors with RADEON RX Vega M Graphics」を搭載している点に尽きる。

 KBL-Gは、1つのCPUパッケージ上に、Kaby LakeのクアッドコアのHシリーズ・プロセッサと、AMDのVegaアーキテクチャのカスタムGPUを統合して提供されているCPU/GPUとなる(KBL-Gの詳細は別記事を参照)。

CPUにはCore i7-8705G/Core i5-8305Gを採用
デバイスマネージャーの表示

 CPUはCore i7-8705GないしはCore i5-8305Gとなる。前者は4コア/8スレッド、後者は4コア/4スレッド。GPUは、CPUに内蔵されているIntel HD Graphics 630と、CPUパッケージ上に4GBのHBM2と実装されているAMD Radeon RX Vega M GL Graphicsの両方が利用可能で、パッケージ全体のTDPが65W。Radeon RX Vega Mを利用すれば、Adobe Creative Cloudなどのクリエイティブアプリや3Dゲームなどを高い性能で実行可能だ。

 熱設計には新しい「XPS 13GORE Thermal Insulation」が利用されており、パッケージ全体で65WのTDPとなるCPUを搭載しているのに、9~16mmという薄さを実現している。重量は1.96kg~となっている。

【表1】XPS 15 2-in-1のスペック(Dellの資料を基に筆者作成)
XPS 15 2-in-1
CPU第8世代Core i7-8705G/Core i5-8305G
GPUIntel HD Graphics 630/AMD Radeon RX Vega M GL graphics
メモリ8GB~16GB(LPDDR3-1866)
ストレージ1TB/512GB/256GB SSD(PCIe) 128GB(SATA)
ディスプレイ15.6型4K(タッチ、Adobe RGB100%)/15.6型フルHD(タッチ、sRGB100%)/AES2.0対応
カメラ720p/IR(Windows Hello対応)
端子USB Type-C(USB 3.0)×2(DP/給電対応)、Thunderbolot 3×2(DP/給電/PD対応)、カードリーダ、microSD、音声入出力
無線IEEE 802.11ac、Bluetooth 4.1
指紋認証オプション
サイズ354×235×9~16mm
重量1.96kg~
ACアダプタ出力130W
バッテリ75Wh(固定式)
OSWindows 10 Home/Windows 10 Pro

 メモリは8/16GBで、いずれもオンボード搭載で、購入後に増設などはできない。ストレージは1TB、512GB、256GBのPCI Express SSDないしは128GBのSATA SSDとなる。

本体の左側面、Thunderbolt 3に対応したUSB Type-C×2、microSDカードスロット
本体の右側面、USB Type-C×2、ヘッドフォン、ケンジントンロック用ホール

 無線はIEEE 802.11acのWi-FiとBluetooth 4.1で、ワイヤレスWANには対応していない。ポート類はThunderbolt 3/USB PD/給電に対応したUSB Type-Cポートが2つ、DisplayPort Alt Modeと給電に対応したUSB Type-Cポートが2つという構成になっており、HDMIやUSB Standard-Aは用意されていない。そのほかにあるのは、オーディオ端子やmicroSDカードスロットのみだ。

4K UHD/FHDのタッチパネルを搭載。AES2.0に対応したワコムアクティブペンはオプション

 ディスプレイは15.6型の4K UHD(3,840×2,160ドット)ないしはフルHD(1,920×1,080ドット)のパネルが選択でき、XPSシリーズの特徴であるInfinityEdge(狭額縁)のパネルになっている。いずれも360度回転型ヒンジを採用しており、クラムシェルモード、テントモード、ビューモード、タブレットモードに簡単に変形させて利用することができる。

 4K UHDのパネルはAdobe RGB 100%の広色域に対応しており(フルHDはsRGB100%)、輝度は400cd/平方m、最大178度の広視野角を実現している。

4K UHDとフルHDの2つのモデルがある
フルHDモデル
360度回転型ヒンジを備える

 いずれもタッチに対応しているほか、オプション(米国での価格は99.99ドル)で提供されるDell Premium Active Penは、AES方式の最新版である傾き検知に対応したAES 2.0に対応。また、4,096段階の筆圧検知にも対応している。なお、Dell Premium Active Penを従来のAESに対応した本体に利用することも可能だが、その場合は傾き検知は利用できない。

AES 2.0に対応したDell Premium Active Pen
キーボード

 バッテリは75Wh搭載されており、モデルによるが最大15時間の駆動が可能だ。バンドルされているUSB Type-Cのアダプタは130W出力となっている。ACアダプタの表示を確認したところ、20V×5A~6.5Aとなっており、6.5Aの出力の場合には130Wの出力ができることがわかる。

 ただし、USB PDの規格では100W(20V×5A)が最大になっているので、この6.5Aという出力はACアダプタと本体が特別なやりとりを行ない、USB PDの規格を外れたレンジで動作していると考えられる。そのため、おそらくXPS 15 2-in-1以外に挿した場合には、100Wでしか動かないと思われ、一般的なUSB Type-CのUSB PDアダプタを本体に挿しても、100Wでしか充電できないだろう。したがって、本製品に最大の負荷をかけて動作させたり、急速充電したい場合には付属のACアダプタで使うほうがいいだろう。

付属のACアダプタ、USB Type-C/USB PDの上限100Wを超える130WのACアダプタ

 Dellによれば、XPS 15 2-in-1は米国では4月からdell.comで1,299.99ドル~で提供される予定で、日本市場での発売や価格などは現時点では未定ということだ。