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Android LでBluetooth 4.1をサポートし、IoTに向けた第1歩へ

エレット・クローター氏

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は22日(日本時間)、都内で記者会見を開催し、グローバルインダストリー&ブランドマーケティング ディレクターを務めるエレット・クローター氏が、Bluetoothにまつわる最新動向を紹介した。

 Bluetooth SIGは定期的に日本で記者会見を開催しているが、これは日本を始め、中国や韓国、インド、オーストラリアなどを含むAPAC地域でのBluetooth SIG参加メンバーが急増しているため。2013年から2014年の間は実にメンバーが30%増え、特に日本でも1,127の企業が参画しており、Bluetooth SIGにとって重要な市場となりつつある。

 特に、ネット上で資金を集めて投資者が欲しい製品を作るクラウドファウンディングと呼ばれる仕組みが浸透してからは、Bluetooth技術をベースとした製品の開発も多く、参加メンバーも搭載デバイスも増えてきている。

 こうしたクラウドファウンディングによるBluetooth搭載デバイス市場拡大の波は、Bluetooth Smart技術の特徴と、IoT(Internet of Things)への期待に支えられている。Bluetooth Smartはこれまでの無線技術では実現できなかった低消費電力を実現し、デバイスを「1日に1回充電しなければならない」呪縛から開放する。これによって、あらゆるものに組み込むことが現実的なものとなった。

 特に期待されているのは、心拍計や体重計、歯ブラシといったヘルス&ウィルネス、TVのような家電、電球といったスマートホーム、そしてビーコンといった組み込み市場の4つ。

 例えば心拍計は、毎日充電するものではないし、常に身につけておかなければ意味を成さないので、低消費電力を必要とする。電球やそのほかの白物家電もBluetoothを組み込むことで、低消費電力かつシンプルな仕組みによって、これまでになかった利便性を提供できるようになる。TVのような家電にBluetoothを組み込めば、家庭でBluetoothデバイスを統括するハブの役割を果たせるようになる。さらにビーコンは、イベントや小売店など実際の場所で、コンテンツや情報をユーザーに発信し、ユーザーの利便性の高まり、それによる集客や話題性の向上が期待できる。

 外国のABI Researchのデータによれば、Bluetoothデバイスの出荷台数は、2014年時点で年間31億台だが、これが2018年には46億台に膨れ上がるだろうとしている。

APAC地域でのメンバー増加
Bluetooth市場の成長
Bluetooth周辺機器の増加
ビーコンのようなアプリケーション
フィットネスやスマートホーム分野での期待
各分野における成長

 これらのBluetooth機器の通信をまとめる“ハブ”としては、先述のTVのほかに、スマートフォンが最も多いと思われるが、2018年までには96%の電話がBluetooth Smart Ready対応になるだろうとした。ちなみに現時点でSmart Ready対応スマートフォンは、Appleの「iPhone 4S/5/5s/5c」ぐらいしかないのだが、今後はOSメーカー(Google/Apple/Microsoft/TIZEN)と協業して増やしていくとした。

 特に、次期Androidバージョンである「L」は、標準でBluetooth 4.1に対応することが謳われている。iOS 8については情報はまだないが、過去の状況から見るに対応する可能性は高い。詳細については9月以降の発表で明らかにされるだろうとした。APIや通信スタックなどをあらかじめOSに装備することで、開発者は製品開発に集中できるとしており、クローター氏は、より多くの開発者のイノベーションに期待し、Bluetooth SIGへの参加を呼びかけた。

2018年には市場の96%の電話がBluetoothを搭載すると見られる
日本におけるモバイルデバイスのOS別シェア
モバイルデバイスが、Bluetoothのハブになる

 実際にBluetoothを活用している企業と技術として、Nordic Semiconductor ASAの家電/スマートホーム向けSoC「nRF51」と、株式会社ログバーの「Ring」が紹介された。

 Nordicは長年Bluetoothチップを開発してきた企業で、nRF51シリーズは家電やスマートホーム向けの最新SoC。アプリケーションとスタックセグメントを分離させたSoftDeviceアーキテクチャを採用し、開発者はアプリの開発に集中できる。また製品出荷後のバグ修正や機能追加などを、インターネットを介してアップデート提供できる。3.5×3.8mmまたは6×6mmの小型パッケージで、IoTデバイスへの組み込みを容易にする。

 一方でログバーのRingは、クラウドファウンディングのKickstarを利用した製品で、9月中にも出荷予定としている。Ringを指にはめて、ボタンを押して指でジェスチャを行なうと、スマートフォンを操作できるほか、スマートフォンをハブに、ほかのBluetoothデバイスを制御できる。

Nordic Semiconductor ASAの山崎光男氏
Nordicの概要
nRF51シリーズの概要
製品出荷後のアップデートを可能にする
用途別に2モデルを用意
Bluetooth Smartと同時に、2.4GHzを利用する独自プロトコルやANTプロトコルがコンカレントに動作する
ログバーの吉田卓郎氏
ログバーの「Ring」。指にはめて、ジェスチャでさまざまな操作が可能
CSRの「CSRmesh」のデモ。Bluetooth機器同士でリレーのようにプロトコルを転送でき、より遠くの機器を制御できる。また機器のグループ化も可能
アプリックスIPホールディングスのBluetoothビーコン「MyBeacon」
Dialog Semiconductor B.V.のBluetooth Smart対応チップのデモ。サイコロにBluetoothを組み込み、数字を予測してその数字をタッチ。サイコロを振って数字を出すと自動的に当たって居るかどうかを表示する、というシンプルなデモ
Nordicのチップを使ったMIDIの転送。MIDIデータをiPadに転送する。MIDIデータは非常に小さいため、iPadで多くの曲を記録できる

(劉 尭)