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スマホの修理台数は増加傾向、ライフサイクル長期化など影響。MM総研調べ

スマートフォン修理市場規模(出典:MM総研)

 株式会社MM総研は、2022年度のスマートフォン修理市場に関する調査結果を発表した。これによると、2022年度のスマートフォン修理台数は前年度比1.8%増の353.1万台となった。伸び悩む新品市場に対し、修理市場は今後も拡大が続くものと予測している。

 このうち、修理拠点としての申し込み経路を大きく3分類すると、キャリアが112.9万台(32%)、メーカーの店舗・Webサイトやサービスプロバイダなどが156.6万台(44.3%)、第三者の修理事業者およびその他が83.6万台(23.7%)となった。

 このうちメーカー店舗については、Apple StoreおよびApple認定の正規サービスプロバイダ店舗が大部分を占めたという。国内スマートフォン市場では約半数がiPhoneだが、即日修理についてはキャリアが一部店舗に限られるため、メーカー関連店舗が多く選択されているものとみている。

 修理できる場所としての認知状況を聞いたところ、キャリアが70.5%と最も高く、次いで第三者修理事業者が65.2%、メーカーWebサイトが64.6%となった。Apple直営店が58.2%、正規サービスプロバイダが47.2%と比較的低い結果となったが、これはiPhoneとAndroidを問わず質問したためだとしている。修理場所の選択理由については、第三者修理事業者がほかと比べて特徴的で、1位が家や職場から近い、2位が修理にかかる時間が短い、3位がデータを消去しなくてすむといったものが挙がった。

修理場所別の認知度と選択した理由(出典:MM総研)

 修理内容については、最も多いのがバッテリで34.3%、次いでディスプレイが30.6%、電源・起動・動作不具合が26.8%、本体の外装が11.8などとなった。修理費については、0円が22.9%、1~4,999円が14.5%、5,000~9,999円が23.8%となり、4分の1弱が無償修理という結果となった。また、0円を含む平均修理金額は1万2,437円だった。

 同社では2023年度以降の修理台数について、2023年度が361.6万台、2024年度が384.3万台、2025年度が407.7万台と試算。スマートフォン製品自体が成熟し、故障の頻度が下がったことで、ライフサイクルが長期化しており、修理市場の規模は増加傾向にあると予測している。修理場所については、キャリアの比率が減少する一方で、Apple直営店や正規サービスプロバイダ、メーカー関連が増加するだろうと分析している。

 また、米国や欧州で議論が進む「修理する権利」についても言及。非認定企業やユーザー自身がメーカー正規部品を入手できるようになる可能性があり、技術的な課題はあるものの、修理市場が大きく変動するきっかけになるだろうとみている。