ニュース

声だけをクリアに届ける独自のノイズリダクションを備えたWeb会議向けイヤフォン

 NTTソノリティ株式会社は、コンシューマー音響ブランドの「nwm(ヌーム)」より、独自のノイズリダクション機能を備えたブランド初のカナル型イヤフォン「nwm Voice Buds」を発表した。

 クラウドファンディングサイトのGREEN FUNDINGを通じて、3月1日より出資を募る。割引率が最も高いクラウドファンディング価格は9,790円(50%オフ、2台セット)。一般発売日や価格は未定。

nwm Voice Buds

 nwm Voice Budsは、音が2つのマイクに到達する時間差を利用して音響空間を認識し、周囲の雑音を除去して必要な声だけを届ける独自のノイズリダクション技術「Magic Focus Voice」を搭載した、Web会議に好適なUSB Type-C接続の有線イヤフォン。

 Magic Focus Voice技術では、音響空間を認識して話者を特定する「ビームフォーミング」と音声を抽出してノイズを除去する「スペクトルフィルター」の2つをハイブリッド処理することで、必要な声だけをクリアに取り出すことを実現している。

Magic Focus Voice技術について

 マイクには収音モードとして、120度の範囲で収音し、よりクリアな音質で会話できる「指向性モード」と、360度の範囲で収音し、指向性モードよりノイズ抑制は控えめだが、体の向きの変化にも対応して音声を届けることができる「全指向性モード」の2種類を備える。収音モードは手動で切り替えできる。

収音モードについて

 コード部分には音量調節ボタンのほか、収音モードの切り替えボタンおよび現在のモードが確認できるLEDインジケータを備える。9mmダイナミックドライバーを搭載し、再生周波数帯域が20Hz~20,000Hz。ケーブル長は1m(付属USBケーブル含む)、重量は約12g(ケーブル含まず)。

ヘッド部分
コード部分
マイク部分
モードはLEDの色によって確認できる(青:指向性モード、白:全指向性モード、緑:音楽鑑賞時)

コンセプトは「集中してWeb会議を行うためのイヤフォン」

 同社はnwm Voice Budsの報道者向け体験会を実施。体験会では、同社 nwm Voice Buds プロダクトマネージャーの長谷川潤氏や、NTT都市開発株式会社 商業事業部 営業開発担当部長 オペレーショナルアセット担当部長の金子昌徳氏が登壇した。

NTTソノリティ株式会社 nwm Voice Buds プロダクトマネージャー 長谷川潤氏

 製品説明を担当した長谷川氏は、nwm Voice Budsについて、仕事中のWeb会議に集中できる製品を目指して開発したと述べており、従来のオープンイヤー型よりも集中できそうなカナル型に変更したほか、接続トラブルが起きにくく充電が不要な有線をあえて選択したという。

 nwm Voice Budsは、これまでほとんど存在しなかったノイズリダクション機能を備えた有線イヤフォンであり、一般的な完全ワイヤレスイヤフォンで起きがちなノイズとともに声も除去されてしまうことがなく、一般的な有線イヤフォンよりもノイズを抑制できるため、発話時に人間の声をよりクリアかつ自然に届けることができると同氏は語った。

完全ワイヤレスイヤフォンなどとの比較

 長谷川氏によると、今回のクラウドファンディングは、カナル型が仕事での集中に向いているという仮説の検証を1つの目的としているという。ユーザーからのフィードバックによっては、従来モデルのようなオープンイヤー型にMagic Focus Voice技術を搭載したモデルを発売するかもしれないと同氏はほのめかした。

NTT都市開発株式会社 商業事業部 営業開発担当部長 オペレーショナルアセット担当部長 金子昌徳氏

 シェアスペース事業「LIFORK」の立ち上げ責任者である金子氏は、「働く場所と音」をテーマに、シェアオフィスをはじめとする働く場所に関する最近の傾向や、nwm Voice Budsのポイントについて語った。

 金子氏は、コロナ禍を経てシェアオフィス市場が拡大したことや、多くの企業がWeb会議ツールの導入を行なっていることを紹介した。こうした傾向の中で発生している、Web会議中のさまざまな音の悩みを、nwm Voice Budsが解決してくれるだろうと同氏は述べている。

 nwm Voice Budsの使用感については、シェアオフィスでのWeb会議時に周囲が騒がしくても聞き返すことがなくなったと述べたほか、装着感も良く音楽鑑賞にも好適だと語った。なお、都内4カ所のLIFORKでは、3月中旬よりnwm Voice Budsの体験ができるようになるという。

 体験会ではこのほか、nwm Voice Budsの展示やデモも実施された。デモでは、Magic Focus Voiceによる雑音の除去レベルを波形を用いて視覚的に理解できる展示が行なわれた。

Magic Focus Voiceのオン(左)とオフ(右)での雑音の除去を波形で表現したデモ。左の方がノイズをより除去しており、音声を鮮明に録音できていることが理解できた