イベントレポート
Lenovo、Surface系2in1「Miix 510」と4K液晶搭載の「Yoga 910」
~Yoga Bookの動作の様子も写真と動画で追加
2016年9月1日 12:50
Lenovoは、ドイツのベルリンで9月2日より開催される「IFA 2016」に先立って記者会見を開催し、同社の新製品を発表した。
発表されたのは、別記事で既に紹介済みの「Yoga Book」、Surface系の「Miix 500」の後継となる「Miix 510」、同社のコンシューマ向け2in1のハイエンド製品となるYoga 900シリーズの最新製品で、第7世代Coreと4K UHDディスプレイに対応した「Yoga 910」の3機種。
Surface Pro 4に似たデザインのMiix 510、第7世代Coreと4K UHDが特徴のYoga 910
Miix 510は、昨年のIFAでLenovoから発表されたMiix 500の後継となる製品。Surface Pro系の本体内蔵のスタンドを備え、オプションでカバー兼用キーボードが用意されている点など、Surface Proシリーズとの共通点は少なくない。ただ、スタンドのヒンジ部分は、最近のLenovoの売りになりつつある、「ウォッチバンドヒンジ(時計のバンドのようなヒンジ)」を採用しているのが特徴的だ。
CPUは第6世代Coreプロセッサ、最大8GBのLPDDR3メモリ、最大1TBのPCI Express接続SSD、12.2型WUXGA(1,920×1,200ドット)の液晶というスペックで、39Whのバッテリを内蔵しており、7.5時間の駆動が可能になっている。
本体のサイズは、キーボードなしの状態で300×205×9.9mm(幅×奥行き×高さ)、キーボードありの状態で300×205×15.9mm(同)。重量はキーボードなしで880g、キーボードありの状態で1.25kgとなる。
オプションでデジタイザペンが用意されており、Windows 10 Anniversary Updateで追加された「Windows Ink」など、ペン対応アプリケーションを活用することも可能だ。
Miix 510は、10月からの出荷が計画されており、価格は、欧州ではキーボードとペンがセットになって699ユーロの予定。なお、Lenovoの日本法人レノボ・ジャパンによれば、日本への導入は現時点では未定とのことだった。
Yoga 910は、「360度回転型ヒンジを備えた2in1」の代名詞と言って良い、Yogaシリーズの最新製品。
従来のYogaシリーズのハイエンド製品であるYoga 900の後継で、CPUは第7世代Coreプロセッサ、最大16GBメモリ、最大1TBのPCI Express接続SSDというスペックで、ディスプレイは13.9型4K UHD(3,840×2,160ドット)のIPS液晶ないし、13.9型フルHD(1,920×1,080ドット)のIPS液晶から選択することができる。
サイズは323×224.5×14.3mm(同)で、重量は1.38kg。バッテリ駆動時間は4Kパネルモデルが10.5時間、フルHDパネルモデルが15.5時間となっている。
10月から欧州で出荷予定で、価格は1,499ドルが予定されている。日本への導入は現時点では未定とのこと。
6月の「Lenovo TechWorld」で発表されたMoto Zの廉価モデル「Moto Z Play」と、ズームレンズオプションが発表される
Lenovoの子会社で、Motoブランドのスマートフォンを製造、販売しているMotorola Mobilityは、IFAで2つの新製品を発表した。
1つは「Moto Z Play」という、6月にLenovoがサンフランシスコで開催した「Lenovo TechWorld」で発表した「Moto Zシリーズ」の廉価版だ。
Moto Z Playは、「Moto Z」、「Moto Z Force」に搭載されているQualcomm「Snapdragon 820」に比べれば廉価版となる、「Snapdragon 625」というミドルハイのSoCを搭載。ディスプレイも5.5型フルHDのAMOLEDに変更されている(Moto ZなどはQHD)。なお、Moto Z/Moto Z Forceと同じように、「Moto Mods」と呼ばれる拡張モジュールを利用して機能を拡張できる。
Motorola Mobilityは、そのMoto Modsの最新製品として、「Hasselblad True Zoom」と呼ばれる製品を追加した。スウェーデンのカメラメーカーであるHasselbladとのコラボレーションで作られたHasselblad True Zoomは、10倍のズームレンズ機能を備えたカメラ機能をスマートフォンに追加する。CMOSやレンズはスマートフォンのそれを使わず、Mods側にあるレンズとCMOSセンサーを利用する仕組みになっている。
Hasselbladは、レンズなど光学系の設計とソフトウェアなどを担当したとのことで、1,200画素のCMOSセンサーを備え、光学10倍、デジタル4倍のズームレンズ(35mm換算で25~250mm、f値3.5~6.5)のデジタルカメラとして利用できる。
Moto Z Playは米国のキャリア向けは9月に、SIMロックフリー版は10月から販売開始予定で、価格は699.99ドルになる見通し。レノボ・ジャパンによれば、こちらも日本での導入は未定とのことだ。
Yoga Bookのキーボードには日本語配列も用意、日本市場への投入は確実か
最後に、別記事でお伝えした「Yoga Book」の追加情報についてお伝えしていきたい。Lenovoが開催した発表会には、Yoga BookのAndroid版とWindows版の両方が展示されており、それぞれ比較することができた。
Android版とWindows版のキーボードの最大の違いは、タッチパッドの有無だ。タッチで操作することを前提としているAndroid版の場合には、キーボードの手前にタッチパッドは表示されず、Windows版のそれにはタッチパッドがあることが分かった。
また、実機で確認したところ、キーボードはマルチタッチが可能で、例えば、[Ctrl+P]や[Ctrl+O]などの、日本語入力で多用するショートカットももちろん利用可能だし、ファンクションキーも、標準ではWindows 10などで一般的になりつつある機能キー(ボリュームアップ/ダウンや画面切り替えなど)が標準だが、ファンクションキーロックが用意されており、それをオンにするとF1やF2などとしても利用できる。この点は日本語入力(特にATOKなど)でF6/7/8/9キーなどを利用するユーザーには安心できる仕様と言える。
なお、タッチキーボードはソフトウェア的に実現されているのではなく、ハードウェア的にエリアが区切られた形になっている。イルミネーションも各言語のレイアウトに応じて変える必要があるので、ハードウェア的にどれか1つのレイアウトのキーボードの仕様にしておく必要がある。このため、日本語配列として買った製品を後から英語配列に変更することはできない。
質疑応答では、日本語や中国語などの英語以外の配列も用意されていることが明らかにされている。現時点では、レノボ・ジャパンは「Yoga Bookの日本への投入は未定」とだけ説明しているが、日本語キーボードが存在している以上、日本市場への投入はほぼ確実だと言って良いだろう。このYoga Bookは、タブレットという概念、そしてクラムシェル型PCの概念も大きく打ち破る、新しいタイプのデバイスとなるだけに、是非とも早期に日本でも発売して欲しい。