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指に装着するだけでプロジェクタ画面を操作できるウェアラブルデバイス
~ジェスチャーでドローンを操作するデモも披露
(2016/3/25 00:00)
イスラエルのベンチャー企業であるMUV Interactiveは、画面を遠隔操作できるウェアラブルデバイス「BIRD」の国内での販売を発表した。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は49,800円前後の見込み。
BIRDは指先に装着するウェアラブルデバイスで、ベースユニットと組み合わせ、プロジェクタによって投影された画面をタッチやジェスチャーによって操作できる。
24日に都内で発表会が開催され、MUV Interactive CEO兼ファウンダーのラミ・パーハム氏、同社COO兼コ・ファウンダーのユバール・ベンジール氏、同社日本代表でジェネラルマネージャーの森下正敏氏、シリコンテクノロジー株式会社 技術部長のアイマン・アルクーリー氏らが登壇し、製品の紹介を行なった。
同社と本製品は1月にアメリカで開催されたCES 2016にも出展しており、日本国内での展開が正式に発表された形となる。
発売予定日は5月18日で、シリコンテクノロジーが輸入総代理店、ソフトバンクコマース&サービス、シネックスインフォテック、リコージャパン、ドスパラなどを国内のパートナー企業として展開する。なお、ドスパラのみ4月中旬より限定数の先行販売を行なう予定で、3月24日より予約受付を開始する。ドスパラの担当者によれば、近日中に秋葉原のGALLERIA Loungeでデモ機の展示を行なう予定としていた。
本体のサイズは78×24mm(長さ×高さ)と小型で、実際に装着してみたところ、重量も軽量だった。本体には9軸/圧力/レーザー/光学センサーなど10種のセンサーを搭載しており、それらによって操作を検知する。
操作方法としては、実際に投影された画面に触れてのタッチ操作のほか、離れた位置からの「リモートタッチ」操作、腕を上下左右に振ってのジェスチャーに対応。また小型のタッチパッドを備えているため、タップによる選択、上下スワイプによるズームイン/アウト、左右スワイプによるページ移動などが可能。
高い認識精度が特徴で、タッチ操作では1ピクセル単位、リモートタッチでは1mm単位で位置を認識可能。
ベースユニットは、本体のセンサーデータを受信してPCと中継する役割を担っている。給電はUSBで行なわれ、発表会ではプロジェクタ後部のUSB端子に接続されていたが、モバイルバッテリなどに接続しても問題なく動作するという。
ベースユニットとPCの間はBluetooth接続で、コントロールソフトウェアでBIRDの操作を認識し、それをタッチ操作など各種操作に変換してOSに渡すという仕組み。ベースユニットと本体の接続は「ごく一般的なWi-Fi接続」とのことだった。有効操作距離は30mとなっており、実際にデモでは会場最後方(恐らく20m程度)まで下がっても操作を行なえていた。
動作に必要なものは本体とベースユニット、コントロールソフトウェアの3つで、プロジェクタやPCに関する制約が基本的に存在しないため、既存のシステムを流用でき、導入コストが抑えられるのも特徴となっている。
2台同時に使用することでピンチイン/アウトによるズーム操作や回転操作なども可能で、現時点では5台の同時操作に対応しているが、アップデートにより10台の同時操作に対応する予定だという。
有効解像度は3,000×3,000ドットで、対応する画面サイズは最大で250型まで。電子黒板やタッチディスプレイに比べ、低コストで同様の機能を実現出来るとしている。対応OSはWindows 7/8/8.1/10。ドスパラでのサポートはWindowsのみとなっているが、MUVの製品ページによれば、Mac OS X 10.9/10/11、iOS 7/8/9、Android 4.3/4.4/5.0にも対応するとしている。
本体には125mAhのバッテリを内蔵。駆動時間は3時間だが、一般的な利用であれば9時間程度使えるという。外して置くとスタンバイモードに移行するなどのバッテリセービング機能も搭載している。
また付属するクレードルも570mAhのバッテリを内蔵しており、本体バッテリ5サイクル分をチャージしておける。なお、30分ほどクレードルに接続しておけば、5割程度充電できる。
操作の遅延は50msec以下とのことで、デモではゲームをプレイして見せていた。
さらに発表会では、活用例の1つとしてドローンを操作するデモも披露。アルクーリー氏によれば、ドローンの操作はAPIとSDKが公開されていれば、それぞれの制御コマンドにBIRDの動きを割り当てるだけで良いため、すぐに実装できるという。現時点ではDJIとParrotのドローンで操作できたとのこと。
最大250型という大型画面への対応の容易さ、複数台による同時操作などの特徴から、主に教育機関、企業などの市場にフォーカスした製品となっているが、パーハム氏は、MUVはHTC(HTC Vive)やSony(PlayStation VR)、Facebook(Oculus VR)、Microsoft(Hololens)、META、magic leapなどのVR/ARの主要メーカーとも対話を行なっていると述べ、近いうちに何らかの発表を行なう予定とのことで、「楽しみにしていて欲しい」と語っていた。