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Wi-Fiの電波で人物を特定する技術「WhoFi」
2025年7月29日 13:18
イタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学のコンピュータ科学部の研究者らは7月17日、Wi-Fiのチャネル状態情報(CSI)信号で人物を特定する技術「WhoFi」に関する論文を発表した。
WhoFiは、Wi-Fiの物理層において得られるCSIを用いて人物を特定し、それによる生態認証を提唱するもの。これまで、異なる時間や場所に存在する2つの人物像が同一人物のものであるかどうかを判断する人物再認識システム(Re-ID)は、主に視覚情報に頼ってきたが、照明条件の変化や遮蔽物などにより限界があった。Wi-Fiを用いればプライバシーを確保しつつ、この課題を克服できるとする。
CSIを利用して生体の情報を取得する研究はこれまでも行なわれてきた。その仕組みは、Wi-Fi信号が伝播する経路上にある物体や人物の物理特性が電波に変化を与えるため。人の場合、骨や臓器、体組成といった内部構造が伝播と相互作用し、一意の署名として機能する人固有の信号の歪みが生まれるため、生体認証情報として使うことができるという。
今回の研究では、まずCSI複合マトリックスから抽出データを前処理としてノイズとサンプリングオフセットを除去し、意味のある生体認証特徴を抽出。さらに抽出された振幅特徴に対してデータ拡張を行ない、モデルの感度とノイズや軽微な信号変動に対する全体的な堅牢性を高めた。その後、エンコーダを介してディープニューラルネットワークで学習して署名を生成させた。さらに損失関数で同一人物の類似性を高めつつ、異なる人物の署名が遠く配置されるようにした。
実験では、TP-Link製のルーター「N750」を2台利用し、14人の被験者が参加。8コアのRyzen 7、16GBのメモリ、そしてGeForce RTX 4090(24GB)でモデルを学習させ、Pytorchフレームワークでモデルの実装を行なった。その結果、Transformerを採用したエンコーダは、Rank-1認証率で95.5%、mAPスコア(物体検知モデルに使われる評価指標)で88.4%を達成し、優れた結果を示したという。
研究チームによれば、今回の研究において、統一された再現可能なパイプラインを公開ベンチマークに適用することで、将来のCSIベースRe-ID研究のために貴重なベースラインを確立できたとしている。











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