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USB MIDI 2.0に対応したWindows用ホストドライバが開発へ。しかもオープンソース

MIDI 2.0規格概要

 一般社団法人音楽電子事業協会(AMEI)は、カナダの音楽技術関連企業のAmeNote、およびMicrosoftとの覚え書きに基づき、Windows用のオープンソースUSB MIDI 2.0ホストドライバの開発へ資金提供および開発の支援を行なうことを決定した。2023年の開発完了を目指す。

 AMEIによれば、AmeNoteはMIDI 2.0およびUSB開発における豊富な経験を有しているため、同社にドライバの開発を依頼した。これと並行して、MicrosoftはWindows標準のオープンソースMIDI 2.0 APIの開発を開発することに同意したという。

 これらのドライバとAPIは、制限が非常に少ないというMITライセンスを採用しつつ、Microsoftの品質管理基準に従って開発され、オープンソースプロジェクトとして管理される。今後、誰もがオープンソースのコントリビュータとして開発に参加したり、自分のデバイスやOSでこのソースコードを活用したりできる。このため、USB MIDI 2.0ホストドライバとMIDI 2.0 APIに対する継続的な改善と拡張が期待される。

 MIDI 2.0は、1983年にリリースしたMIDI 1.0規格の後継で、双方向通信を前提に設計され、MIDI 1.0におけるいくつかの制限が対処され、チャンネル・メッセージの分解能拡張、ノート・コントロール、タイムスタンプなど、演奏の表現力やデータ再現性を大きく向上するという。なお、MIDI 2.0非対応の場合はMIDI 1.0の範囲で動作する後方互換性も持ち合わせている。

 MIDI 2.0は日本以外の全地域について、アメリカに本拠を構えるMIDI管理のNPO法人「The MIDI Association」(TMA)が規格を管理している。TMAはそのメンバー企業であるAmeNoteによるProtoZOA(ソフトウェア開発者がMIDI 2.0アプリをテストするためのUSB MIDI 2.0プロトタイピングボード)の開発に資金提供しており、AmeNoteはProtoZOAのファームウェアの大部分をオープンソースとしてリリースする予定とした。

 さらに、AMEIとTMAのメンバー企業は、MIDI 2.0規格に準拠したデバイスやアプリを確認するためのテストツールを開発しており、今後、GitHubより無料でダウンロードできるように一般リリースする予定。加えて、Linux用オープンソースドライバとAPIの開発についても、Advanced Linux Sound Architecture(ALSA)のコミュニティメンバーと協力を進めているという。