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倉庫でパーツを探すことから始まった、マウスの親子パソコン組み立て教室
2024年7月29日 11:33
マウスコンピューターは、2024年7月28日、長野県飯山市の同社飯山工場において、親子パソコン組み立て教室を開催した。
毎年、小学校6年生を対象に実施しているもので、今年で12回目となる。昨年(2023年)は、コロナ禍を経て4年ぶりの開催。今年はそれに続いての開催となった。
組み立てるPCは、参加者が自由に選択でき、通常のPC価格の3割引で参加できる。完成したPCはその日に持ち帰ることが可能だ。国内生産を行なうマウスコンピューターならではの企画だといえる。
午前と午後にそれぞれ30組の親子が参加する2部構成で実施。午前の部は午前9時から、午後の部は午後2時からスタートした。合計60組の親子の参加者は、長野県内だけでなく、四国や関西、東海、北陸、関東にも広がっており、デスクトップPCを選択した参加者が29組、そのうち7組が水冷PCの組み立てに挑戦した。ノートPCを組み立てた参加者は31組となった。
開校式で挨拶したマウスコンピューターの軣秀樹社長は、「子どもの頃から、PCに触ってもらいたい、自分で作ってもらいたいという思いから、2010年に組み立て教室を開催をスタートした。また、この体験をさらに広げたいという思いから、2021年にはキッザニア甲子園、2024年6月には、キッザニア東京で組み立て教室のパビリオンをオープンしている。
私は、子どものころからモノ作りが好きで、中学生の時にはラジオを作った。モノ作りができる会社に働けたらと思い、この業界に入った。中国などの海外生産が進展するが、私は日本でのモノづくりを盛り上げたいという思いがある。マウスコンピューターは日本でのモノづくりにこだわっていく。今日、組み立てたPCを勉強やプログラミング、ゲームなどに活用してもらいたい。PCの組み立てを楽しんでほしい」と語った。
来賓として挨拶した飯山市の伊東ゆかり副市長は、「今日の参加者は、自分だけのPCを自分だけの力で組み立てる体験を楽しんでもらい、家族との楽しい思い出を作ってもらいたい。そして、自分で組み立てたPCを、長い間、使ってもらいたい」と述べた。
また、今回の親子パソコン組み立て教室の校長を務めたマウスコンピューターの高橋和樹氏は、「今日の参加者は、先生となる飯山工場の社員が、抽選で引き当てて組み立ての支援を担当することなる。赤い糸で出会った先生である。一緒になってPCを組み立ててほしい。夏休み最高の思い出を作ってほしい」とし、「みんなで作ろう、パソコンマウス」と、この日のメッセージをポーズ入りで紹介し、会場を盛り上げた。
パーツピッキングから始まるPC組み立て
組み立てを開始する前に、参加者は2チームに分かれて、「パーツピッキング」の作業と、「パーツ説明」を受講した。
パーツピッキングでは、参加者ごとに用意された「部品を探せ! 」の地図をもとに、組み立てるのに必要な部品を倉庫からピックアップした。部品を入れる箱を押しながら、倉庫内にある部品を探し、自分が組み立てるPCのための部品を探すというイベントになっていた。
また、パーツ説明では、これから組み立てるPCに搭載する部品の役割などを丁寧に説明。部品の取り扱い方や持ち方などについても説明し、組み立てする際にやってはいけないこと、組み立ての際のヒントについても伝授した。
さらに、組み立て教室が開始される前には、「親子でトライアル」として、親子が協力して、PCの組み立ての際に難しい作業などを練習。CPUをマザーボードに装着したり、Wi-Fiカードにケーブルを接続したりといった困難な作業を体験。その様子をマウスコンピューターの社員が審査して、「飯山賞」、「工場長賞」、「熱心に取り組んでいたで賞」、「整理整頓できていたで賞」、「親子で協力していたで賞」の5つの賞で表彰した。
組み立て教室の午後の部は、午後3時30分頃からスタートした。
今回の取材では、千葉県から参加し、NEXTGEARの水冷PCを組み立てた親子の協力を得て、組み立ての様子を追った。
写真で組み立ての様子を見てみよう。
NEXTGEARではAMDを生かしたコスパと商品力の強化を目指す
なお、今回の親子パソコン組み立て教室に参加したマウスコンピューターの軣秀樹社長がメディアの取材に応じた。2024年6月20日に社長に就任後、初めての機会となった。
軣社長は、「創業者の高島勇二は、自分が好きなPCを作り、世の中に出したいという思いで創業した。それを前社長の小松永門は、インテルでの営業経験をもとに、販売を伸ばし、企業を成長させた。私は、モノづくりをしてきた経験がある。私の役割は、新たなもの作り出し、モノづくりをしっかりと考えることである」と語った。
モノづくりに関しては、「国内生産にこだわっていることで、高い品質を維持するとともに、日本のお客様が何を求めているのかを聞き、製品開発に取り入れ、要望に応えられる製品投入が可能になる。従業員1人1人がそうした思いを持ってモノづくりができる」とコメント。
「品質の高さは継続して追求していくが、まだまだ製品力が足りていないという反省がある。お客様がどんな使い方しているのかといったことを、もっと知る必要がある。NEXTGEARでは、SNSで意見を募集した例もある。ゲーミングPCも、製品の魅力に加えて、それに付随するサービスを提供するなど、使い方に応じた製品をつくりたい。私自身、開発を担当していた経緯があり、新たなものに挑戦するという意思を常に持ってきた。新たな技術を取り入れながら、製品化したい」と語った。
2023年7月にスタートしたNEXTGEARブランドのPCは、発売以来、急成長していることも強調。「部品価格が高騰し、PCの価格が上昇しているが、AMDのCPUを積極的に活用していること、コストパフォーマンスの高さが評価されている。ここでも、購入者などの声を聞いて、次の製品に反映させたい」とした。
軣社長自身、趣味でPCを自作で組み立てたり、モニターやPCを分解したり、自分で修理したりといったことを行なってきたという。「最近はPCを組み立てていないが、ハンダづけは大好きな作業。これからもこうした作業はやり続けたい」と笑う。
開発部門や品質部門を率いていた際には、組み立て方法についても自ら提案していたという。
親子パソコン組み立て教室の様子を見て、「自分が参加したい」と語りつつも、「最近のPCは細かいので、難しいそうだ。今日は、社員からは口を出さないように言われている」と、少し寂しげに語っていた。