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地球観測データをもっと身近に。MicrosoftとNASAが「Earth Copilot」を開発

 MicrosoftとNASAは14日、地球に関する膨大な観測データを活用できる新たなツール「Earth Copilot」を発表した。現時点では、主にNASAの科学者や研究者が機能の調査やテストに利用できるが、将来的にはより多くのユーザーがアクセスできる展開が期待される。

 NASAは100PBを超えるさまざまなデータを収集しているが、膨大な観測データの処理は困難で、ある程度技術的専門知識が必要であり、データにアクセスできるのは限られた数の研究者や科学者だけだったため、活用も課題だった。

 そこでMicrosoftとNASAは、AI技術でデータを解析し、自然言語での質問に答えられるEarth Copilotを開発。ユーザーはクラウドの「Azure OpenAI Service」を介して強力なAIモデルと自然言語処理機能にアクセスでき、アプリに会話型AIを統合できる。NASAはこれを利用して、既存のデータ分析プラットフォームである「VEDA」に統合する。

 これにより、エンドユーザーは地球化学データの検索、発見、分析をより簡単に行なえるようになる。たとえば「ハリケーン“イアン”はサニベル島にどのような影響を与えたか」、「COVID-19は米国の空気の質にどのような影響を与えたか」といった問いに対し、関連するデータセットを迅速に取得できるようになる。

 Earth Copilotは、気象学者、農業専門家、教育者などにとって多岐に渡る活用が期待される。膨大なデータと洞察の可能性のギャップを埋めることが期待される。