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AMD、Windows 10/DirectX 12への対応は万全とアピール
(2015/7/29 13:00)
米AMDは過日、同社APUおよびGPUのWindows 10への対応状況について報道向けの説明会を開催。29日からアップグレードの提供が開始された同OSへの準備が整っていることをアピールした。
まずドライバおよび各種アプリへの対応具合だが、同社製ドライバはWindows Device Driver Model 2.0に対応し、GPUの新機能に対応するとともに、ウィンドウなどの描画性能や、反応性やリソースの利用状況が改善。また、内蔵のH.264ハードウェアエンコーダ/デコーダにより、ワイヤレスディスプレイ、リモートデスクトップ、動画再生、Xbox Oneからのゲームストリーミングがスムーズになっているほか、BitLockerでのストレージ暗号化や、ZIPファイルの解凍が高速化。A8-7670KとCore i3-4160の比較で、BitLockerについては25%、ZIPファイルの解凍は37%高速という具体的な数値も公開している。
Windows 10で導入されるDirectX 12については、同じGPUであっても、いくつかの点でDirectX 11よりも性能が向上する。まずDirectX 12は、CPUのマルチコアへの最適化が進み、ゲームプログラム、DirectXランタイム、DirectXドライバを多数のコアで効率的に分散処理できるようになったほか、全てのCPUコアがGPUと同時に通信可能になった。
これにより、FX-8350の場合では、DirectX 11に対して8コア中6コアまで、コアあたり290万多いドローコールを、Radeon R9 390の場合は最大15倍ものドローコールを実行できるようになり、1フレームあたりのグラフィックスディテールを格段に引き上げられる。
また、DirectX 12は、DirectXとして初めてマルチGPUにネイティブで対応。これによって、1つのフレームを複数のGPUで分散処理するスプリットフレームレンダリング(SFR)におけるレイテンシの低下や、開発者がより効率的な並列レンダリングや、GPUリソースの利用をできるようになるというメリットがもたらされる。また、複数のGPUのビデオメモリを1つのメモリプールに統合することもできる。
もう1つDirectX 12環境では、AMDの独自機能として非同期シェーダが利用できる。これによって、GPUの並列性、利用効率を引き上げ、ダイレクトにフレームレートを向上させることができる。AMDのテストによれば、Radeon R9 290Xを用いて、非同期シェーダオフでは221fpsとなる3Dベンチマークが、オンでは250fpsにまで上昇するという。
DirectX 12に対応するゲームとしては、「Deus Ex: Mankind Divided」、「Ashes of the Singularity」などが予定されており、前者はAMDのTressFX Hair 3.0、後者はMantleにも対応する。