東芝と富士通、HDD事業の譲渡で最終契約を締結
~新会社は東芝ストレージデバイス株式会社

4月30日 発表



 株式会社東芝富士通株式会社は4月30日、両社が2月17日に基本合意していたHDD事業の譲渡について最終契約を締結したと発表した。今後、7月1日を目処に譲渡の完了を目指す。

 東芝は、富士通のHDD事業を継承する新会社の東芝ストレージデバイス株式会社(TSDC)を設立。東芝は7月1日を目標に、80.1%の株式を富士通から取得する。2010年末までに残りの19.9%も取得し、東芝ストレージデバイスは東芝の100%子会社となる予定。譲渡の総額は約300億円で、新会社が継承する純負債の約60億円を控除した金額。

 富士通の国内拠点の山形富士通のHDD事業部門は、社名を東芝ストレージデバイス山形株式会社に変更。フィリピン、タイの海外製造拠点も同様に、Toshiba Storage Device (Philippines)「東芝ストレージデバイス・フィリピン」、Toshiba Storage Device (Thailand)「東芝ストレージデバイス・タイ」に変更。この3社が東芝ストレージデバイスの100%子会社となる。

 この事業譲渡に伴い、富士通グループから国内約800名、海外約7,000名が東芝グループへ移転を予定している。

 事業内容は、東芝ストレージデバイスがHDDの設計/開発/生産技術/品質保証等、東芝ストレージデバイス山形がHDDの試作/品質保証等、東芝ストレージデバイス・フィリピンがエンタープライズ向けHDDの製造/修理等、東芝ストレージデバイス・タイが2.5インチHDDの製造等となる。

 今回の事業譲渡により、東芝は新たにエンタープライズ向け製品を手に入れる。同社はNANDフラッシュメモリの大手でもあり、富士通のエンタープライズHDD事業の技術をノウハウを活用して、サーバー向けの高性能SSD事業にも参入するとしている。

 また同日、昭和電工株式会社への富士通HDメディア事業の譲渡についても正式契約を締結したと発表した。富士通が新会社を設立し、山形富士通のHDメディア事業を継承させた上で、昭和電工に全株式を譲渡する。新会社名は昭和電工HD山形株式会社となる予定。

(2009年 4月 30日)

[Reported by 山田 幸治]