パナソニックは27日、ノートPC「Let'snote」シリーズの2011年春モデルを発表し、都内で発表会を開催した。
新製品では、新しいシリーズとして15.6型の「Let'snote B10」を加えた。1,920×1,080ドット(フルHD)解像度や、重量約1.88kgといった特徴があり、15.6型2スピンドルノートPCとして世界最軽量を実現した。このほか、Intelの第2世代Coreプロセッサー・ファミリーを一部で採用している。
発売日および価格、詳細なスペックなどは製品ニュース(Let'snote B10、Let'snote S10/N10/J10/F10)を参照していただきたい。
●A4ファイルサイズの要望に応えたLet'snote
パナソニック 奥田茂雄氏 |
発表会では、パナソニックAVCネットワークス社 システム事業グループ ITプロダクツビジネスユニット ビジネスユニット長の奥田茂雄氏が、Let'snoteのコンセプトとB10をラインナップに加えた経緯を説明した。
奥田氏はこれまでのLet'snoteについて「持ち出すことに注力して開発し、重さやバッテリが要点と考え、頑丈さ、性能と進歩させてきた。10.1型、12.1型、14.1型、12.1型コンバーチブルタブレットなど、用途に合わせたラインナップを展開し、生産性の向上をしてきた」と振り返った。
そして、ユーザーから新しい要望の声が聞こえてきたという。それは、これまでのLet'snoteはB5ファイルサイズだったが、作業性や業務内容から“大きさ”、つまりA4ファイルサイズが必要という声だった。
パナソニックとしては、A4ノートはデスクトップリプレースでモバイルではないと考えていたが、実際のA4ノートPCユーザーにアンケートを実施すると、4割近いユーザーが持ち運んで使っていたという。大半は1カ月もしくは半年に数回という頻度だが、5.7%のユーザーが週に数回、6%のユーザーが毎日という結果になった。A4ファイルサイズ製品の要望理由としては、大画面や高解像度といった理由のほか、会社の都合などで仕方なくA4を使っているという声もあったとする。また、A4ノートPCは重量やバッテリ駆動時間はほとんど考慮されていないため、不満点として挙げられていた。
そこで、Let'snoteシリーズで培ったノウハウを活かし、15.6型を開発。奥田氏は「重たい、バッテリが持たないという不満を解消させ、要求に応える形で商品化した。15型以上で高解像度、軽量、長時間、最新プラットフォームの高性能を実現した」と話し、軽量化については「通常のA4ノートからペットボトル2本分をダイエットした」と表現。Let'snote B10を持ったモデルが登場し、奥田氏は「大画面、高解像度を持ち出せる」とアピールした。
これまでのLet'snoteの製品コンセプト | 10.1型~14.1型で展開するラインナップ | 新しい要望としてA4ファイルサイズが挙がった |
新製品のコンセプトは15型以上で高解像度、世界最軽量、最長駆動 | 大画面、高解像度をモバイルできるように | フルHD大画面のLet'snote B10が誕生 |
●大画面ながら軽量さ、バッテリ駆動時間を両立
Let'snote B10は、軽量、長時間、大画面フルHD、Sandy Bridge搭載、操作性を特徴とする。
重量は約1.88kgで、一般的な15.6型ノートが2.8~3kg程度であるため、約1kg軽い。加えて、フットプリントも小さくなっている。長時間は、約6時間駆動のバッテリを標準搭載し、1時間で約8割まで充電できる急速充電にも対応する。
性能は、Core i5-2520M vPro搭載により、2年前の春モデル(Let'snote Y8)と比較して、CPUが約2倍、グラフィックスが約2.7倍に伸びたという。大画面フルHDの採用により、一般的なフルワイドXGA(1,366×768ドット)の約2倍の解像度で作業効率を向上させた。
操作性については、独自アプリケーション「画面分割ユーティリティ」を紹介。各ウィンドウの境界線を2/3/4分割で自由にレイアウトできるほか、ウィンドウを表示させずデスクトップが常に見える領域も設定できる。このほか、ホイールパッドの上側でもクリックできる「ツインクリックボタン」や、静音キーボード、手前側に開く光学ドライブなどが説明された。
会場では、Let'snote初のBlu-ray Discドライブ搭載となるマイレッツ倶楽部モデルと天板4種類、A4ノートとの重さ比較、フットプリントの小ささから飛行機の座席でも使える様子などを展示した。
(2011年 1月 27日)
[Reported by 山田 幸治]