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NTT、スマホを回すだけで“器用さ”が分かる技術

 日本電信電話株式会社(NTT)は、定量化が難しいとされる手足の「器用さ」について、その重要な側面である運動のばらつきに注目し、短時間スマートフォンを一定の動きでぐるぐる回すだけで、特殊器具を用いることなく簡単に「見える化」する技術を開発した。

 人間はロボットとは異なり、どんなに上達した動きでも「ばらつき」が生じる。本研究では、人の「思った通りに動かせる」能力と関係する「動きのばらつき」をより簡単に計測する方法について検討を進めてきた。

 しかし、これまでの計測手法は特殊な器具を使用するため、専門家や研究者の使用に限定され、手軽な評価が困難だった。また、足についても片足のバランス計測手法が用いられてきたが、全身の感覚情報処理の機能も含むため、足自体を動かす器用さの計測として不十分だったという。

 そこで研究では、比較的速い速度で繰り返し円運動をする際の「動きのばらつき」に注目。測定を受ける人がスマートフォンを手に持つ、あるいは足に装着し、15秒間ぐるぐる繰り返し回す運動をした際の加速度軌道のばらつき量を定量化するアルゴリズムを開発した。

手足の繰り返し運動のばらつき度から器用さの度合いを見える化

 今後は実験参加者を増やし信頼性の高い知見を得るとともに、競技などによる手足の器用さ度合いの違いなどを明らかにしていく。また、容易な可視化を生かし、スポーツジムや部活動、リハビリ施設などにおいて、個人の器用さのモニタリングや評価に活用されることに期待される。

今回の研究で得られた知見の1つ。幼児からの年齢増加とともにばらつき度が減り一定となるが、加齢で再び上昇する
左利きの矯正トレーニングで、左右のばらつき度が減るが、矯正後も左のばらつき度が悪化しない。また、左手利きの人は足の左右のばらつき度が少ない