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GIGABYTEが示す次世代ゲーミングノートの形。Ryzen AI & RTX 50で加速

Ryzen AIが擁する3つのライン

 GIGABYTEは9日、ノートPCとモニター新製品の発表会を都内で開催した。この日発表された製品はノートPC 3機種と有機ELモニター2機種。発表会では特にノートPCに採用しているCPUとGPUについて、それぞれAMDとNVIDIAから説明があった。

 本記事ではAMDとNVIDIAのセッション内容についてもお伝えする。モニター製品やノートPCについてはすでに詳報を掲載しているので参照されたい。

Ryzenのラインナップをおさらい

 今回発表されたノートPCに採用しているRyzen/Ryzen AIについては、日本AMD代表取締役副社長兼アジアパシフィッククライアントPCビジネス開発ディレクターの関路子氏が説明した。

 ここではRyzen AIシリーズが擁する3つのライン、「Halo」、「Premium」、「Advanced」を紹介し、とりわけ「GIGABYTE AERO X16」にはPremiumに属するRyzen AI 9 HX 370もしくはRyzen AI 7 350を搭載している点に言及。「ゲーミング」と「AI」はAMDとして注力している分野でもあり、両者の親和性の高さから、アプリやサービスで今後出てくるであろう新しい体験に期待を寄せた。

 またAI PCについては今後伸びていく分野であるとの認識を表明している。2027年までに市場PCの約60%がAI PCになっていくというIDCの予想を引用したうえで、プラットフォームとして低価格帯から高価格帯までを網羅し、AMDの目標としては70%以上を目指すつもりで開発を進めていきたいとの考えを明らかにした。

 このほかRyzen AI 7 350を用いてクリエイティブアプリやベンチマークで他社製品と比較した際の性能や、Procyon AIによるNPU性能の比較も提示。高性能と省電力を両立している点もアピールした。

日本AMD代表取締役副社長兼アジアパシフィッククライアントPCビジネス開発ディレクターの関路子氏
Ryzen AI 300シリーズは第2四半期に企業向けの「PRO」が発売する
Ryzen AI 200シリーズの性能

GeForce RTX 50 Laptopシリーズの特徴

 NVIDIAのセッションではテクニカルマーケティングマネージャーの澤井理紀氏が登壇し、GeForce RTX 50 Laptopシリーズについて、Blackwellアーキテクチャの特徴や主要な機能を紹介した。

 とりわけDLSS4については「Blackwellアーキテクチャの中でも最も優れた機能」と位置づけて紹介しており、マルチフレーム生成によるレンダリング負荷の低減とフレームレートの向上をメリットとして挙げている。

 また、Transformerによる超解像とレイトレーシングの再構成についても言及し、より精細なディテール表現や濡れた床面に映り込む窓辺からの光線表現を、実際のゲーム画面で比較しながら解説した。

 ゲーミングに関連する処理にAIを利用する主な試みではこのほか、シェーダーの中にAI処理を取り入れることで、テクスチャのクオリティを落とさずに高い圧縮をかけたり、ライティングの演算をAIが行なうことで高い品質を実現する「ニューラルシェーダー」を紹介した。

 動画編集に関連したBlackwellのアップデートとしては、新たに4:2:2カラーサンプリングのエンコード/デコードに対応し、処理時間の短縮を図った点に言及。電力効率関連では、負荷状況に応じて周波数のスイッチングやスリープ状態への移行の高速化する最適化技術「Max-Q」を紹介した。

NVIDIAのテクニカルマーケティングマネージャーの澤井理紀氏
Blackwellアーキテクチャの各種機能
DLSS4ではほとんどのマルチフレームをAIが生成している
AIを用いた超解像とレイトレーシング再構成
ディテールの向上が確認できる
水面に映り込む光がより明るく、はっきりと描写される
シェーダー処理にAIを利用する試み「ニューラルシェーダー」
動画では4:2:2フォーマットに対応
過去製品との比較