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安定稼働第一でユーザー支援を強化するバッファロー、2023年度法人向け事業戦略
2023年7月27日 06:05
株式会社バッファローは26日、法人向け事業戦略説明会を実施。これまでの事業実績とともに、2023年度の取り組みについて説明を行なった。
説明会では、同社の常務取締役である横井一紀氏や石丸正弥氏、事業本部 法人マーケティング部長である富山強氏が登壇。横井氏は、同社の営業体制や営業面での戦略、他企業とのコラボ事例などを紹介。同社はパートナー企業へのサポート強化を図っており、たとえば営業拠点は過去5年間で倍増し、現在は全国13カ所に展開する。フィールドエンジニアも東京と大阪から全国各地へ配置を広げている。
2012年に開始した販売支援プログラム「VARパートナープログラム」は、登録ユーザー数が約1万1,000人、登録事業者数が約4,200社と成長。加えて、2020年9月から開始した商品管理のための専用支援サイト「法人ポータル」の累計登録台数も約20.5万台に達している。
VARパートナープログラムにおいては、一昨年までは登録者数の拡大を目指していたが、直近1年は各パートナー企業のすべての部署と関わるように心掛けるなど、よりサポートに重きを置いているという。
同社は、他企業との連携も強化しており、たとえば積水化学工業とは見守りセンサーとの相互動作確認を実施し、リコージャパンとは同社のWi-Fiアクセスポイントを製造業向けソリューションに導入するなど、エリアや業種を問わずに全国で積極的に導入事例を増やしているという。
これらの取り組みにより、法人向け事業の売上高指数は2023年3月期は2018年3月期を基準に125と、右肩上がりで成長しているという。横井氏は、今後も全国のパートナー企業への支援を強化し、法人事業を確立していきたいと述べた。
石丸氏は、法人向けネットワーク製品に関する戦略を紹介した。同社は法人向け製品において、ユーザーが長く安心して使えることを第一とした「安定稼働」を念頭に開発しつつ、同時に不要なコストを抑えてユーザーの導入負荷の軽減を目指している。同社は安定稼働を実現するために、販売前、稼働中、稼働後のワンストップでのサポートを実施している。
販売前である開発中の事例では、学校で生徒が一斉に同じ動画を再生するといった、多台数接続下での接続遅延の短縮を目指したり、熱のこもる環境や冬場の屋外での使用も想定し、-25℃や50℃でも稼働するような製品を用意している。
製品稼働中においては、IT担当者の運用の負荷軽減に役立つ無料のリモート管理サービス「キキNavi」を提供している。同サービスは2023年3月時点で7,100社の法人に登録されているという。
稼働後では、長期保証や保守に対応した同社正規のデータ復旧サービスを6年前から開始しており、同サービスの累計受付件数は2023年3月時点で6万台を突破したという。
石丸氏は、法人向け製品に関してはユーザーが安心して楽に使えるようなサービス開発に力点を置いていると述べた。
富山氏は、同社新製品の法人向けWi-Fi 6アクセスポイント「WAPS-AX4」を紹介した。
富山氏はWAPS-AX4の開発経緯として、ほぼすべての中小企業がWi-Fiを導入しているものの、多くの企業が4~10年前の古いWi-Fi機器を利用しており、通信速度の遅さや電波の不安定さが課題となっているという背景から、通信の安定化や端末数の増加、セキュリティの強化を実現し、買い換えもしやすい製品として本製品が作られたと述べた。
また同氏は、SOHO向けのVPNルーター「VR-U500X」および「VR-U300W」をUTM機能対応にするオプションのライセンスパックを発表した。今年の冬に発売予定で、ライセンス価格は年間約1万円を予定しているという。
このほか説明会では、WAPS-AX4を含む中小企業のDXを支援する製品の実機展示も行なわれた。