Premiere Proのエフェクトライブラリが大幅拡張。パフォーマンスや機能の強化も

　Adobeは、動画編集ソフトの最新バージョン「Premiere Pro 25.5」を発表した。Film Impact製の高品質ライブラリが統合され、90種類以上の新たなエフェクトやトランジションなどが利用可能となるほか、パフォーマンスや機能面の改良も行なわれている。

　今回のアップデートでは、同社が直近で買収したFilm Impact製のライブラリをPremiere Proに統合。90種類以上の高品質なエフェクト、トランジション、アニメーションがPremiere Pro上から直接利用可能になった。カラーグレーディングに使えるエフェクトやモーショントランジションも用意。静止画から3Dアニメーション付きのモーショングラフィックスを作ることもできるという。

　また、各種パラメータの調整によるカスタマイズにも対応するほか、クリックするとさまざまなパターンのエフェクトを試せる「Surprise Me」ボタンも用意。ライブプレビューを表示できるエフェクトパネル「Film Impactダッシュボード」も新たに利用可能になる。

Film Impact製ライブラリの統合で、高品質なエフェクトなどが利用可能となった

　パフォーマンス面では、GPUアクセラレーションによるタイムラインや編集操作の高速化を図った。具体的には、クリップのドラッグやリップル/ロール編集、レート調整などの編集操作中もオーディオ波形が常に表示されるようになった。2024年のアップデートで加わったフェードハンドルも改善し、複数クリップのフェード調整が可能となった。

　それ以外にも、オーディオ最適化およびピークファイル生成処理のマルチスレッド化、再生ボタンを押してからフレームが動き出すまでのラグの短縮、BlackwellアーキテクチャのNVIDIA製GPUにおける10bit 4:2:2メディアのハードウェアアクセラレーション対応なども行なった。

　機能面では、ユーザーのフィードバックに応える改良として、テキストとキャプションのデフォルトフォント設定機能、トラックターゲットに基づいてトラックのミュート/ソロを切り替えるショートカット、検索パネルでの高度なフィルタリング、より幅広いファイルの読み込みのサポートなどといった改良も施された。

After Effectsにも機能強化のアップデート

クイックオフセット

　あわせて、After Effectsもバージョン25.5へとアップデートを実施しており、新たにクイックオフセットと呼ばれる機能を追加。1回のクリックとドラッグ操作で複数のキーフレームやレイヤーを均等にずらして配置できるツールで、1つずつ個別に調整する必要がなくなった。コンポジションパネル内のズームや表示変更のスムーズ化、キャッシュの改善によるプレビューや再生の高速化なども図っている。