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「Snapdragon 820」は2倍のCPU性能と2倍の電力効率を実現、Qualcommが公開

 Qualcommは2日(現地時間)、次期モバイル向けハイエンドSoC「Snapdragon 820」に搭載されるCPUコア「Kryo」の概要を公開した。

 Snapdragon 820は3月のMWCに発表されたSoC。CPUコアKryoの採用や、ヘテロジニアスコンピューティングへの対応が謳われていたが、採用されるプロセスルールや、具体的な性能指標などについては明らかにされなかった。今回それらが一部明らかとなった。

 Kryoは、Qualcommにとって初となるカスタムデザインの64bitクアッドコアCPUとなる。今回、製造プロセスルールは14nmのFinFETであることが明らかにされた。つまり製造はこれまでのTSMCではなく、GLOBALFOUNDRIESまたはSamsungである可能性が高い。最大駆動周波数は2.2GHzで、従来のSnapdragon 810と比較して2倍の性能と2倍の電力効率(すなわち、同じ電力で2倍の性能)を実現するという。

 また、新たに「Symphony System Manager」という仕組みを取り入れた。Kryoはこの仕組によりGPUとDSPと緊密に連携し、「(処理に合わせた)正しいプロセッサを組み合わせて、(処理に合わせた)正しいタスクを実行できる」としている。これにより処理の高速化を実現するとともに、消費電力を最小限に抑えられるという。

 例えばユーザーが写真撮影を行なった場合、写真の処理を行なう段階で、CPU、GPU、GPS、ディスプレイエンジン、メモリシステムなど、さまざまなコンポーネントに対し、写真処理に必要な周波数を必要な時間分だけ与えることで、性能の最大化と低消費電力化を行なうとしている。

(劉 尭)