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iOS/iPadOS 17.3提供開始。iPhone盗難時のデバイス保護機能を強化

 Appleは22日(米国時間)、「iOS 17.3」および「iPadOS 17.3」を提供開始した。

iOS 17.3

 iOS 17.3では、追加のセキュリティ機能として「盗難デバイスの保護」機能を追加。特定の操作を実行するさいに、パスコードではなくFace IDまたはTouch IDを要求し、セキュリティの向上を図る。また、Apple IDのパスワード変更など機密性の高い操作を行なう際に、生体認証や1時間の待機時間を求めるセキュリティ遅延機能も加わった。

 さらに、Apple Musicのプレイリストの共同編集機能や、自分のApple IDでサインインしているすべてのデバイスのAppleCare保証情報を確認できる機能なども新たに実装された。本アップデートでの変更点は以下の通り。

盗難デバイスの保護

  • “盗難デバイスの保護”で、特定の操作を実行するときにパスコードを使用せずにFace IDまたはTouch IDを要求することで、iPhoneとApple IDのセキュリティを強化
  • セキュリティ遅延機能により、デバイスのパスコードやApple IDのパスワードの変更などの機密性の高い操作を実行する前に、Face IDまたはTouch ID、1時間の待機時間、さらに生体認証の合致を要求

ロック画面

  • 黒人歴史月間を記念して黒人の歴史と文化をたたえる新しいユニティの壁紙

ミュージック

  • 自分のプレイリストへの参加を友達に依頼して、全員が曲の追加、並べ替え、削除を共同作業で行うことが可能
  • 共同作業のプレイリストで、トラックに絵文字のリアクションを追加可能

その他

  • AirPlayのホテルでの対応により、特定のホテルの客室でテレビにコンテンツを直接ストリーミング可能
  • “設定”の“AppleCareと保証”に、自分のApple IDでサインインしているすべてのデバイスの保証範囲を表示
  • 衝突事故検出の最適化(iPhone 14およびiPhone 15のすべての機種)

iPadOS 17.3

 iPadOS 17.3は、iOS 17.3とおおむね共通のアップデートとなっており、Apple Musicのプレイリストの共同編集機能やAppleCare保証情報を確認できる機能を追加したほか、特定のホテルにおいてAirPlayを通じてコンテンツをストリーミングできるようになった。本アップデートでの変更点は以下の通り。

ロック画面

  • 黒人歴史月間を記念して黒人の歴史と文化をたたえる新しいユニティの壁紙

ミュージック

  • 自分のプレイリストへの参加を友達に依頼して、曲の追加、並べ替え、削除を共同作業で行うことが可能
  • 共同作業のプレイリストで、トラックに絵文字のリアクションを追加可能

その他

  • AirPlayのホテルでの対応により、特定のホテルの客室でテレビにコンテンツを直接ストリーミング可能
  • “設定”の“AppleCareと保証”に、自分のApple IDでサインインしているすべてのデバイスの保証範囲を表示

 また、iOS 17.3およびiPadOS 17.3では、細工されたWebコンテンツを処理するさいに任意のコードを実行できる脆弱性(CVE-2024-23222、CVE-2024-23214)、カーネル権限で任意のコードを実行できる脆弱性(CVE-2024-23208)など、多数のセキュリティ修正も実施している。なお、CVE-2024-23222はすでに悪用が確認されているという。

iOS/iPad OS 16や15向けのセキュリティパッチも提供開始

 そのほか、旧バージョン向けのセキュリティパッチとして、「iOS/iPad OS 16.7.5」、「iOS/iPad OS 15.8.1」の提供も開始された。

 iOS/iPad OS 16.7.5では、上述のCVE-2024-23222に加え、アプリがユーザーの機微なデータにアクセスできるアクセシビリティの脆弱性(CVE-2023-42937)や、カーネル権限で任意のコードが実行できるApple Neural Engineの脆弱性(CVE-2024-23212)など多数のセキュリティ不具合を修正。

 一方、iOS/iPad OS 15.8.1では、WebKitにおいて、Webコンテンツを処理する際に情報が漏洩する脆弱性(CVE-2023-42916)および任意コードを実行できる脆弱性(CVE-2023-42917)の2件を修正している。