音声付きや複雑な映像のAI生成を可能にする「Sora 2」。iOSアプリも公開

Sora 2で生成した動画

　OpenAIは9月30日、新たな動画生成AIモデル「Sora 2」を発表した。最初の展開は米国およびカナダで招待制にて実施しており、そのほかの地域にも早めの拡大を予定しているという。Sora 2は初期段階では無料で利用が可能(利用制限あり)。ChatGPT Proユーザーは上位モデルのSora 2 Proも利用できる。

　Sora 2は、同社が2024年2月に発表した動画生成AIモデル「Sora」の改良版となるモデル。従来のAIモデルでは、与えられたテキストプロンプトに沿って動画を生成するために物体を変形させて現実を歪めてしまい、正しくない動画を生成してしまうことがあった。例として、バスケットボール選手がシュートに失敗しているのに、ボールがゴールに突然テレポートしてしまうといったものを挙げている。

　一方Sora 2では、シュートに失敗すると、ボールはバックボードで跳ね返り、正しく表現できるという。オリンピックの体操演技、物理特性を正確に再現したパドルボードでのバックフリップといった、従来のAIモデルでは生成が困難だったり不可能だったりした動画の生成も可能になったとしている。

　また、動画の内容にあわせて、背景の音や効果音、セリフといったリアルな音声を生成可能。別途用意した動画に映る人物を、生成動画の中に取り込むといったこともできるようになった。動画内の世界の状態を正確に維持しつつ、複雑な指示に沿った動画を生成する制御性も向上した。

　さらに、Sora 2のリリースにあわせてiOS向けソーシャルアプリ「Sora」も公開した。シンプルな動画生成だけでなく、ほかのユーザーが生成したコンテンツをリミックスする機能や、動画内に自分を登場させられるカメオ機能も利用できる。