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生成AIで学びをもっと効率的に。全都立学校で「都立AI」運用スタート

 東京都は、すべての都立学校の児童生徒および教職員が利用できる生成AIサービス「都立AI」の提供を開始した。全都立学校256校を対象に、国内最大となる約16万人が安全かつ円滑に利用できる都立学校専用の教育用生成AI基盤だという。

 児童生徒での活用例として、生成AIを活用した授業展開や、探究テーマの情報収集や整理、分析、発表資料作成などにおいてAIが伴走して効果的な学習を促進することが挙げられる。

 一方教職員においては、校務の定型的文書のドラフトをAIが作成することで業務負荷を軽減し、教育活動に集中できる環境作りを支援する。

 都立AIの実行環境は東京都だけのテナントとなっており、児童生徒が入力したデータはAIの学習には使用されないほか、不適切なやり取りを防ぐフィルタリング機能も搭載している。生成AIのモデルは、OpenAI提供の最新の軽量版モデルGPT 4o-mini以上に対応しており、従来のGPT-4に比べ高速かつ低コストでの応答が可能で、児童や生徒が円滑に利用できる東京都専用の生成AI環境となっている。

都立AIの一部機能紹介
①チャット機能:生成AIとの対話や画像の入力が可能
②カスタムAI機能:専用のデータとふるまいをもとにした生成AI利用が可能
③プロンプトテンプレート機能:さまざまなプロンプトテンプレートでクイックに効果的な生成AI利用が可能

 東京都教育委員会は前段として、2023年度に9校、2024年度に20校の「生成AI研究校」を指定し、教育現場における生成AIの効果的な利活用について研究を進めてきたことを元に実施されている。

 都立AIの基礎構築はコニカミノルタが担当、これまでの学校教育向けソリューション「tomoLinks」などのAI基盤構築技術と教育事業における知見を生かし、教育現場における多様な使い方に柔軟に対応したサービスを提供するとしている。