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主要マンガ版元ら、Sora 2など生成AIに共同声明「著作権侵害を容認せず」

 日本動画協会や主要出版社らは10月31日に共同で、生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明を発表し、生成AI技術の進展は歓迎するとする一方、著作権侵害を容認しないとの考えを示した。

 声明では、OpenAIの「Sora 2」でAI生成された画像や動画の中に、著名な創作物や表現への依拠性・類似性が強く疑われるものが散見されたことに言及。OpenAIでは権利者からオプトアウト申請がない限り、著作物が生成・公開されるシステムを採用しているが、これは日本だけでなく、世界194カ国が加盟するWIPO(世界知的所有権機関)の著作権条約の原則にも反すると指摘した。

 その上で、基本的な考えとして、生成AI技術の進展は歓迎しており、正しく可能性を生かすことを望んでいる一方、著作権侵害は容認しないと表明。生成AIが著作物を学習し、新たに生成物を創出する際には、以下の3つの原則が順守/実行されるべきだとした。

  1. 学習段階および生成・公表段階の両方において、著作権法の原則に沿って権利者に必要な許諾を得るなどの対応をAI事業者が取る
  2. 学習データの透明性が担保されている
  3. 権利者が利用を許諾した場合、権利者への適正な対価還元が行なわれる

 また現時点での懸念点として、権利者によるオプトアウトが原則では権利侵害につながる点、およびデータの学習段階における透明性担保が不十分な点を指摘。創作に携わるすべての人とその努力、尊厳を守るための責任として、生成AIを活用しているか否かを問わず、著作権侵害に対して法的・倫理的観点から適切に行動していくとともに、著作物や創作物の利用と保護の両立を模索していくとした。

 今回の声明の共同発出者は以下の通り。

  • 日本動画協会
  • 秋田書店
  • 一迅社
  • 宙出版
  • KADOKAWA
  • コアミックス
  • 講談社
  • 小学館
  • 少年画報社
  • 新潮社
  • スクウェア・エニックス
  • 竹書房
  • TOブックス
  • 日本文芸社
  • 白泉社
  • 双葉社
  • 芳文社
  • リイド社
  • 日本漫画家協会