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Parallels、Mac用仮想化ソフト最新版でWindows 10をサポート

~Mac上でCortanaを動作させるデモも披露

「Parallels Desktop 11 for Mac」上でWindows 10を動作させている様子

 Parallelsは19日、Mac上でWindowsなどの異種OSを動作させる仮想化ソフトの最新版「Parallels Desktop 11 for Mac」の製品発表会を開催した。

 発表会ではParallelsのシニア プロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏と、Parallels Japan代表取締役の下村慶一氏が登壇し、製品の説明やデモンストレーションを行なった。同ソフトは同日から販売が開始され、Mac OS Xの次期OS「El Capitan」のサポートに加え、Windows 10の仮想化にも対応している。

「Parallels Desktop 11 for Mac」の特徴
次期Mac OS X「El Capitan」とWindows 10をサポート
Parallelsのシニア プロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏(右)と、Parallels Japan代表取締役の下村慶一氏

 今回のバージョンから、サブスクリプションモデルの追加や、開発者向けの「Parallels Desktop for Mac Pro Edition」が追加された。販売形態および価格は下記の通り。

【表】Parallels Desktop 11とPro Editionの価格
種類価格備考
Parallels Desktop 11 for Mac 通常版8,500円-
5ユーザーライセンス版37,800円-
USBメディア版9,500円9月18日発売
生協版6,000円-
アカデミック版6,000円-
同9/10から通常版へのアップグレード5,300円Web直販のみ
Parallels Desktop for Mac Pro Edition10,800円/年サブスクリプション契約
同9/10からPro Editionへのアップグレード5,300円Web直販のみ
Business Edition10,000円/年サブスクリプション契約

 Business Editionはこれまでの「Enterprise Edition」と同じで、後述するPro Editionの全機能を含んだ管理者向けのソリューションとなる。

Parallels Desktop 11 for Mac

 個人ユーザー向けのParallels Desktop 11 for Macの目新しい点は、バッテリ持続時間を向上させる新機能「Travel Mode」が搭載されたこと。この機能は外出時などにバッテリ消費が気になるユーザーに向けたもので、同モード適用時はCPUやGPUなどを省電力モードに移行させ、バッテリ駆動時間を最大15%延長させる。

Parallels Desktop 11 for Macの主な強化点
「Travel Mode」を有効化すると、CPUやGPUが省電力モードに移行し、バッテリ持続時間が最大15%延長される
電源アダプタが外れると、Travel Modeを有効にするかを確認するダイアログが表示される

 また、日本語キーボードへの対応や、Coherenceモード(Mac上でWordといったWindowsアプリを直接操作できるようにする)において、Windows 10のアクションセンターを呼び出せること、そしてDockのアプリを右クリックした時に出せる「最近使ったファイル」のリストをWindowsアプリでも利用できるようにするなど、細かい部分にもいくつかの機能追加や改良が行なわれている。

Coherenceモードを使い、Mac OS X(Yosemite)上からWindows 10の「アクションセンター」を呼び出している
仮想で動いているWindows 7上のExcelがDockに表示されているが、Macのアプリと同じように「最近使ったファイル」のリストが表示される

 デモンストレーションで特に興味深かったのは、Windows 10のデジタルアシスタント「Cortana」を“Mac上で”動作させていた点。当然日本ではまだCortanaの用意ができていないため、英語版での動作だったが、シュマッカー氏の音声指示に的確に応えている様子を確認できた。iOSでは音声アシスタントのSiriを利用できるが、現状Mac OS X上ではSiriを利用できないため、仮想OSを活用することで利便性の向上を図れるのは面白い試みと言える。

Cortanaに話しかけてMacの文書作成アプリ「Pages」を起動させているところ。何の問題もなく、Pagesのファイルが開かれた
シュマッカー氏は、CortanaにMacとWindowsのどちらがいいかという質問を行ない会場の笑いを誘っていた。Cortanaの回答はどちらもいいところがある、と前置きしつつ「but...come on!」(分かるでしょ!)と楽しいやり取りを見せた

Parallels Desktop for Mac Pro Edition

 Parallels Desktop for Mac Pro Editionは、パワーユーザーやプログラム開発者などをターゲットにした製品で、Parallels Desktop 11 for Macの機能を全て搭載していることに加え、Microsoftの開発環境であるVisual StudioのプラグインやDocker、Chef、Jenkinsの開発者ツールが統合されている。

 デモンストレーションでは仮想マシンのWindows 7上で動いているVisual Studioでコードを書きつつ、デバッグ動作を別に動いているWindows 8上で行なって見せた。特に複雑な操作はしておらず、Visual Studioのプラグインによって追加されたメニューから動作しているOSを選択するだけで、デバッグ作業を行なえることを実演して見せた。

デモではWindows 7上でVisual Studioを動かしつつ、Windows 8で開発アプリの動作確認を行なっていた。プラグインによって追加されたメニューから「Windows 8.1 Pro」を選ぶだけで、OS間のデバッグ作業が行なえる
画面左上がWindows 8.1 Proの画面で、Windows 8.1 Pro上に動作確認用のログが表示されている

 これ以外にも、ネットワークアプリケーションの動作テスト用にわざとネットワーク帯域を絞ってアプリの安定性を見るといった機能、ボタン1つでLinuxのターミナルをMac上に表示させて直接アクセスできるようにする機能など、アプリ開発の利便性を高める仕組みが搭載されている。

デモではUbuntuのターミナルを呼び出し、Mac上でコマンドを入力して、実行結果を見せた

(中村 真司)