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富士通、LIFEBOOK GHで新ホームスタイルを提案
(2015/1/20 16:10)
富士通は20日、個人および法人向けの2015年PC春モデルを発表。これに合わせて、都内で新製品発表会を開催した。
冒頭では、同社執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ グループ長の齋藤邦彰氏が挨拶し、新製品投入における背景となった同社の成長戦略について語った。
富士通の成長戦略はこれまで通り、「既存領域」の強化を元に、それによって生み出される「ビジネスイノベーション領域」で革新を実現、さらにそれによって影響される「ソーシャルイノベーション領域」の拡大を目指すという3本柱。それによって今後のICTの発展に貢献するとした。
既存領域では、これまで富士通で培ってきた技術を製品に応用し、顧客のニーズに対応できる製品を開発する。例えば薄型軽量で長時間バッテリ駆動が可能なノートPCや、LIFEBOOK GHのような新ジャンルの製品の投入によって、日々変化するユーザーのワークスタイル/ライフスタイルに応えるとした。
ビジネスイノベーション領域においては、これまでオフィスのデスクワークでのみ使われてきたPCが、出先での営業や現場での作業といった場所にも進出するようになり、業務効率化や業務スタイルの革新に応用されるようになった。そのためには新しいウェアラブル形態のデバイスや、セキュアな運用を支えるようなソリューションが必要とされるようになり、富士通はそれにも応えていくとした。
そしてソーシャルイノベーション領域では、2014年11月に発表したIoTプラットフォームの提供で応えていく。同社が開発したユビキタスセンサーコアモジュールを中心に、クラウド基盤やネットワーク構築、アプリケーションなどを提供し、新たなビジネスの創出とエコシステムの形成に貢献していくとした。
LIFEBOOK GHの無線ディスプレイをアピール
続いて、同社執行役員 パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘泰氏が、同日発表した新製品を紹介。「個人向けでも法人向けでも、近年求められている共通の要素があり、それはいつでもどこでも安心/安全に使えることである」と踏まえた上で、「富士通のPC/タブレットは高性能/高品質をベースに、富士通ならではのモビリティ/セキュリティ/ユーザービリティといった付加価値、そしてニーズに合わせた商品固有の特徴を付加した上で提供する」と説明した。
法人向けは6モデルを投入するが、まずは13.3型のタブレット「ARROWS Tab Q775/K」について触れた。法人向けタブレットとしては同社最大サイズとなる13.3型であるほか、手のひら静脈センサーや指紋センサーおよびNFCやスマートカードによる認証に加え、盗難/紛失時に遠隔操作でデータを削除できるCLEARSURE 3G/LTE対応であることが謳われた。また、工事現場などに求められる防水防塵設計や、医療現場に求められる体アルコール性も特徴であるとした。
ビジネス向けUltrabookの「LIFEBOOK U745/K」については、オフィス導入において必須となっているGigabit EthernetやミニD-Sub15ピンの搭載や、生体認証/CLEARSUREによるセキュリティ、Ultrabookながらバッテリ/メモリがユーザー自身で交換可能な点について解説された。
そしてIGZOディスプレイを搭載した「LIFEBOOK S935/K」は、最長約20時間のバッテリ駆動や、最軽量時1.21kgのモビリティ、高解像度液晶による作業効率の向上について語られた。
一方、個人向けPCについては「LIFEBOOK GH」シリーズに焦点を当てて解説した。「IoT時代の到来に向けて、各種クラウドサービスが充実してきているが、家庭内のIoTデバイスをまとめて管理し、自律的に動く確かなコンピューティングが必要とされるようになる。LIFEBOOK GHは高性能コンピューティング部(本体)と手軽なユーザーインターフェイス部(ディスプレイ)が分離しており、IoT時代に求められるホームコンピューティングの理想な形に近づく」とした。
それを実現したのが無線ディスプレイ技術だが、データ転送に専用のLSIを搭載し、さらに富士通の独自技術を搭載することで実用化できたという。「これまでの技術だと0.25秒程度の遅延があったが、新技術の採用により0.07秒までに短縮。これは世界最速である」とアピールした。
また、人感センサーの搭載による未使用時の低消費電力や、高性能コンピューティングをタブレット形態で利用できる新しい使い方を生み出せるとした。壇上でも、この無線ディスプレイ技術を実際に動画を流しながらデモし、本体をTVに接続することで、手元のディスプレイで見ているコンテンツと同等のものをTVに同時に映し出す様子を示した。