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iPhone、パスポートでデジタル身分証を発行可能に。米国で開始

Digital ID

 Appleは11月12日、パスポートの情報に基づくIDをApple Wallet上に発行できる「Digital ID」機能を発表した。iPhoneまたはApple Watchを使って提示できる。米国ではすでに機能の提供を開始。ベータ版として米国内にある250カ所以上の空港に順次展開中で、国内旅行時にTSAチェックポイントでの対面本人確認に利用できる。

 Digital IDは、物理パスポートをスキャンすることでApple Wallet上にデジタルの身分証明書を発行できる機能。Apple Walletではすでに運転免許証や州が発行する身分証明書を追加できるようになっており、今回のDigital IDはそれに続く取り組みとなる。なお、物理パスポートを代替する機能ではないため、国際旅行など入出国には利用できない。

 Digital IDの発行はApple Walletアプリ上から可能。発行時の本人認証プロセスでは、iPhoneを使ったパスポートの顔写真ページのスキャン、ICチップの読み取り、自撮り写真の撮影などが必要となる。データは暗号化され、発行時に読み取ったパスポート情報はデバイス上に保存されるほか、Face IDまたはTouch IDを使った生体認証で保護される。提示に際しては、何の情報を要求されているか事前に確認できる仕組みを採用している。

 現時点では空港のみでの展開だが、今後順次対応施設を拡大していく予定。将来的には企業や組織内のID、アプリやオンライン上の本人確認/年齢確認での活用も見込んでいる。

提示前に何の情報を要求されているか確認できる。