イベントレポート

Microsoft、外部センサー設置不要で動くMixed Reality向けコントローラを発表

~ヘッドマウントディスプレイとのセットで399ドルで発売

ミスターHoloLensことAlex Kipman氏(Technical Fellow)

 米Microsoftが開催中の開発者向け年次イベントBuild 2017。2日目基調講演の最後に登場したのはミスターHoloLensことAlex Kipman氏(Technical Fellow)だ。同社のフェローとしてKinectを手がけた人物としても知られている。

 冒頭では日本でもお馴染みのJALのHoloLens利用事例(JALが「Microsoft HoloLens」の業務利用に向けた検証を開始参照)が大きく紹介された。世界でもかなり早期に取り組んだ企業の1つとして、Mixed Reality(MR:複合現実)を活かしたソリューションでは群を抜いている。

JALの事例が異例の長尺で紹介された

 Kipman氏は、基調講演のステージにエンターテイメント集団のシルクドゥソレイユを迎え、HoloLensのWindows Mixed Realityを使った舞台デザイン変革のアプローチをデモンストレーションした。ステージ上には、同集団の30周年記念作品であるKURIOSの舞台装置がMRとして再現され、その大道具、小道具のレイアウトや造形などを検討する様子が披露された。

シルクドゥソレイユとの協業が紹介された
HoloLensを片手にその便宜性と先進性を舞台芸術に活かす同集団のメンバー
MRで再現されるステージと舞台装置。台を高くしたり低くしたりといったスケール感を含めた検討が容易にできる

 続いて、フーチュチャーコンピューティングとしてのMRによって全世界がキャンバスになるとKipman氏は語り、AcerとHPのWindows Mixed Reality Headset Developer Editionが、その日から米国とカナダで予約を開始したことをアナウンスした。出荷は今夏だとされている。

 さらに、Motion Control for Windows Mixed Realityを発表した。このデバイスは、ヘッドセットのセンサーを使って視界内の手の動きをトラッキング可能なコントローラで、外部センサー設置不要のモーションコントローラーは世界初とされている。エンドユーザーは、このデバイスを使うことで、壁に特別なハードウェアを設置することなく、MRの世界を自在にコントロールできるようになる。こちらは、今年のホリデーシーズンに、一般の小売りが開始される。

 Acerは、ヘッドセットとモーションコントローラーのセットを399ドルで販売する予定だ。

世界初のマーカーレスモーションコントローラー
光学トラッキング
サムスティック
タッチパッドといった役割を果たす
Acerからは、セットが399ドルで発売予定