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Core Ultra搭載で10.95型に大型化した「ONEXPLAYER X1」。ゲームも仕事もこれ1台

ONEXPLAYER X1

 株式会社テックワンは、Core Ultraを搭載し、液晶が従来の8.4型から10.95型に大型化したポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER X1」を3月末に発売する。CPUやメモリ/ストレージの違いで4モデル用意され、価格(カッコ内は予約価格)は以下の通り。

  • Core Ultra 5 125H/メモリ16GB/1TB SSD:16万8,000円(15万1,200円)
  • Core Ultra 7 155H/メモリ32GB/1TB SSD:20万8,000円(18万7,200円)
  • Core Ultra 7 155H/メモリ32GB/2TB SSD:21万8,000円(19万6,200円)
  • Core Ultra 7 155H/メモリ64GB/4TB SSD:26万8,000円(24万1,200円)

 なお、ONEXPLAYER X1からはコントローラもオプションとなり、単体価格は1万800円。着脱式キーボードも1万800円。コントローラを無線で使うためのアダプタは7,800円、専用保護フィルムは1,500円、専用ケースは3,300円。ただし予約限定で、キーボード/コントローラ/液晶保護フィルムの3点セットは9,680円で用意される。

ONEXPLAYER X1の解説を行なう、テックワン代表取締役の山田拓郎氏
ONEXPLAYER X1の価格一覧
コントローラやキーボードの特別価格セットも予約限定で販売
ラップトップ、タブレット、ゲーミングPCの3in1になるONEXPLAYER X1

 CPUにIntel最新アーキテクチャのCore Ultraを採用し、性能を向上させるとともに、新たにNPUも内蔵し、AIへの対応を謳う。GPUのEUは128基となり、最大クロックも2.25GHzへと向上させたことで、ディスクリートGPU並みの性能を実現したという。

 また、液晶は解像度こそ従来と同じ2,560×1,600ドットだが、サイズが従来の8.4型から10.95型(約11型)へと大型化し、リフレッシュレートも120Hzとなったことでゲームの快適性をさらに向上させた。キックスタンドはマグネットで着脱式のものとなり、本体背面カバーを兼ねるようになった。

 その一方でフレームは1kg超のアルミブロックからの削り出しを採用し、65.2Whという大容量バッテリを搭載しながら、本体のみの重量を約789gに抑えた。オフィス利用で約8時間、ビデオ再生で約11時間、ゲームプレイで約2時間駆動できるという。

メモリ最大64GB、ストレージ最大4TBまで選択可能
789gの軽量性
1つの大きなアルミブロックからの削り出しで作成されるフレーム
キックスタンドはカバーとなった
大容量バッテリの搭載
大容量バッテリにより、ゲームプレイ可能時間も長くなっている
冷却機構もこだわった
連続1時間プレイ時の筐体温度

 大型化に伴いスピーカーは本体側面へ移動し、Harman AudioEFXによるオーディオのチューニングと合わせて立体感が増したという。

 コントローラは従来の「ONEXPLAYER 2」シリーズと同様に着脱式だが、新たにカスタム可能なボタンを2基搭載。なお、本体の縦幅より小さく設計されているが、側面にあるUSB4/USB Type-Aポート、microSDカードスロットなどはそのままアクセスできるとのこと。また、コントローラを無線で使うためのアダプタも別売りで用意される。

ONEXPLAYER X1実機
別売りのキーボード

 ソフトウェア「ONEXCONSOLE」も進化し、CPUの消費電力調整やファンの回転数、フレームレートの取得のほか、ゲームライブラリ、クラウドゲームセーブ(無料で利用できるオムニチャネル)などの機能も実装された。

 インターフェイスとしては新たにOCuLinkを搭載し、最大63Gbpsの転送に対応。別売りの外付けGPUボックス「ONEXGPU」と組み合わせることでより高いグラフィックス性能を達成できるとしている。このほか、前面カメラによる顔認証と指紋センサーでWindows Helloをサポートするなど、3in1としての利便性を高めた。

 このほかインターフェイスはWi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、3.5mm音声入出力などを搭載。本体サイズは約252×163×13mm、重量は約789g。

Harman AudioEFXの搭載や、スピーカーの特徴
OCuLinkを搭載
OCuLinkではUSB4(Thunderbolt 4)接続時よりも性能が高い
コントローラの十字キーは8方向パッドと切り替えて使用できる
ONEXPLAYER X1の実機
本体上部
本体左側面
本体右側面

苦難の2023年を乗り越えて生まれたONEXPLAYER X1

Jack Wang氏

 1月30日に都内で開かれた製品発表会では、One-Netbookの創業者/CEOであるJack Wang氏が挨拶。「振り返れば、2023年はチップ供給不足により品不足が続く苦難の年だった。その年に、ドイツのgamescon、日本のTOKYO GAME SHOWといった大きなイベントで露出を増やしたほか、中国や米国などでもオフラインイベントを多数開催し、ブランド認知度向上を継続して図ってきた。

 ONEXPLAYER X1が2024年の第1弾製品になるが、こうした苦難を乗り越えた先に美しく咲く花のような製品だと認識しており、3in1としての価値を最大化する設計理念を実現したものである。開発にあたって、ディスプレイを大型化やバッテリ容量増加を実現しつつ重量の増加を抑える方法や、ディスプレイサイズより小さいコントローラをどうするのかといったバランスの調整に苦心したが、それだけ誠意のある製品だ」と語った。

2023年に投入した製品
さまざまなオフラインイベントへの参加

 発表会には、インテル株式会社 マーケティング本部 本部長の上野晶子氏もゲストとして登壇し、新製品の発表を祝うとともに、それに搭載されているCore Ultraの特徴について解説。

 具体的に、Foveros技術を採用し、ベースタイルの上に4つのタイルが乗っている新しい構造のプロセッサである点や、ローパワーEコアの実装による省電力性、そしてIntel Arcの搭載による従来製品からのGPU性能の大幅な引き上げにより、多くのゲームタイトルが快適に動作するスペックを持つことなどについて解説がなされた。上野氏によれば、「引き続き安定したCPUの供給で、多くのユーザーがゲームを楽しめる環境を提供したい」とのことだった。

上野晶子氏
Core Ultraの特徴
Core UltraはFoverosを採用しており、チップ間を高速/低消費電力で接続
ローパワーEコアの搭載により、アイドル時の消費電力を大きく低減
Intel Arcグラフィックスを搭載
従来のIntel Xe LPと比較して2倍の性能を実現

 発表会ではONEXPLAYERシリーズは2023年はAMDモデルを多く出していたのに対し、2024年の第1弾がIntelになった理由について尋ねられ、Wang氏は「我々はIntelとのパートナーシップも緊密に行なっているほか、製品開発サイクルも短い。今回の事前のテストで、IntelのCPUはいくつかの項目でAMDを超えるスコアを実現できているほか、AIへの対応や新しいチップの設計など、興味深い点も多かったため採用した」と答えた。