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「念力でPC操作」って何周目だよって気もするけど、Metaがようやく実用的なシステムを開発?
2025年7月29日 16:29
Meta Reality LabsのCTRL-labsは7月23日、手首に装着して動きを“念じる”だけでPC操作を実現する汎用的な非侵襲性神経モーターインターフェイスを開発したとNature誌に論文を投稿した。
コンピュータの操作には、当然コンピュータと人間をつなぐ「インターフェイス」が必要だ。一般的にはキーボードやマウス、タッチスクリーンといったデバイスがあるが、外出先では操作が制限される可能性がある。カメラや慣性センサーをベースとしたジェスチャー操作もあるが、人間の動きからは逃れなれない。
そこで、身体の電気信号と直接やりとりするインターフェイスも考案されてきたのだが、高帯域幅通信は個人向けに設計された特注のデコーダを備えた侵襲的(つまり脳に埋め込んで神経と直接やり取りする)インターフェイスでのみ実証されてきた。
さらに、実際には頭皮での脳波(EEG)信号を記録してそれに依存するアプローチもあったが、長いセットアップが必要であったり、信号対雑音比が低かったりしたため、用途が制限されていた。
ちなみに、僚誌のAKIBA PC Hotlineでは1996年の時点で“脳波で動かせる”と謳うマウス「MindDrive」が登場しているのが確認できる。また、2008年には、かつてのメモリメーカー大手OCZも脳波で動かせる入力デバイス「Neural Impulse Actuator」を販売していた。
そのためMetaの研究チームは、筋肉からの電気信号を読み取って操作に用いる筋電図法(EMG)の非侵襲性神経運動インターフェイスに着目した。しかし、これまでのEMGは配線が煩わしい上に、姿勢による堅牢性の低さ、標準化されたデータの欠如、電極の変位、セッション間やユーザー間の一般化の欠如といったさまざまな課題があった。
そこで、独自の研究用デバイス「sEMG-RD」を開発/設計。これは乾式電極を用いたマルチチャンネル記録プラットフォームで、単一のMUAP(多活動電位)を推定できる。また、通信もBluetoothで行なわれるため配線がなく、手首に数秒で容易に着脱できる。
その上で、数千人の同意を得た被験者のデータで学習させたニューラルネットワークを設計/実装。大規模かつ多様な集団に神経運動記録を拡張するために、自動化された行動促進および被験者選択システムも構築した。
その結果、sEMG-RDが手首の姿勢に基づいてレーザーポインタを向けるような1次元連続ナビゲーション、指のつまみ動作や親指のスワイプ動作といったジェスチャーの検出、手書き文字の書き起こしと言ったコンピュータインタラクションを駆動できることを実証したという。しかも、個人に特化したトレーニングやキャリブレーションを行なわなくても、sEMG-RDは良好なパフォーマンスを発揮できたとしている。
今回の研究は、sEMGベースのヒューマンコントロールインターフェイス(HCI)の研究開発の方向性を切り開くと同時に、現在および将来の脳コンピュータインターフェイス(BCI)の根本的な技術的課題の多くを解決できるだろうとしている。















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