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「買うなら今でしょ!」で年末商戦を盛り上げる!

~WDLC・香山会長にキャンペーンの狙いを聞く

8色のキャンペーン専用法被を着る香山会長と、林先生の店頭用立て看板
11月6日 開始

 日本マイクロソフトをはじめ、PCメーカー、周辺機器メーカー、ソフトウェアメーカー、量販店など、116社が参加するウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)が、「最新パソコン、買うなら今でしょ!」キャンペーンを、2013年11月6日からスタートする。

 Windows 8.1が新たに投入され、Haswellを搭載した新たなPCが相次ぎ登場。さらに、2014年4月には、Windows XPのサポート期限を迎えるなど、PCを取り巻く市場環境は大きく変化しつつある。その中で、WDLCが仕掛けるキャンペーンは、2013年末商戦から2014年の春商戦にかけて、PCの需要喚起において、重要な役割を果たしそうだ。

 WDLCの会長である香山春明氏(=日本マイクロソフト執行役常務)は、「これまでにない投資を行なうなど、WDLCは、このキャンペーンに本気になって取り組んでいる」と意気込みを語る。香山会長に、キャンペーンの狙いなどについて聞いた。


WDLCの会長である香山春明氏(日本マイクロソフト執行役常務)

--WDLC会長として、2013年度の年末商戦のPC市場はどうなると見ていますか。

香山 私は大きな盛り上がりを見せると考えています。Windows 8.1の投入や、Haswellの搭載によって、さまざまなフォームファクタの製品が出揃ってきましたし、さまざまな価格レンジの製品も揃っています。一度、タブレットを購入してみたが、使ってみたらこの程度のことしかできないと不満に思っているユーザーにとっても、満足できるタブレットが、Windows陣営の中から登場している。さらに、Windows XPのサポート終了が、来年4月に控えていますから、XPユーザーが新たなPCに買い換えるには最も適したタイミングが、この年末商戦だといえます。これまで、PCを買い換えたいと思っていたが、そのまま引き延ばしてしまっていた方々にとっても、幅広い選択肢の中から、PCを選んでもらえるタイミングがやってきたといえます。

--WDLCでは、「最新パソコン、買うなら今でしょ!」キャンペーンを、2013年11月6日からスタートしますね。

香山 キャンペーン期間は、2013年11月6日から、Windows XPのサポートが終了する2014年4月9日までの約半年間となっています。期間中、量販店店頭でのプロモーション活動のほか、インターネットやソーシャルメディアを利用した訴求、交通広告やWDLCの公式Webサイトを通じた展開、タッチアンドトライによる訴求のほか、日本マイクロソフトが展開するキャンペーンとの連動も行なうことになります。これからの約半年間は、Windows XPユーザーにとっての最後の買い換えのタイミングであること、Windows VistaやWindows 7のユーザーに対しても、タッチという新たな利用環境を提案できること、また、Windowsストアアプリも揃ってきたことも見逃せません。Windows以外のデバイスを利用しているユーザーにとっても、これだけの選択肢の中から、自分に適したWindowsデバイスを選べるわけですから、まさに「買うなら今でしょ!」というわけです。

--イメージキャラクターに、東進ハイスクールの林修先生を起用しましたね。

香山 これは、WDLCの会議において、満場一致で決定しました。とにかく、シンプルで、分かりやすい。そして、親しみがあって、説得力がある。少ない言葉で、訴求をするには、林先生にお願いするのが最適であると考えました。「今でしょ!」という言葉は、今年の流行語大賞になる可能性もありますし、Windows XPから買い換える人にとっても、まさに「今でしょ!」というわけです。

--キャンペーンのターゲットは?

香山 訴求したい層はいくつかあります。1つは、5~7年ぶりにPCを購入するといった買い換えユーザーですね。ここには多くのWindows XPユーザーが含まれるでしょう。Windows XPを利用しているコンシューマユーザーは約600万人が想定されていますし、Windows Vistaでは約400万人のコンシューマユーザーがいる。これだけでも1,000万人以上のコンシューマユーザーがいます。また、どんなPCを購入していいのか分からないユーザー、PCがどんどん進化してしまって、果たして新たなPCを使いこなせるのかと心配に思っているユーザー、さらにいつが買い時か分からないユーザーも、今回のキャンペーンにおける訴求対象となっています。最新のPCが、今どうなっているのかを知らないといった人も多いのではないでしょうか。また、新しいPCは難しいのではないかといった先入観を持っている人もいるのではないでしょうか。決して、そうではないということを知ってもらうということも、このキャンペーンの重要な目的です。分かりやすいシナリオ、簡単な説明、説得力のあるキャラクターによって、新たなライフスタイルを提案していきます。

--量販店店頭ではどんな仕掛けを行ないますか。

香山 キャンペーンは11月6日から開始しますが、すでに、Windows 8.1搭載PCの店頭展示が開始された10月18日から、量販店店頭ではリーフレットやステッカーといった、キャンペーン用の販売促進物の配布が始まっています。これは全国3,000店舗で展開するもので、それぞれ約280万部を用意しました。リーフレットには、2-in-1パソコン、オールインワンパソコン、タッチ機能搭載ノートパソコンといった最新PCによる3つの利用シーンを通じて、新たなPCのメリットを訴求していきます。

 例えば、2-in-1パソコンでは、「子どももわくわく家族でだんらんパソコンライフ」という切り口で、タブレットとしての用途では子供と一緒に知育アプリを使ったり、ノートパソコンとしては小中学生の家庭学習用として活用できるシナリオ提案を行ないます。また、オールインワンパソコンでは、「ママの年末パーティーの写真整理」をテーマにして、撮影した写真をパワフルな画像処理機能で、オリジナルスライドショーやビデオ作りが楽しめるといったシナリオを提案します。そして、タッチ機能搭載ノートパソコンでは、「シニアの旅行は最新パソコンが輝く」として、画面にタッチするだけで、旅行や趣味に関する情報をストレスなく収集することができたり、旅先で撮影した写真を使った年賀状作りも簡単に行なえるようになるといった具合です。

 さらに、新旧のパソコン比較ページもあり、Windows 8およびWindows 8.1を搭載したパソコンは薄く、軽く、スタイリッシュであり、インターネットのサイト閲覧もタッチ操作で快適にできるといったメリットを強調しています。

店頭に置かれるリーフレットとステッカー
リーフットとステッカーは店頭ではこのようにして置かれる

 実は、先日、広島の量販店を訪れた際に、Windows XP搭載PCと、Windows 8.1搭載のローエンドPC、Windows 8.1搭載のハイエンドPCを並べて、魚が泳ぐグラィックスの処理性能を比較するといった展示をしていました。その差は歴然で、Windows XP搭載PCでは、フリーズしているような状態であるのに対して、Windows 8.1搭載のローエンドPCではサクサク動く、そしてWindows 8.1搭載のハイエンドPCでは大量の魚がサクサク泳ぐ。ひと目で性能の違いが分かるのです。キャンペーンサイトでも、「Windows 8 vs Windows XP」というコンテンツを用意して、Windows XPからWindows 8に移行するメリットを訴求します。こうした分かりやすい訴求を心がけています。

--林先生を活用したPOPも用意しているようですね。

香山 リーフレットには、「ココがカンタンでしょ!」というフレーズとともに林先生の写真をアイコンとして使わせていただいていますし、ステッカーでは、「キーボードに貼るでしょステッカー」として、林先生の顔写真とともに、「今でしょ!」の文字を入れて、キーボードの「Enterキー」や「Shiftキー」などに貼れるようになっています。そのほか、林先生の顔を入れたキャンペーンポスターでは、NEC、富士通、東芝、ソニー、バッファロー、アイ・オー・データ機器の6社のバージョンを用意し、林先生の立て看板も店頭展示します。

 さらに、同じく11月6日から公開されるキャンペーン専用サイト(pc-imadesyo.jp)では、林先生がレッスンを行なう動画「カンタンパソコンレッスン」のほか、「林先生の新チャレンジ」として、量販店の店員になった「林販売員」が、実際に最新PCや周辺機器をお客様に勧めていただくことになります。このビデオを撮影した際には、林先生に、8色の法被を着てもらったのですが、これはWDLCのロゴに使っているカラーなんですよ。現代文を担当する林先生ならではの分かりやすく、説得力のある説明を聞くと、買い換えたくなりますよ(笑)。

小さなのぼりも用意される
林先生の立て看板。店頭に設置される

 実は、このキャンペーンには、WDLCが本気で取り組んでいることが伝わるような、新たな施策があるのです。

--それは何ですか。

トレーニングを終了したスタッフが着用できる「相談するなら今でしょ!」バッジ

香山 今回のキャンペーン実施にあわせて、WDLCでは、全国の量販店スタッフを対象にした「今でしょ!トレーニング」を実施しています。全国5,000人を対象に実施するもので、トレーニングを終了したスタッフは、「相談するなら今でしょ!」のバッジを付けることができます。もし、Windows XPから最新PCへの乗り換えを検討しているのであれば、店頭で、このバッジを付けたスタッフに相談してもらえれば、適切なアドバイスが受けられます。

--これまでメーカーがスタッフ向けの教育を行なうということはありましたが、WDLCのような組織がこのような教育制度を展開するのは異例ですね。

香山 基本的な仕組みは、日本マイクロソフトが提供するWebトレーニング「エキスパートゾーン」を活用しているのですが、WDLCとしてここにしっかりと投資をして行こうというわけです。量販店のスタッフの方々には、1人あたり約2時間の講習を受けていただき、Windows XP搭載PCから、適切な移行提案ができるスキルを身につけてもらっています。11月6日時点で、約1,500人に対するトレーニングが完了しています。年末に向けて急ピッチで受講者を増やしていきたいと考えています。

 一方で、日本マイクロソフトでも、Windows XP搭載PCから最新PCへの買い替えの際に、5,000円相当の特典を提供するキャンペーンを家電量販店6社との連携で実施し、XPからの買い替え支援によって、市場を盛り上げていく考えです。

--年末商戦向けのキャンペーン内容と、春商戦向けのキャンペーン内容は異なるのですか。

香山 提案シナリオに関しては、8種類を用意しますが、年末商戦ではそのうち5本のシナリオを、順次、キャンペーンサイト上に公開していきます。また、残りの3本は、春商戦を捉えたシナリオとして、来年1月以降、新たに公開する予定です。さらに、リーフレットに関しても、春商戦向けに新たなものを用意します。これも年末商戦と同等規模の数量を配布していく予定です。リーフレットの内容については、今後、WDLCのマーケティング分科会で決定していくことになります。

--ここ数年、WDLCでは、Digital Youth Awardによる若者支援など、社会貢献を視野に入れた取り組みが目立っていました。商戦期において、こうした取り組みは久しぶりですが。

香山 2011年夏の地デジへの完全移行にあわせた「パソコンも地デジカ」キャンペーン以来のものとなります。今は、新たなOS、新たなデバイスが登場していますから、ぜひ一度、店舗に出向いて、それを体験していただきたいと思っています。触っていただくと、簡単な操作で、最新の技術を活用でき、ライフスタイルが変わることを実感していただけると思います。まずは、多くの方々にお店にきていただきたい。お店に来たけど、スマホやタブレットのコーナーだけを見て帰ってしまっていた方々にも、PC売り場に足を運んでいただきたい。PC売り場には、「相談するなら今でしょ!」のバッジを胸に付けた店員がいますから、気軽に相談してほしい。また、売り場にあるリーフレットを見て、どんな使い方ができるのかといったことを、シナリオ提案の中から感じてもらいたい。売り場に展示してある、WDLC推奨のお勧めPCを触ると、必ず欲しくなりますよ(笑)。

 ちなみに、デジタルユースの取り組みも中長期的な施策として、今後も継続的に実施していきます。

--今回のキャンペーンにおいて、どんな効果を期待していますか。

香山 最大の狙いは、PC売り場の活性化です。年末商戦、春商戦において、PC売り場を盛り上げたいと考えています。そして、600万台といわれるWindows XP搭載PCを、来年3月までに半分以下にし、日本で利用されているすべてのコンシューマPCに占めるXPの割合を、10%以下に持って行きたいと考えています。年末商戦および春商戦は、Windows陣営が市場を盛り上げる役割を担っていきたいですね。

(大河原 克行)