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Samsung、Sペン付きで約5.7万円の“ちょうどいい”タブレット「Galaxy Tab S6 Lite」

サムスン電子のGalaxy Tab S6 Lite

 韓国サムスン電子の日本法人となるサムスン電子ジャパン株式会社(以下サムスン電子)は6月20日午前10時に報道発表を行ない、バリュー向けのタブレット製品となる「Galaxy Tab S6 Lite」を6月23日午前10時に発売することを明らかにした。価格は5万6,799円。

 サムスン電子は2022年に、ハイエンドSoCのSnapdragon 8 Gen 1を搭載したAndroidタブレットとして、12.4型「Galaxy Tab S8+」、14.6型「Galaxy Tab S8 Ultra」を発売しており、今回のGalaxy Tab S6 Liteはその廉価版という扱いの製品になる。SoCはSnapdragon 720G、10.4型のTFT液晶ディスプレイ(2,000×1,200ドット)を搭載し、同梱のSペンにも対応するスペックで、バリュー向けのタブレットとしては比較的ハイスペックな点が特徴となっている。

6万円以上のiPadと5万円以下の安価なAndroidタブレットの間を埋める製品に

バリュー向けのタブレットを表現する「全てがちょうどいい1台」(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)

 サムスン電子は、2022年に発売した12.4型のGalaxy Tab S8+、14.6型のGalaxy Tab S8 Ultraの2製品でタブレット市場に再参入を開始した。同社のタブレットと言えば、2010年にNTTドコモから発売された「Galaxy Tab(SC-01C)」が日本に導入された最初の製品で、その後もいくつかの製品がGalaxy Tabシリーズとして通信キャリアなどから投入されてきたが、日本市場ではMVNO向けの「Galaxy Tab A」シリーズなどの例外を除き、あまり大々的には展開されてこなかった。

 しかし、2022年にグローバルで発表されたハイエンドタブレット「Galaxy Tab S8シリーズ」から、Wi-Fi版のみではあるが、Galaxy Tab S8+とGalaxy Tab S8 Ultraが日本市場に投入され、Amazonや家電量販店などで取り扱いが開始された。

 Galaxy Tab S8シリーズは、いずれも価格が10万円を超えるようなハイエンド製品になっており、Snapdragon 8 Gen 1のようなハイエンドSoCや大型の有機ELパネルを採用するなど、高品質で高性能なタブレットとなっている。こうしたハイエンド市場は、現状ではAppleの「iPad Pro」、「iPad Air」をはじめとしたiPadシリーズが大きな市場シェアを持ち、ほぼ独占状態となっていたが、サムスン電子はGalaxy Tab S8シリーズでそこに参戦したことになる。

 それに対して、Androidタブレット製品の多くは5万円以下で、バリュー向けの市場をターゲットにしている。たとえば、Xiaomiの「Xiaomi Pad 5」(価格は4万7,800円)、OPPOの「OPPO Pad Air(3万7,600円)、NEC PCの「LAVIE Tab T10(PC-TAB10202)」(4万5,980円)など、手頃な価格で買えるAndroidタブレットという市場が確実に存在している。この市場にマッチするようなiPadはなく、こうした安価なタブレット市場はAndroidタブレットの独壇場となっている。

 その2つの市場の中間を埋めているのが、無印のiPadで、現行の「iPad(第10世代)」が6万8,800円~9万2,800円(Wi-Fiモデル)という価格設定になっている。これまで、その無印iPadに競合するようなAndroidタブレット製品はあまり多くなかった。

大画面、Sペン、Galaxyのユーザー体験という製品の3つの特徴(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)

 今回サムスン電子が発表したGalaxy Tab S6 Liteはその間を埋めて、無印のiPadに競合する製品になる。価格は5万6,799円と、iPad(第10世代)よりもやや安価に設定されており、かつペンは標準添付ということがお買い得感を高めている(無印iPadではペンは別売で1万4,880円)。

Snapdragon 720G搭載、Sペン同梱のGalaxy Tab S6 Lite

Galaxy Tab S6 Lite(左)と同時に発表されたSIMフリー版Galaxy S23 Ultra 1TB(右)

 Galaxy Tab S6 LiteのSoCはSnapdragon 720Gとなる。デュアルコアのCortex-A76と6コアのCortex-A55によるオクタコアCPUで、GPUはAdreno 618を搭載している。最新のSnapdragon 8 Gen 2などにはもちろん及ばないが、QualcommのSoCの中では比較的ハイエンドな7番台ということからも分かるように、発表当時にはそれなりの性能を持っていたSoCになる。発表から既に3年近く経過していることもあり、今はミッドレンジからバリュー向けという位置付けになる。

【表1】Galaxy Tab S6 Liteのスペック(サムスン電子の資料などから筆者作成)
Galaxy Tab S6 Lite
SoCSnapdragon 720G
メモリ4GB
ストレージ64GB
ディスプレイ10.4型TFT液晶(2,000×1,200ドット)
ペンSペン(同梱)
カメラ500万画素前面+800万画素背面
生体認証顔認証
無線機能Wi-Fi 5、Bluetooth 5
SIMカード-
バッテリ7,040mAh
カラーグレー
OSOneUI 5.1(Android 13)
サイズ約244.5×154.3×7mm
重量465g

 メインメモリは4GBで、ストレージは標準で64GBとなる。容量が足りない場合には、microSDカードを利用してストレージを増設することができる。ディスプレイは10.4型のTFT液晶パネルで、解像度は2,000×1,200ドットと10:6のアスペクト比になっており、一般的な16:9/フルHD(1,920×1,080ドット)に比べると縦も横も、16:10/WUXGA(1,920×1,200ドット)に比べると横方向が若干広くなっている。

 付属のペンはワコムEMR方式のペンで、重量も7.45gと軽量。充電の必要がないため、いつでもすぐに使えるのが特徴だ。なお、ディスプレイの上部にマグネットで吸着しておくこともできる。

Dolby Atmosに対応
Sペンの機能(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)
本体の背面
リアカメラ
AKGのスピーカーを内蔵
USB Type-Cポート部
3.5mmステレオミニジャックも装備
ボタン部
Sペンは本体にマグネットで吸着できる
microSDカードスロット

 OSはAndroid 13、サムスン電子独自のOneUIを利用しており、サムスン電子のスマートフォンのUIに慣れているユーザーであれば、違和感なく使えるだろう。また、サムスン独自のマルチウィンドウ機能も用意されており、最大3つの画面分割に対応。タスクバーに登録しておいたアプリを簡単に起動することもできる。

OSはOneUI(Android 13)
マルチタスクなどの機能に対応(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)

 また、AKGのスピーカーを内蔵しており、Dolby Atmosのソフトウェア拡張を活用して、タブレットとしては迫力のあるサウンドを楽しむことが可能だ。こうしたスペックを採用していながら、厚さ7mm、465gと軽量さを実現しているのも特徴と言える。

5万6,799円で6月23日に発売。純正ブックカバーがもらえるキャンペーンも

発売日と価格(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)

 サムスン電子によれば、Galaxy Tab S6 Liteは6月23日に発売で価格は56,799円(税込)。AmazonないしはSamsungオンラインショップでの販売となる。

 同時に純正オプションとして「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」も発売される。価格は9,240円。2段階で角度が調整できるブックカバーで、ペンを収納する場所も設けており、本体とペンを一緒に持ち運べる。カラーはブルー、ピンク、グレーの3色。

ブックカバー(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)
キャンペーン(出典:Galaxy Tab S6 Lite、サムスン電子ジャパン)
ブックカバー
カラーはブルー、ピンク、グレーの3色
ペンを収納できる
角度は2段階

 また、6月20日~6月30日までに購入したユーザーに、好きな色のブックカバーをプレゼントするキャンペーンを行なう予定。キャンペーンに応募すればもれなく純正ケースを入手できる。