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AMD、宇宙でのオンボードAI処理を実現するアダプティブSoC

XQR Versal AIコア

 AMDは、傘下XilinxのXQR Versal AIコア「XQRVC1902」について、米軍仕様MIL-PRF-38535規格におけるクラスB信頼性評価を完了したと発表した。耐放射線設計により宇宙空間でのオンボードAI処理などを実現し、2023年初頭の出荷開始を予定している。

 XQRVC1902は、地球低軌道から地球静止軌道、その先の軌道に至るまでのミッションをサポートできる、高い放射線耐性を確保したアダプティブSoC。Cortex-A72とCortex-R5(ともにデュアルコア)によるプロセッサ、400基のAI/MLエンジン、約90万個のロジックセルなどを搭載し、高度な信号処理とAI推論機能を提供する。

 これまで、高度で複雑なAIアプリケーションはカスタム設計のASICでしか実行できず、非常にコストがかかっていた。一方XQRVC1902では開発中だけでなく、宇宙空間の飛行中を含め、展開後の再プログラミングが可能となる。衛星打ち上げ後の処理アルゴリズム変更など柔軟性を高められるという。