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ウィキペディア運営、AI開発者によるタダ乗りをやめるよう要請

 ウィキペディアなどを運営するWikimedia Foundation(ウィキメディア財団)は11月10日(現地時間)、AI時代においてWikipediaの重要性が増しているとし、AI開発者に対し、ウィキペディアの持続可能性を支える帰属表示と有料プラン利用を要請した。

 ウィキメディア財団は、生成AIがウィキペディアのような人間により作成/更新される知識リソースに依存しており、それなしでは「モデル崩壊」に陥る危険性があると指摘。AIはハルシネーションによる誤りを提示するリスクがあるが、ウィキペディアはボランティア編集者の議論や合意形成、出典明記による透明性といった、AIには代替不可能な強みを持つと述べた。

 ウィキペディア自身もAIを導入しているが、それは荒らし検出など人間を「サポートする」ためであり、「置き換える」ものではないと強調している。

 これらを踏まえ、ウィキメディア財団はAI開発者に対し、AIの出力にウィキペディアをクレジットとして明記する帰属表示と、大規模利用のための有料プラン「Wikimedia Enterprise」を通じた経済的支援を要請。ウィキペディアの持続可能性のため、AIによるタダ乗りをやめるよう促した。