「mouse computer秋葉原ダイレクトショップ」 |
東京・秋葉原にあるマウスコンピューターの直販店舗「マウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップ」に5月末、3D PCの展示コーナーができた。現時点では、小規模な展示だが、まだ常時3D PCの実機が見られる場所は少ないので、紹介したい。
秋葉原ダイレクトショップは、JR秋葉原駅から中央通りを渡り、総武線の高架を右に見ながら進んだ左手にある。1階が通常のPC、2階がゲーミングPC「G-Tune」の専用フロアとなっている。
現時点では、展示機は2台で、1台は1階入り口で通常DVDを3D変換して表示しており、もう1台は2階でNHNJAPAN株式会社の3D対応ゲーム「ドラゴンネスト」がプレイ可能となっている。
いずれもマウスコンピューターの製品で、3DシステムはNVIDIAの「3D Vision」を使用している。
1階店頭にある3D PC。普段はDVDを3D変換して表示している | 2階のゲームPCコーナーにある3D PC。「ドラゴンネスト」がプレイ可能 |
1階フロア全景 | 2階フロア全景 |
この展示の狙いについて、マーケティング統括部プロダクトマーケティング部の杉澤竜也氏に話を聞いた。
-どうして3D PCの展示を始めたのですか
弊社では3D対応PCの販売を開始していますが、やはり実機を見られる場所がほしいという要望があり、東京と大阪のダイレクトショップにコーナーを設けました。
杉澤竜也氏 |
-現状では台数も少ないですが、今後拡張の予定は
現状では、3D Visionが常時見られる場所は少ないので、とにかく早く体感スペースを作りたいという想いで始めた状態ですが、もっと、コーナーらしく台数を増やしたり、3D Vision以外の方式の3D PCを並べて比較できるようにしたり、いろいろアイデアはあります。
-3Dの展示を始めて集客面でメリットはありましたか
まだ、なじみがないので、3D PCを目指して、店舗にみえる方はあまりいらっしゃいません。1階の入り口で展示しているので、なんだなんだという感じで立ち寄って、ついでに2階のも見て行かれるという方が多いですね。
-現時点で3D Visionに限っている理由はなんですか
まず、2階のG-TuneのほうはゲームPCですから、3Dゲーム対応が必須なことです。これは偏光式にはないメリットです。また、DVDの再生などでも、偏光式だと解像度が落ちてしまいます。また、3D Visionは視野角が広く、頭が動いても安定して3Dで見られることもメリットです。
-ゲームが3Dになるメリットはなんですか
ゲームへの没入感ですね。手前に来るというよりは、奥行きが出るように見えることもあって、世界への没入感は確実に上がります。2D/3D両用のゲームで、3Dだとスコアが上がるというような、そういうことはありませんが、その世界に入り込むようなゲームでは大きな魅力になると思います。
-現時点では、「ドラゴンネスト」が通常プレイできるようになっていますが、見ていると操作方法がわからず離れちゃう人が目に付きます
そうですね。3Dのスゴサを体感させるという意味では、最初はデモムービーなどを見せるという手もあると思います。そのあたりはゲームメーカーさんにご協力いただいて、デモプログラムやムービーを提供していただくなどの方法を考えたいと思います。
3D表示の「ドラゴンネスト」を裸眼で見るとこんな風に見える | 2階ではゲームコントローラと操作ガイドなども、備えているのだが、まだ敷居が高い感じ | 3Dメガネは液晶シャッターが内蔵されているため、USBで充電する。もちろん、プレイ中はケーブルは外せる |
-別のゲームタイトルをプレイしてみたいという要望もありそうですが
たしかに、ゲームのCDを持参していただいてインストールしてほしいというご要望もありました。残念ながら、セキュリティなどの問題もあって、それはむずかしいのですが、デモできるタイトルを増やせるようにゲームメーカーさんとお話していきたいと思っています。
-1階のDVD再生のほうも、オーディオのショールルームのように、自分で見慣れたり聞き慣れたりしたソフトを持ち込んで確認したいという希望はありますね。
そうですね。もうちょっと台数が増えて、コーナーが作れるようになったら、そういうことも考えたいですね。
1階ではレース系のDVDを再生していた。たとえば字幕入りDVDがどう見えるかなどを検証したい人も多いと思う | 1階PC脇の3Dメガネ。さりげなく2階へも誘っている |
-3D対応のPCは売れていますか
たとえば出荷台数の何割というような比率で売れるところまでは行っていませんが、順調に動いています。いまは、3Dゲーマーの方が主力ですが、法人の方からもご注文いただくようになりました。普及の初期状態といえるでしょう。
-見る側からすると、3D TVとの違いとか、3D PCの方式の違いとか、そういうことが店頭の展示内容でも分かるようになるといいですね
そのあたりはやっていきたいですね。スペースの問題もありますし、他社製品を並べるのは難しかったりしますが、いろいろ考えてみます。これで完成でも終了でもありません。将来的にBlu-ray 3Dも控えてますし、PCベースでももっと大きいスクリーンで見る技術もでてくるでしょう。とりあえず、何か面白そうなことがあったら、キャッチアップして素早く動けるというのがウチの良いところなので、ともかく第一歩と考えてください。
まだ、PCの3D機能は萌芽期であり、簡単に触れることができる場所が少ないので、営業時間内であれば常時見られるというだけでもこのコーナーのメリットは大きい。3Dの効果については、Webや紙媒体ではわかりにくく、実機で体験することが一番なのだ。
正直な話、現状では限られた展示ではあるので、台数や展示方法などの拡張にも期待したい。売れない製品に店舗スペースを割くのは小売店にとっては大変つらいことなので、ともかく場所を割いて展示を始めたということを評価したい。逆にいえば、このショップが店舗を拡張して、3D専門フロアができるようになれば、3Dブームも本物ということだろう。
Published by NHN Japan Corp.
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(2010年 6月 11日)
[Reported by 伊達 浩二]