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デル、69,980円の4K液晶「P2815Q」を国内発売

~TN方式のパネルを採用

「P2815Q」
3月18日 発売

価格:オープンプライス

 デル株式会社は4日、4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する28型液晶ディスプレイ「P2815Q」を、直販価格69,980円で国内発売することを発表した。3月18日よりデル直販サイトで販売を開始するが、先行して3月7日より、Amazon.co.jp、NTT-X Store、ビックカメラ、ツクモで予約販売を開始する。出荷開始は3月下旬を見込んでいる。

 P2815Qは2013年12月に、1,000ドルを切る価格で発売することを予告したモデルで、1月より米Dellの直販サイトで699.99ドルで販売されていたもの。

 これまでに国内で発売されている同社の4K液晶ディスプレイは「UP3214Q」(31.5型)、「UP2414Q」(23.8型)はいずれもIPS方式であるのに対し、P2815QはTN方式を採用。また、3,840×2,160ドット表示時のフレームレートは30Hzが最大となるなどの違いがある(前2モデルはいずれも60Hz対応)。

 主な仕様は、解像度が3,840×2,160ドット(157ppi)、輝度が300cd/平方m、コントラスト比が最大200万:1、表示色数が10億7,400万色、中間色応答速度が5ms、表面処理はノングレア、視野角が上下160度/左右170度。

 インターフェイスはDisplayPort 1.2、Mini DisplayPort、HDMI 1.4(MHL 2.0対応)、USB 3.0×4。DisplayPort出力も備える。

 スタンドは前5度/後22度のチルト、左右各45度のスイベル、115mmの高さ調整、ピボットに対応。

 本体サイズは661.3×204.1×435.3~550.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.8kg。

 保証は3年で、良品先出しの翌営業日交換サービスや、輝点ピクセルが1つでもあれば交換に応じるプレミアムパネル保証が価格に含まれる。

ピボットにも対応
インターフェイス。USB 3.0 Hubも搭載し、1ポートは電源オフ時の給電に対応
メニュー。DisplayPort接続だが、解像度は3,840×2,160/30Hzとなっている
左右および下側から見た状態
マーケティング統括本部 クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏

 都内で開かれた製品発表会では、同社マーケティング統括本部 クライアント製品&ソリューションマーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏が、同社のディスプレイが6年9カ月連続で国内シェア1位を獲得したほか、出荷台数そのものも2013年9月の結果で前年同月比18%増と好調に推移できていることを説明。

 好調の理由としては、PCやワークステーションとディスプレイなどの周辺機器、ソリューションなどとトータルで提供できていることを挙げた。社内体制も2014年度からソリューション別に区切った事業部を起ち上げており、「トータルに提供することで、お客様の負担を小さくし、お客様のリソースを経営に使ってもらえる。そのあたりが評価されている」と自信を見せた。

 そうした同社が、国内3製品目となる4Kディスプレイを発売することになるが、「フルHDが登場した頃は革新的な技術だったが今では当たり前。最終的には遠くない将来に4Kもコモディティ化すると考えている」とし、4K市場を牽引するために、3つのポイントにフォーカスすることを紹介。

 1つ目は、今回までの3製品に続き、さらに新製品を投入し、4K製品を拡充していくこと。

 2つ目は、4K解像度の表示には高いコンピュータ性能が要求されるため、ワークステーション製品と一体で提供していくことに力を入れる点。

 3つ目は、4K解像度を使うアプリケーションを開発するベンダーとのパートナーシップを強化していくこと。

 これらを総括し、「表示装置の4K、プラットフォームエンジンのワークステーション、そこで動くアプリケーションの三位一体でお客様に提供していく」と戦略をまとめ、「常識を超える、Dell 4Kモニタ。4Kをフルに堪能するなら、Dell Precision。」のキャッチコピーを発表した。

IDC調査による国内液晶ディスプレイの出荷シェアで6年9カ月連続の1位
PC/ワークステーション本体と周辺機器などをトータルで提供
4Kディスプレイも「遠くない将来」にコモディティ化するとの考えを示した
4Kディスプレイの市場を牽引するため、ワークステーションやアプリケーションベンダーと一体となって訴求

 発表会にはアドビシステムズ株式会社 Creative Cloudエバンジェリストの仲尾毅氏も招かれ、4K解像度で得られる体験を紹介。

 ビデオの世界で4Kが使われ始めているが、制作環境が4Kディスプレイなら即座に最終形を確認しながら、取り込み、編集、出力までを完結して行なえることや、編集画面で表示されているプレビューがフルHDの実解像度となっていることで、現行の編集においてもメリットがあるとした。

 また、Photoshop、Lightroom、Illustrator、InDesignなども、広い解像度で最終形や全体像を見渡しながら作業できる環境であることを示し「まさに夢のクリエイティビティ環境が現実になっており、個人的にも感激している。(アドビシステムズの)製品担当も感激している」と、これまでにない感覚で作業できる環境との感想を語った。

アドビシステムズ株式会社 Creative Cloudエバンジェリストの仲尾毅氏
デジタルハイエンドシリーズの4K液晶であれば、Lightroomで最終形に近い状態で写真編集が可能
Photoshopは3Dプリンタに対応しており、最終形をプレビューしながら3Dプリントできる
4K映像編集に対応したPremiere Proは、4K映像を1つの完結した環境で編集できるほか、画面の4分の1でフルHDを表示できることから現行の映像編集にも有効であるとした
Illustratorでは、「バードアイ」と呼ばれる、さまざまなサイズのパーツをすべて表示し、編集できる
InDesignではページのサムネイルと見開きページを同時に表示し、直接編集できることをメリットとして挙げた

 今回発表された「P2815Q」については、「より多くのユーザーに“4K”を届けるため」に7万円切りという価格を訴求。

 同社のディスプレイはクリエイターなどのプロフェッショナルユース向けに「デジタルハイエンド」シリーズがあり、その下にプロフェッショナル/ビジネスユースに利用できる性能を求めるミドルレンジ向けの「プロフェッショナル」シリーズが提供されている。これまでに発売された2製品(UP3214Q/UP2414Q)はデジタルハイエンドシリーズにラインナップされたが、今回のP2815Qはプロフェッショナルシリーズにラインナップされる。

 そのため、「オフィスワークはもとより、科学計算や金融など多くの情報を大きな画面にまとめて表示させたいニーズに適したディスプレイ」と位置付けている。

P2815Qを披露する河田氏
同社ディスプレイ製品の位置付け。P2815Qはプロフェッショナルシリーズにラインナップされる
映像や写真などよりも、設計や2次元CAD、データサイエンティストなどをメインターゲットとして訴求している
P2815Qの特徴をまとめたスライド
メニューとインターフェイス

 なお、デルでは本製品の発売を記念し、3D Systemsの3Dプリンタ「Cube」を抽選で1名にプレゼントする「3Dプリンタ・プレゼントキャンペーン」を実施。オープン懸賞となっており、購入しなくても応募は可能。期間は3月7日~4月30日。

 また、3月14日/15日には、東京・JR秋葉原駅の電気街口改札内イベントスペースで4K液晶やワークステーション製品の「Precision」シリーズなどを紹介する展示会を実施。来場特典として先着500名に「ホワイトデー特製スイーツ」がプレゼントされる。開催時刻は14日が12~20時、15日が12~19時。

(多和田 新也)