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PC市場が低調も、ディスプレイの販売台数が3割増
(2016/5/27 15:54)
PC市場が低迷する中、PC用液晶ディスプレイの売れ行きが好調だ。
全国の主要量販店における販売動向を調査しているBCNによると、2016年第1四半期(1~3月)は、前年同期比28.2%という高い伸びをみせている。
さらに、2016年4月には、前年同月比30.2%増、5月に入ってからも、5月1日~25日の集計で前年同期比38.5%増と好調を維持している。特に、最新週となる5月16日~22日の集計では、前年同期比45.9%増と、1.5倍近い伸びとなっている。
ちなみに、2015年通期(2015年1~12月)では、7.6%減とマイナス成長となっているが、PC全体では、28.8%減となっていることに比較すると、落ち込みは少ない。
東京・秋葉原のある販売店によると、液晶ディスプレイの販売が好調な原因は不明だとしながらも、いくつかの用途や具体的な目的での購入が見られているという。
中でも、デュアルディスプレイ用途の広がりが、この需要を支えているとの見方が強い。
デュアルディスプレイは、業務用途での利用が中心であったが、ここにきて、オンボードでデュアルディスプレイとしての利用ができるようになったことが影響。コンシューマ用途でも活用するケースが増えているという。
デスクトップPCの買い換え時に、同時にディスプレイを購入し、従来から使用していたディスプレイと組み合わせてデュアルディスプレイとして利用する例があるほか、一部には、「メインディスプレイではブラウザを使用し、サブディスプレイではTwitterに使用する」といった活用方法で、ディスプレイを追加購入するケースもあるという。
また、液晶ディスプレイの価格が下落し、23型を超える大画面モデルが購入しやすくなってきたことも要因の1つと言える。
2016年第1四半期実績では、1インチあたりの平均単価は932円であり、2015年第1四半期の953円、同第2四半期の1,018円、同第3四半期の976円、同第4四半期の963円と比べても下落していることが分かる。
そのほか、4K動画の視聴用途やゲーミングPCでの用途での購入も見られている模様だ。
一方、BCNの調べによると、PC用液晶ディスプレイの大画面化が進んでいることが分かる。
27型以上の大画面液晶ディスプレイは、2012年第4四半期に初めて10.0%と2桁の構成比となったが、その後着実に構成比が高まっており、2016年第1四半期には16.4%にまだ拡大している。
23型~27型未満では、一時期は50%を超えた時期もあったが、2016年第1四半期実績では48.5%となっている。PC用液晶ディスプレイの主流の座は譲っていない。
かつては10%台の構成比を誇っていた15~19型未満は2016年第1四半期には3.8%となっている。
また、メーカー別シェアでは、2016年第1四半期実績で、アイ・オー・データ機器が20.5%とトップシェア。2位には、19.3%と僅差でベンキュー ジャパンが入ってた。また、3位にはマウスコンピューター(iiyama)の12.8%、4位には日本エイサーの10.9%、5位はLGエレクトロニクスで8.1%のシェアとなった。