ニュース
「調和を求める日本のMacユーザーに最適なモニターを」BenQ責任者インタビュー
2025年12月17日 06:32
2025年12月12日にベンキュージャパンが発表したMac向けディスプレイ「MAシリーズ」の新ラインナップ。追加された27型および31.5型の4Kモデルと、27型の5Kモデルは、Macと同じようにシンプルかつ洗練されたデザインで、MacBookの内蔵モニターに限りなく近い見栄えを実現しているのが特徴だ。
今回の新製品におけるこだわりと狙いについて、BenQ台湾本社のプロダクトマネージャーYulun YL Huang氏に話を伺った。そこには、Macユーザーからのフィードバックを元に開発した、MacBookと同じ美しい光沢を実現するNano Glossなどの技術に加え、色味などの調和を重視する日本ユーザーの要求を満たすさまざまな配慮も盛りこまれていた(以下、敬称略)。
ミニマルさ、シンプルさを好む日本ユーザーに最適なディスプレイ
--Macに最適なモニターの開発を決めたそもそもの理由を教えてください。
Huang:BenQが20年以上にわたりディスプレイ業界に携わってきた中で、近年、Macユーザーが増加傾向にあることに気づきました。特に日本市場においてはMacユーザーの割合は非常に高くなっています。
しかし、市場を見渡すと、Macユーザーのために設計されたサードパーティ製モニターが存在していませんでした。MacBookと外部モニターとで色に一貫性がなく手動での色調整が必要だったり、接続が難しかったりして「プラグアンドプレイ」で簡単に使えない。多くのユーザーが外部モニターの使い方を学ぶ必要があり、調整に苦労していたのです。
そこで私たちはMacユーザーのためのモニターを開発することにし、2024年10月に初めてMAシリーズ(非光沢モデル)を発売しました。私たちの目標は、Macユーザーにシームレスな体験を提供することです。調整や学習の必要なく、ただケーブルを接続するだけで、MacBookそのものと同じ体験が得られる環境を目指しました。
--製品デザインにおけるキーコンセプトは何になりますか。
Huang:製品開発のプロセスで、私たちは多くのMacユーザーを対象に調査を実施しました。その結果、ユーザーのみなさんは自分の作業環境やワークスペースに対して「ミニマル」であることや「シンプル」であることを求めていると分かりました。
まさにスティーブ・ジョブズ氏の「less is more(少ないほど、より多くのものを得られる)」という言葉通りで、私たちはそのインスピレーションに従ってAppleの美学を取り入れることにしました。
ボディカラーは少しクラシックなMacBookのトーンを踏襲し、ポート周りもAppleのデザインを踏まえて設計しました。筐体デザインからスタンドに至るまで、角の丸みをiPhoneと同じ半径にするなど細部にもこだわっています。すべてのMacユーザーの部屋、ワークスペースに馴染むよう、あらゆる努力を重ねて作り上げました。
--Macユーザーが多いという日本市場に対して、特徴に据えているポイントはありますか。
Huang:日本ユーザーは中国や台湾といった他のアジア地域と比較しても、よりミニマルでシンプルなものを好む傾向にあり、それがApple製品のユーザーが日本に多い理由だと考えています。欧米のユーザーは機能や性能を重視することが多いのですが、日本ユーザーは筐体のデザインや美しさを重視し、色味や視覚における調和を求めています。日本市場における製品の位置付けは、そうした点を踏まえたものになります。
高輝度・高画質にフォーカスして開発、5Kは最大70Hzを実現
--パネルの表面処理に用いている「Nano Gloss」とはどういうものなのか、簡単に教えてください。
Huang:「Nano Gloss」はパネルに施した特殊な加工技術です。MacBookの内蔵モニターのような光沢感を出すために、化学的な処理を施したフィルムを貼り付けているようなイメージです。これによってクリアで奥行きのある映像、鮮やかな色彩を表現できるようになり、MacBookの内蔵モニターと変わらない美しい視覚効果を実現しています。
現在市場にあるノートPC用(IPS液晶)モニターのほとんどはマットな非光沢タイプで、MacBookのガラスのような質感を持つモニターは技術的な難易度の高さから多くはありません。Nano Gloss技術を開発するにあたっては、MacBookのような見栄えを提供できるかどうか、というのも1つのチャレンジでした。
--ラインナップとしては27/31.5型、4K/5K解像度となっています。より低い解像度や湾曲モニターなどにしなかったのはなぜでしょう。
Huang:今回のMAシリーズはMacBookユーザーのために設計しました。その意味で、MacBookはそもそもフラットパネルですから開発当初から湾曲パネルは検討しませんでした。サイズは作業領域と視認性のバランスを考慮して、最適なものを選択した結果です。
解像度については、Macユーザーが求めるものは「Retinaレベル」、つまり200ppi以上の画素密度でした。そのため、シャープで高解像度な4K、あるいは5K解像度にフォーカスすることにしました。
--どのモデルもIPS液晶ですが、OLEDを選ばなかったのはなぜですか。
OLEDを採用しなかったのは、主に輝度の問題です。OLEDとIPSでは発光のさせ方が異なります。IPS液晶はバックライトを使って輝度を高くすることができますが、OLEDの場合はIPS液晶ほど高い輝度を出すのは難しいのです。
--リフレッシュレートについての考え方を教えてください。
Huang:4Kモデルはすべて60Hzですが、実は5Kモデルの「MA270S」は最大70Hzです。これはApple Studio Displayよりも優れた、スムーズな体験を提供したいと考えたためです。
多くのユーザー、特にMacBook Proユーザーのみなさんがより高いリフレッシュレートを求めていることは承知しています。私たちも可能な限りそうしたいと思っていますが、今のところ5K解像度においては70Hzが限界でした。ただ、2026年2月には32型の「MA320UG」で4K120Hzの高リフレッシュレートを提供する予定ですので、もう少しだけお待ちください。
一般のMacユーザーからパワーユーザーまでカバーするラインナップ
--最後に読者/ユーザーに向けてメッセージをいただけますか。
Huang:改めて説明すると、4Kモデル(MA270UP/320UP)はWebブラウジングや動画視聴、もしくは一般的なビジネスアプリケーションなどを使用するMacBook Airユーザー、あるいはMac Miniユーザーにお使いいただきたいモデルとしています。
5Kモデル(MA270S)は、それに加えてより高度な作業も行なうユーザー向けです。もう1台のMacBookやiPadから映像入力できるように2つのType-C入力ポートを備え、2つの端末の画面を同時に表示するピクチャーバイピクチャーなどの機能も用意しています。Mac StudioやMac Proを使用する、パフォーマンス重視のパワーユーザーに最適なものとしています。
4Kについては非光沢と光沢がありますが、前者の非光沢は外部ディスプレイを長時間使用するユーザーの目の健康を考慮したモデルですので、映り込みが目の負担になっていると感じる方におすすめです。
もう一方の光沢は「MacBookと同様の、クリアでシャープな画質が欲しい」という方に向けたもので、調査によれば比較的若いユーザーに支持されているようです。光沢であっても10~15年前のものと比べると技術的な成熟で反射がある程度抑えられているところもありますから、ユーザーのみなさんの好みに合わせてお選びいただければと思います。
--ありがとうございました。



















![[Amazon限定ブランド]CCL い・ろ・は・すラベルレス 2LPET ×8本 ミネラルウォーター 無味 製品画像:2位](https://m.media-amazon.com/images/I/41h0MHfvhkL._SL160_.jpg)







