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味の素らがウェアラブルな「電気調味料」開発。電気刺激で塩味を増強

"電気調味料"デバイスのコンセプト

 味の素東京大学お茶の水女子大学は10日、電気刺激によって味覚をコントロールする「電気調味料」を開発したと発表した。世界初としている。

 人々の塩分摂取量を抑えることを目的として、下顎前部と首後部への微弱な電気刺激によって、主に塩味の増強効果が得られるウェアラブルデバイス。10日の技術発表時点では、首もしくは耳に掛けて使用するコンセプトを考案している。味の素と東京大学大学院情報学環 暦本純一研究室 中村裕美特任准教授、お茶の水女子大学SDGs推進研究所 笠松千夏特任教授による共同研究の成果。

 濃度0.3%および0.6%の食塩水を用いた実験では、経皮電気刺激の有無で塩味の増強効果を検証。どちらの食塩水も塩味が強まることを実証した。また別の実験として、液体、固体、和洋中など各ジャンルの減塩食品6種について経皮電気刺激の影響を検証した結果でも同様に塩味の増強が確認できたとしている。このとき、食品によっては塩味だけでなくうま味や酸味も強まり、かつ風味が変化することが実証できたという。

 国内において電気刺激によって食品の味を増強する方向性の研究は、2022年にキリンと明治大学が箸型デバイスで塩味を増強する効果を確認したと発表したことが知られている。この研究は2024年5月に食器型デバイス「エレキソルトスプーン」として製品化した。

 味の素によれば、食器型デバイスによる電気刺激では食器が口に接触している間だけ味の増強効果が得られる一方、経皮電気刺激デバイスの場合は、咀嚼/嚥下の間も味の増強効果が得られるとしている。

 電気調味料ウェアラブルデバイスについてはコンセプトの段階であるが、今後はデバイスの仕様を検討し、デバイスを活用した新たなサービスを開発するという。