イベントレポート
Surface Studioを越える使い勝手を実現できるDellの「Canvas 27」
2017年1月6日 12:22
Dellは、米国ラスベガスで1月5日~1月9日(現地時間)に開催されているCES 2017の会場において記者会見を開催し、27型QHD(2,560×1,440ドット)のIPS液晶を採用した“デジタルワークスペースデバイス”となる「Canvas 27」を発表した。
Canvas 27はWindows 10デバイスと、DisplayPort over USB Type-Cに対応したUSB TypeーCか、DisplayPortないしはHDMIとUSBをセットにしてPCに接続することで、外部ディスプレイ兼ペンタブレットとして利用できるデバイスだ。20点マルチタッチ、EMRペン、Surface Dialのようなホイールデバイスの3つを利用し、コンテンツ作成をより快適に行なえるようになる。
27型QHDのIPS液晶を搭載した外部ディスプレイとして動作
Canvas 27は、簡単に言えばQHD表示対応の27型IPSパネルを採用した液晶ディスプレイだ。ディスプレイ入力としては、Mini DisplayPortとMini HDMI、USB Type-C(DisplayPort over USB Type-C)が用意されており、PCからは普通のディスプレイとして見えるようになっている。輝度こそ280cd/平方mだが、色域ではAdobe RGBの100%をカバーしているなど、クリエイターを意識した仕様になっている。
【表1】Canvas 27のスペック | |
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画面サイズ | 27型 |
解像度 | QHD(2,560×1,440ドット) |
パネル技術 | IPS |
視野角 | 178度 |
コントラスト比 | 1,000:1 |
輝度 | 280cd/平方m |
カラーガンマ | Adobe RGB 100% |
タッチ | 20点マルチタッチ |
ペン | EMRペン(2,048段階)/バッテリ不要 |
ホイール | 付属 |
映像入力 | USB TypeーC(DP over TypeーC)×1/Mini DisplayPort/Mini HDMI |
インターフェイス | USB TypeーC×1/USB Type-A×2/オーディオ出力 |
電力供給 | 130W ACアダプタ |
チルト角度 | 水平から40度 |
サイズ | 792×13×446mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 8.4kg |
ただし、通常のディスプレイと異なるのは、角度が水平から40度までの範囲内で使うようになっていることと、20点マルチタッチ、EMRペン(2,048段階)、Surface Dialと同じようなホイールデバイスを利用できるようになっていることだ。このため、タッチやペン、ホイールの操作情報をPCに渡す必要があり、DisplayPortまたはHDMIケーブルで接続している場合には、USBケーブルでも接続する必要がある(USB Type-Cの場合にはDisplayPortの出力と同時にUSBで接続されているので必要ない)。
クリエイターにとって要注目なのは、ペンがAESなどのアクティブ式ではなく、EMRを利用したパッシブ方式になっていることだ。ワコムの液晶タブレットなどでEMRペンの使い勝手に慣れているユーザーも少なくないだろうから、それと同じような使い勝手で使えるEMRペンが使えることはメリット言える。
ホイールデバイスを利用すると、Surface Studioのように利用することが可能
既に述べた通り、水平から40度の範囲でチルトするので、実際にはほとんど横ないしは若干起きた状態で利用することになる。このため、実際の利用感としては、かなり液晶ペンタブレットに近い感じになる。最大の違いは、液晶ペンタブレットでは対応していないホイールデバイスに対応していることだ。
Dellでは“トーテム”と呼んでいるこのホイールデバイスは、製品に標準添付。まさにSurface Dialと同じ機能を持ち、同じように利用することができる。Canvas 27の液晶部分に置くと、周囲にオンスクリーンメニューが表示される様子などは、まさにSurface StudioとSurface Dialが組み合わさって動作する様子と同じだ。
Canvas 27のもう1つの特徴は、ISVにソフトウェアの対応を呼びかけていることだ。Dellが行なった発表会には、映像編集ソフトウェアのメーカーとして知られるAvidの関係者が呼ばれて、AvidのソフトウェアをCanvas 27で利用し、デモが行なわれた。ほかにも、展示会場ではAdobe Premiereを利用したデモも行なわれており、通常の外付けディスプレイに編集中のビデオを表示し、Canvas側で編集パネルを表示させて、編集しながら通常のディスプレイで結果を確認する様子がデモされた。