ニュース
「Xiaomi 13」がMWCでグローバル発表。「Lite」も追加して499ユーロから
2023年2月27日 09:30
Xiaomiは、2月27日~3月2日までの4日間にわたってスペイン王国バルセロナ市で開催される「MWC 2022」に出展し、同社が2022年12月に発表したフラッグシップ・スマートフォン「Xiaomi 13」シリーズをグローバルに発表した。
この中でXiaomiは、中国のローカル発表(「Xiaomi 13 Pro」と「Xiaomi 13」)ではなかったメインストリーム向けの「Xiaomi 13 Lite」を追加。前面のセルフィー用カメラに2つのLEDライトが用意されるなどの機能などが説明され、欧州での市場想定価格は499ユーロが予定されている。
このほかにも、スマートウオッチのXiaomi Watch S1 Pro、ワイヤレスイヤフォンの「Xiaomi Buds 4 Pro」、さらには電動スクーターの「Xiaomi Electric Scooter 4 Ultra」などのAIoT機器も合わせて発表された。
廉価版のXiaomi 13 Liteが追加発表
Xiaomiが発表したXiaomi 13シリーズは、昨年(2022年)の12月11日に中国で行なった記者会見で発表された製品で、Snapdragon 8 Gen 2をSoCとして採用しているXiaomi 13 ProとXiaomi 13の2製品が用意されている。いずれもライカと共同で開発したレンズやカメラ技術を搭載した3眼背面カメラを装備しているが、上位モデルのXiaomi 13 Proは、メインカメラ(焦点距離23mm)のCMOSセンサーにソニーのIMX989という1インチセンサーを採用していることが大きな違いになる。
今回の会見でもレンズやカメラのソフトウェア的な機能がドイツのカメラメーカーライカと共同開発したことが何度もアピールされ、現在のスマートフォンの差別化ポイントであるカメラの、他社との差が強調された。
例えば、「Leica Authentic Look」、「Leica Vibrant Look」という2つのスタイルが用意されており、前者であればより正確な色や詳細表現などが追及され、後者は明るい色を強調するスタイルで撮影が行なわれる。そうしたスタイルにはLeicaのノウハウが活用されている。
スマートフォンとしての機能は、SoCはQualcomm Snapdragon 8 Gen 2で、いずれも従来のモデルよりも大きく性能が向上しているのに、システムの温度は低下しているなど、性能は上がっているが消費電力はむしろ下がっていることが何度も強調された。
ディスプレイはXiaomi 13 Proが6.73型(3,200×1,440ドット)のAMOLEDで、1~120Hzの間でリフレッシュレートを可変にできることが大きな特徴となる(可変にするのはアイドル時にリフレッシュレートを下げるなどして消費電力を削減するため)。また、Xiaomi 13は6.36型(2,400×1,080ドット)のAMOLEDで、リフレッシュレートは120Hzとなる。
なお、両モデルともQualcommのFastConnect 7800を搭載しており、Wi-Fi 7に対応していることが特徴になる。今後Wi-Fi 7に対応したアクセスポイントが入手可能になれば、Wi-Fi 7で通信することが可能になり、最大5.8Gbpsで通信することが可能になる。
Xiaomi 13 Pro | Xiaomi 13 | Xiaomi 13 Lite | |
---|---|---|---|
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 | Snapdragon 8 Gen 2 | Snapdragon 7 Gen 1 |
メインメモリ | 12GB(LPDDR5X) | 8/12GB(LPDDR5X) | 8GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 256GB/512GB(UFS 4.0) | 256GB(UFS 4.0) | 128/256GB(UFS2.2) |
ディスプレイ | 6.73型(3,200×1,440ドット/1~120Hz/AMOLED) | 6.36型(2,400×1,080ドット/120Hz/AMOLED) | 6.55型(2,400×1,080ドット/240Hz/AMOLED) |
防水/防塵 | IP68 | IP68 | - |
背面カメラ(メイン) | 23mm/5,000万画素/IMX989(1インチセンサー)/f=1.9/HyperOIS | 23mm/5,400万画素(実効5,000万画素)/IMX800/f=1.8/HyperOIS | 23mm/5,000万画素/IMX766/f=1.8 |
背面カメラ(ズーム) | 75mm/5,000万画素/f=2.0/OIS | 75mm/5,000万画素/f=2.0/ | - |
背面カメラ(超広角) | 14mm/5,000万画素/f=2.2 | 14mm/5,000万画素/f=2.2 | -/800万画素/f=2.2 |
マクロカメラ | - | - | 200万画素/f=2.4 |
前面カメラ | 3,200万画素/f=2.0/Dynamic Framing | 3,200万画素/f=2.0/Dynamic Framing | 3,200万画素/f=2.0/Dynamic Framing/800万画素深度カメラ |
Wi-Fi 7対応 | ○ | ○ | - |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 | 5.2 |
5G | n1/3/5/7/8/20/28/ 38/40/41/66/71/ 75/77/78/79 | n1/3/5/7/8/20/28/ 38/40/41/66/71/ 75/77/78/79 | n1/3/5/7/8/20/28/ 38/40/41/66/77/78 |
LTE | B1/2/3/4/5/7/8/ 12/13/17/18/19/ 20/25/26/28/32/ 38/39/40/41/42/48/66 | B1/2/3/4/5/7/8/ 12/13/17/18/19/ 20/25/26/28/32/ 38/39/40/41/42/48/66 | B1/2/3/4/5/7/8/ 12/13/17/18/19/ 20/26/28/32/38/ 40/41/42/66 |
バッテリ | 4,820mAh | 4,500mAh | 4,500mAh |
サイズ | 162.9×74.6×8.38mm | 152.8×71.5×7.98mm | 152.9×72.7×7.23mm |
重量 | 229g | 189g | 171g |
カラバリ | セラミックブラック/セラミックホワイト | フローラグリーン/ブラック/ホワイト | ブルー/ピンク/ブラック |
OS | Android 13+MIUI14 | Android 13+MIUI14 | Android 13+MIUI14 |
価格(欧州での想定価格、税別) | 1,299ユーロ | 999ユーロ | 499ユーロ |
また、中国での発表には含まれていなかった追加モデルが発表された。それが13シリーズの廉価版という位置づけになるXiaomi 13 Lite。SoCはSnapdragon 7 Gen 1で、背面カメラは3つだがズームレンズはなく、メインの広角と超広角、そしてマクロレンズの3つが用意されている。
特徴的なのは前面カメラが2つ用意されている点で、メインのレンズは3,200万画素(f/2.0)だが、もう1つのレンズは800万画素の深度センサーになっており、より正確に深度を計測することでより自然なボケ表現が可能になる。
また、明るさが足りないところでも明るめのセルフィーを可能にするように、ディスプレイ上部に左右1つずつのLEDライトが用意されており、それらを利用して暗めの場所でも明るいセルフィー画像やビデオ会議などが可能になる。
なお、いずれの製品でもOSはAndroid 13で、MIUIと呼ばれる同社の独自UIも最新バージョンのMIUI 14になっており、出荷時に既にMIUI 14がインストールされた状態で出荷される。なお、既に出荷されている過去のモデルに関しても、今四半期(1月~3月期)中にアップデートが開始される計画で、モデルによりタイミングは異なるが対象となるモデルには順次アップデートが提供される計画だ。
Xiaomiによれば、Xiaomi 13 Proは1,299ユーロ、Xiaomi 13は999ユーロ、Xiaomi 13 Liteは499ユーロという税抜価格が市場想定価格として想定されており、3月8日から順次Xiaomiの公式流通チャンネルなどを通じて出荷開始される。
スマートウオッチ、ワイヤレスイヤフォン、電動スクーターなどの
近年のXiaomiはAIoT(AI+Internet of Things、AIの機能を備えたIoTという意味)デバイスに注力しており、従来のスマートフォンやその周辺機器メーカーから進化し続けている。今回もAIoT製品として、スマートウオッチの「Xiaomi Watch S1 Pro」、ワイヤレスイヤホンの「Xiaomi Buds 4 Pro」、さらには電動スクーターの「Xiaomi Electric Scooter 4 Ultra」が発表され、既に注文などが開始されていることが明らかにされた。
Xiaomi Watch S1 Proは1.47型のAMOLEDディスプレイを備えたスマートウオッチ。満充電の状態で14日間動作させることができるほか、10分の充電で2日間動かせるという低消費電力が大きな特徴となる。シルバーとブラックの2つのモデルが用意されており、ブラックは299ユーロから、シルバーは329ユーロから(いずれも税別)。
Xiaomi Buds 4 Proはソニーのコーデック「LDAC」に対応することでハイレゾ・オーディオに対応したワイヤレスイヤホンで、11mmのドライバを備えており、迫力あるサウンドを再生することが可能なハードウェアになっている。最大で48dBの適応型ノイズキャンセレーション機能も用意されており、飛行機の機内などで周りのノイズが気になる環境でも低ノイズでオーディオを楽しめる。市場想定価格は249ユーロが予定されている。
Xiaomi Electric Scooter 4 Ultraはいわゆる電動スクーターの最新モデルで、前後どちらにもサスペンションが入って乗り心地が改善されているほか、最大で70kmまでの航続距離が実現されている。こちらは999ユーロ(税別)が予定されている。