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中国への半導体の輸出規制はイノベーションを阻害する可能性。米国半導体工業会が指摘

 米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA)は26日(現地時間)、米商務省産業安全保障局(BIS)が2022年10月7日に発表した中国への半導体の輸出規制に対してパブリックコメントを発表。この中で、輸出規制は国家安全保障のために必要ではあるものの、イノベーションを阻害すべきではないとの見解を明らかにした。

 BISが10月7日に発表した輸出管理規制には、スーパーコンピュータ関連の製品や先端技術を採用した半導体などを含んでいる。これは国家安全保障のためであることはSIAおよびそのメンバー企業も認めているが、その範囲と詳細は前例のないものであり、世界の半導体エコシステムに新たな課題を生み出しているという。具体的には以下のような懸念点や改善すべき点を挙げている。

  • 外国企業がサプライチェーンのリスクを軽減するために、米国外で米国原産および米ブランドのコンテンツをデザインをする可能性がある。特に競争力のある技術やソフトウェア、部品、機器が外国で入手できる場合は、米国の産業基盤を揺るがすリスクを伴う
  • BISは規制を公開する前に、関連する技術諮問委員会や業界からの意見を求める必要がある。これにより、多くの企業が直面する複雑な技術面やサプライチェーンに関する未曽有の経験を回避できる
  • BISは同盟国と同意して、これらのルールを多国間で継続して実施する必要がある。一方的な輸出規制では、米国企業は不平等な競争条件に置かれる。管理下にない国際的な競争相手が研究開発に投資し、米国の企業を打ち負かせれば、技術的なリーダーシップが脅かされる可能性がある
  • 中国で操業している4つの多国籍半導体工場に対して、一時的な一般ライセンスを発行する必要がある。これにより不確実性が大幅に軽減され、より効果的な事業計画が可能になる
  • BISは、開発または生産に従事する半導体製造施設に対し肯定的なリストを発行する必要がある。これにより企業のコンプライアンスの負担が軽減され、市場への平等なアクセスが保証される

 SIAは、今後も政府と民間企業の対話を続け、業界のコンプライアンスを促進し、不要なビジネスの中断を避けるため、規制の明確化を図っていくとしている。