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NVIDIA、ゲーム時約140WのミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti」

GeForce RTX 4060 Ti

 米NVIDIAは、Ada Lovelaceアーキテクチャを採用したミドルレンジ向けのGPU「GeForce RTX 4060 Ti」および「GeForce RTX 4060」を発表した。価格および発売日は、4060 Tiの8GBモデルが399ドル/5月24日、16GBモデルが499ドル/7月。4060の価格は未発表で発売は7月。

GeForce RTX 4060シリーズの概要

GeForce RTX 4060 Ti

 GeForce RTX 4060 Tiは最新のAda Lovelaceアーキテクチャを踏襲し、AIによるフレーム補間でゲーム性能を大幅に向上させるDLSS 3といった機能をミドルレンジにもたらすことで、特にDLSS 3対応最新タイトルにおいての性能を大幅に向上させた。

 なお、現時点ではDLSS 3によるフレーム補間を特徴としているAI機能だが、将来的にはほぼ同じ容量でもテクスチャの解像度を大幅に引き上げられる「Neural Textures」といった機能が利用可能になると予告した。

 Ada Lovelaceの特徴の1つでもある大容量L2キャッシュも採用。メモリはGDDR6で18Gbps転送でメモリバス幅が128bit、メモリ帯域幅は288GB/sと、従来のGeForce RTX 3060 Tiや2060 SUPERの448GB/sを下回るものの、L2キャッシュの大容量化によりキャッシュミスを低減し、554GB/sの実効帯域を達成できるという。

Ada Lovelaceアーキテクチャ
テクスチャを高精細にするNeural Textures
従来モデルとの比較
従来のアーキテクチャはL2キャッシュ容量が少なく、キャッシュミスした際にメモリへのアクセスが頻発していた
Ada LovelaceではL2キャッシュ容量を増やしたことでキャッシュミスを減らした
L2キャッシュ容量を2MBに制限した場合と比較するとメモリアクセス量を大幅に削減できるという

 主な仕様は、CUDAコア数が4,352基、RTコア数が34基、Tensorコア数が136基、ベースクロックが2,310MHz、Boostクロックが2,535MHz。各部の演算性能は、シェーダー部が22TFLOPS、RTコアが51TFLOPS、Tensorコアが353TFLOPSなどとなっている。新たにNV Encoder部分が第8世代となり、AV1をサポートした。

 アーキテクチャの進化により消費電力が抑えられているのが特徴で、TGPは160W、消費電力はゲーム時平均が140W、ビデオ再生時が13W、アイドル時が7Wと、いずれも旧世代より低くなっているのが特徴。

 ディスプレイインターフェイスはDisplayPort×3、HDMI。電源コネクタは8ピン×2またはPCI Express 5.0。

 ちなみにこのところ8GBのビデオメモリ不足について各所で指摘が上がっていたりするが、NVIDIAとしては多くのプレイヤーの環境であるフルHD解像度において、画質設定を適切に設定すれば8GBが依然としてスイートスポットであることに変わりはないとした。このため16GB版も用意されているものの、あくまでもより高いゲーム画質設定を求めたいユーザーのためのものだとしている。

同じ399ドルの旧世代製品との比較
メモリ16GB版も用意されているが、効果は限定的だという
多くのeスポーツタイトルで超高フレームレートと低遅延を実現できるという
コンテンツ制作向けの機能

GeForce RTX 4060

 下位モデルのGeForce RTX 4060は、シェーダー演算性能が15TFLOPS、RTコアが35TFLOPS、Tensorコアが242TFLOPS、L2キャッシュが24MB、ビデオメモリ帯域幅は272GB/s(実効453GB/s)となる。

 消費電力も抑えられ、TGPは115W、消費電力はゲーム時平均が110W、ビデオ再生時が11W、アイドル時が7Wとなる。それ以外の仕様はまだ公開されていない。

GeForce RTX 4060の仕様
旧世代製品との比較
1% Low FPSで比較しても大きく改善されているという